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2019年11月22日21:50

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72 詩・短編を書いてみた (第1896回)

短編・詩を書いてみました(^_^)
素人が書いたので
気に入っていただけるか分かりませんが
一生懸命に書いてみました
だいたい1000字以内なので暇なときにでも読んで
楽しんで頂けると幸いです(^_^)b

72「その想いを…」

■■■■■■■■■■
【あらすじ】
とある日の学校の放課後。
突然
恋人に呼ばれて屋上へ向かう僕。
その道中で窓から見えた空は夜なのか
それとも朝なのか…。
どちらか分からないようなノスタルジックな景色で
それはまるで僕の気持ちを表しているかのよう。

これはそんな瞬間の話………。
―――――――

ある日の放課後。
僕が帰り支度をしていると
学校を長く休んで
久々に登校してきた幼なじみが僕に話しかけてきた。

『どうしたの?』

彼女は神妙な表情をしながら僕を呼ぶ。
その表情は何かを思い詰めているように見えた。

これは幼なじみとして何か解決してあげなければ…!。

そう思って彼女の後をついて歩く。

数分後。
彼女は階段を一段ずつ上がって屋上へ向かい
そのドアを開ける。
すると
そこから風が吹き込み
その風が彼女の髪を揺らした。
波打つように揺らされた髪は数本切れ
その髪が僕の顔につく。

僕がそれを払うと
彼女は悲しいそうな顔をして屋上に出た…。

彼女は三角形の形が並ぶフェンスまで歩き
そして
それに手を掛け
しばらく空を眺め始めた。

僕は声をかけたかったけど
それをさせない雰囲気が彼女にはあった…。

少しの雲が流れ
彼女が手を降ろして振り向く。
そしてこう言った。

「私ね。末期ガンなの…」

その告白に頭の思考が止まる。

動揺する以外のモノが見つからない。
理解が追い付かない。

こんなにも思考回路が止まることがあるのだろうか?

僕は二度三度と彼女の目を背けたが
乾いた雑巾から水を絞るように勇気を振り絞り
彼女を見る。
すると
彼女は真っ直ぐ僕を見ていた。

その顔は怯えている…。

彼女は僕の目を見て。
何度か躊躇って。

また僕の目を見て
こう言った。

「アナタのことが好き」

それは彼女の精一杯の想いなのだろう。
『死』という存在を間近にしての勇気を込めた想い。

その想いに思考停止した僕の頭がかろうじて動いた。
しかし
どう言ったら良いのか分からない。
彼女の想いには応えたいが
きっと
彼女は治らないガンを患っているのだろう。

僕がどれだけ神様に願っても
運命は変わらないだろう。
だから
僕と彼女を待っているのは悲しい結末。

その結末を受け入れられるほどの時間を彼女に与えることが出来るだろうか?

そう思う僕は
太陽の火が落ちようとしている今も
気持ちが揺らぎ今も触れないでいる………。



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