古川 正義
2012年5月18日 ·
「エローヒム」
ヘブライ語の発音で「エローヒム」と言う単語がありますが、正確に和訳すると「神々」となります。「えっ!! どうして？ 神でしょ？」と思われるかも知れませんが、この肩書きは代名詞であり、然も複数形だからです。即ち単数扱いの神（発音の違いで「Eli」或いは「Eloi」）に複数を意味する語尾「ｍ」がついているからです。それで、この単語の原意は「天空から降りて来た人々」であり、平たく言えば、地球外からやって来た人々と言うことになる訳です。
では、もう一つの何故でしょう？から説明しますと、 ヘブライ語がユダヤ人だけの言語だと思い違いをしておられる方々にはすぐお分かりにならないかも知れませんが、然しヘブライ語が元来多神教の神々を崇拝する民族の間で長年普通に使われていた言語であったことがお分かりになるならば、所謂彼らは習慣的に複数の神を崇拝していたが故に、当然その呼称も複数であったという経緯の合理性と言うものがお分かりになるのではないでしょうか。
然し一方、一神教であるユダヤ人達にとっては唯一エホヴァが彼らの生ける神であり、その荘厳さを表す目的でそのまま複数形で呼ばれて来たわけでして、日本語で言えば、ちょうど「神」と「神様」の言葉の使い分けのようなものと思えば良いのではないでしょうか。ですから、英文でも Elohim はあっても Elohims はなく、英訳での複数形表記は Gods となるわけです。従って、ヘブライ語で書かれた古文書、即ち旧約聖書中で偶像を崇拝する多神教の神々もエローヒムと表記されている箇所があっても決して不思議ではないわけです。
ところで、ではモーセ書２章以降に見られる単数形Godに対して、アブラハム書４章５章では何故複数形Godsと英訳されているのでしょう？ それは、前者が一人称であるのに対して、後者は三人称だからです。
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