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2019年12月17日00:07

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修行の旅、小倉編その3

小倉西のほうも回ってごらんと平尾酒店の女将さんから言われたけど、じつはその前に小倉西方面に自転車でまわり、目当ての角打ちを1軒見つけていた。
ただしそこは17時オープンなので、1時間ほど小倉市内を走ってから向かうことにした。
小倉市内っちゅうか、北九州市小倉地区なんやけどね。
少し市街地から外れると、街道沿いにはどこにでもあるチェーン店の看板が並んでるけど、それでも随所に昭和の名残があって、なかなか住みやすそうなとこやな。
唐突にでっかい観覧車が出現したのには驚いたけど。

1時間はあっちゅう間に過ぎ、小倉城のお堀沿いを小倉西に向けて走る。
目的地に行く手前で気になっていた木造の橋を渡ったら、もっと気になる看板が見えてきた。
末松酒店。
外から覗くと、すでに中で飲んでる人が居る。
自転車を停めて店に入ると、そこにはなんとも重厚でトラディショナルな角打ちの光景が。
しかもいちばん奥ではブラウン管テレビがニュースを映し出している。
こりゃまたとんでもない店に飛び込んでしまったみたいやな。
ラスボス感のある店内には、北九州角打ち愛好会とかなんとか言う団体の告知やテレビ、雑誌の取材コピーがいくつも貼り出されている。
どうやら角打ち愛好者の総本山的な店であるらしい。
いつものことながら、こういうとこを嗅ぎ付ける自分の嗅覚には感心してしまう。

チューハイもらえるかな。
後ろの冷蔵庫から出して飲んでちょうだい。

そうそう、飲み物を自分で出すってのがまさに正統派の角打ちなんよな。
あてはビニールパックに入れたのがズラリと並んでいる。
鶏肉の炙り焼きみたいのを手に取り、これ頼むわと差し出したら初老の大将がチンしてくれはった。
ひと口食べてびっくりや、ひね鶏やん、これ。
そやけど、なんぼすんねやろ。
まさに普段着普段履きのオヤジたちが出たり入ったりする中で飲んでると、大将がこれ持って帰りと小冊子を渡してくれた。
パラパラめくってると、1ページの中にさっき行った平尾、赤壁、そしてここ末松がおさまってるやん。
ますますひとりごちた、さすがわし。
380円払ったら、いよいよ目的の勝山へ。

うわっ、ここもすごいなあ。
なんやようわからんもんがごちゃごちゃ置かれた通路を抜けたら、奥にはまさにザ・角打ちとでも言いたくなるような空間が広がってた。
スーツ着たサラリーマン風の人、ここで初めて見たわ。
ほかの店よりは若い層の兄ちゃんがあとからあとから入ってくるのは、べっぴんさんのママさん目当てなんかな。
こちらでは缶の角ハイと魚の練りもんを揚げたやつを頼んで310円。
さっきの380円もやけど、コーヒー1杯分の料金であてつきの飲みができるって熱いよな。
末松とここ勝山、どっちもちゃんと手を加えたあてがあるし、そういうのがいれへんかったらソーセージとかチーズかまぼこにお菓子、お腹がへったらカップラーメンまでいけるんやもん。
小倉では今日は飲みに行こかってのではなく、今日も寄って帰ろかって文化がしっかり定着してるんやわ。
さすがは角打ち発祥といわれる土地だけのことはある。
時間を見るとそろそろ18時。
新幹線に乗る前に寄ろうと思っていた最後の1軒へと急がねば。

その4に続く。


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