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2019年12月14日00:06

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中国四千年の歴史なんて学ぶ必要があるのか?

今、中国の古代から中世を舞台にしたゲームをしているのだが、中国の歴史を学べば学ぶほど、「中国にはこんなに立派な偉人がたくさんいるのに、今の中国はなんで共産党支配で世界の問題児になってるのだろうか?」と疑問に思う。中国史にある程度詳しい人ならわかると思うが、中国は古代の春秋戦国時代から17世紀の明王朝ぐらいまでが全盛期であり、その後、中国北東部満州出身の清王朝が成立して、満州の風習で位の高い貴族は辮髪をするという決まりがあると、中国人の貴族のほとんどが辮髪をするようになった。何でもかんでも皇帝と貴族の言うことに従うという変な民族である。

もちろん、日本も中国と近いから似たような風習、メンタリティがあるかもしれないが、少なくとも足利幕府に力がないと見れば他の侍が戦国大名となって「分国法」を作って新しい幕府を作ろうとした。江戸時代幕末にも江戸幕府が衰えたと見れば、毛利(長州)と島津(薩摩)が中心となって倒幕運動を始めて最後には江戸幕府を倒して近代国家の建設を始めた。でも、日本の場合は常に侍は天皇家に敬意を払っており、天皇陛下から「征夷大将軍」を名乗る許可を貰って幕府を作るという形式を江戸時代まで変えなかった。確かに、後醍醐天皇が建武の新政に失敗して以来は天皇家の力は形式的なものだったが、侍は常に日本国の生みの親である天皇家への敬意は忘れなかった。それに多くの侍は天皇を敬うと同時に仏教徒であり、神社とお寺への敬意を常に払っていた。

一方、中国の場合は多くの皇帝がいたが、殷、周、秦、漢、隋、唐という新しい王朝が出来る度に、古い国の皇帝と貴族などを完全に否定してしまったので、何の繋がりもないままバラバラに多くの王朝が乱立しただけだった。それに、中国は常に世界で一番人口が多かったので「中華思想」というのがあり、「中国を制す者が世界の王者」という間違った思想があった。ここが日本と中国の歴史の違いだと思う。

西洋史にも日本史と同じような繋がりがあり、ローマ帝国滅亡から近代までイギリスからロシアまでのヨーロッパで多くの王朝が乱立したが、常にイエス・キリストとキリスト教会への敬意が中心にあった。ヨーロッパと日本が上手く19世紀末に近代国家を建設できたのは、宗教への敬意という一貫性があったからだと思う。


そのため、清王朝末期の頃には4千年の歴史があり多くの偉人を輩出した中国は、遂には後進国と思われていた日本と戦争をして日清戦争に負けてしまい、その後は欧米列強の植民地となってしまう。ここまできてようやく中国人の孫文、蒋介石などはプライドを捨てて、「近代国家を建設して日露戦争にも勝利した日本に学ぼう」と唱えて、日本のように西洋文化を取り入れることを始めた。それで、辛亥革命が成功して中華民国が成立したのが1912年のことである。

しかし、その後はご存じのように毛沢東の共産党軍と蒋介石の国民党軍との内戦が続き、最後には共産主義のソ連の支援を受けた共産党軍が勝ってしまい、1949年に中華人民共和国が成立してしまう。ここから毛沢東の共産党の独裁政治が始まって、「大躍進政策」「文化大革命」の大失敗で約2千万人ほどの死者が出て、今でも香港、チベット、ウイグルなどで中国共産党政府は政治的問題を起こしている。もし、多くの中国人が孫子、孔子、諸葛孔明などの過去の偉人から学ぶ姿勢があれば今のような問題児にはならずに、中国には民主主義があって、言論の自由もあるはずだ。今の中国は「毛沢東よりも孔子の教えの方が素晴らしい」などと言えば、公安からマークされるという自由のない国になってしまった。


ドイツ語を学ぶためにドイツ人の家にホームステイしていた時、それ以外にドイツ人と話をした時に、「日本の学校ではローマ帝国の歴史、ゲルマン民族大移動などのヨーロッパの歴史を学ぶけど、ドイツの学校では日本と中国の歴史などの東洋の歴史は学ぶのですか?」と質問したら、「東洋の古代と中世の歴史はギムナジウム(中高一貫のドイツの学校)ではほとんど学ばないよ。中国についてはモンゴル帝国がヨーロッパに攻めてきたことは学ぶけど、それ以外はアヘン戦争以後、日本については大日本帝国成立以後というふうに、ヨーロッパと関係を持つようになった時代から学ぶ。それ以前の時代については、大学に行ってから選択科目で学んでいる。理由はヨーロッパとは関係がないからね。日本の中学、高校ではローマ帝国の歴史、十字軍の歴史も教えてるのか?日本には関係ないことも教えてるんだな」と言って、驚いた顔をホームステイ先の家族の人たちはしたし、他のドイツ人たちも驚いていた。


そこで僕が思うには、中国の古代と中世の歴史は日本の学校でもそんなに詳しく教える必要はないと思う。主要な王朝名と皇帝の名前を教えれば十分で、ヨーロッパの学校と同じように、「4千年の歴史がある中国がアヘン戦争に負けた後、なぜ、日本を含む欧米列強の植民地に成り下がり、今では共産党独裁の世界の問題児になってしまったのか?多くの偉人を歴史上に輩出した中国が、今では世界で嫌われてる理由とは?」ということをテーマとして教えるべきだと思う。

中国の春秋戦国、三国志などの偉人について知れば知るほど、「これだけ偉人の多い中国が、なんで普通選挙が行われる民主主義、言論の自由がないような共産主義国家になったのだろうか?現在の中国を見れば本当に不思議に思う」というふうに、本当に疑問に思う。

日本も確かに問題はあるが、少なくとも日本人はグーグルが使えるし、フェイスブック、ツイッターでも外国人と自由に交流できる。一方、中国ではグーグルは使えないし、フェイスブック、ツイッターで外国人と自由に交流できないようになってる。中国にはネット検閲があって、検索はバイドゥを、交流は中国版ツイッターというウェイボを使わないといけない。それでも中国政府は「バイドゥもウェイボも6億人以上の利用者がいるから、世界有数のSNSだ」と主張している。全く「中華思想」とは困ったものである。中国の歴史を知れば知るほど、今の中国は「しくじり先生」だと思う。孫子、孔子、諸葛孔明などの偉人たちは、「中華思想があるから、中国人は世界で一番偉い」などとは絶対に唱えなかったはずだ。


写真左は中国が抱える問題。マルクス共産主義と毛沢東の否定が出来ないので、中国は世界の問題児になっている。写真右は中国の民主化運動。2010年にノーベル平和賞を受賞した劉暁波を自由にせよという抗議運動を行っている。しかし、劉暁波は2017年に中国当局の監視下で病気で亡くなった。こんな自由のない国を、中国の過去の偉人たちが望んでいるのだろうか?

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