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2019年11月02日14:09

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スタイリッシュVSアホ

 とりま最近観た映画の話でも。


●Thunderbolt Fantasy 西幽玹歌(サンダーボルトファンタジー セイユウゲンカ)

 ニトロプラス×台湾のスタイリッシュ人形劇。1作目につづいて2作目も無事映画化。1作目が本編の前日譚&後日談の二本立てだったのに対し、こちらは前日譚1本の長編。TVシリーズでは謎多き助っ人詩人だった浪巫謠(ロウフヨウ)の過去を描いた話。

 美声をもって生まれたがゆえに、幼少時より母の虐待とも取れる特訓を受けたロウ。喉を酷使した彼はある日声変わりをするも、目の不自由な母はそれに気づかず、錯乱して命を落としてしまう。「自分の声が母を殺した」自らの声を呪いつつ、その歌はやがて人々を魅了していく…といった物語。

 サンファンならではの武侠モノでありつつも、昨今「ボヘミアンラプソディ」や「ロケットマン」なんかで人気を博しつつあるアーティストのサクセスストーリーを併せたような作品で、本編でスパイス程度に盛り上がってた西川貴教(本作でとうとう主役に抜擢)の熱唱が、ハードでスタイリッシュなシナリオにガンガン絡んでそりゃもう最高だったさ。

 新キャラのメイン女性はどちらもチャーミングで、黒髪美女で正統派ヒロインな睦天命
(ムツテンメイ)はもちろんだが、ロリ皇女・外道・くぎゅうという三倍満の嘲風(チョウフウ)がヤヴァイ。幼くして政治の全権を委ねられて歪んでしまったという悲劇の少女ながら「吟遊詩人を呼んでは、目の前で刺客を放って最後まで生きてたら勝ち」というデスゲームに興じるサイコパス指数ぶっちぷり。でもちゃんと自覚症状あるしで、サンファンの醍醐味「自分なりのプライドを持った悪役」が相変わらず光る。

 TVシリーズ2期は正直、話がスロースターターで1期ほどのテンポの良さがなかったものの、改めて映画を観てサンファン熱を取り戻せたあたり、やっぱサンファンは最高なんやなっと思った次第。この勢いで秋葉原UDXシアターでやる全話一挙上映も、ちょっと観てみようかなと思ったり思わなかったり。


●ワイルドなスピード AHOミッション

 アマプラで気になった一作。もう結構なシリーズ数で新規が入るには身構えるビッグタイトルなワイスピ…のパロディ映画。捻くれ者としては「これでワイスピデビューした事にしよう」と悪ノリで見始めたものの、なかなかキレッキレのギャグ映画で思わぬ感心をしてしまった。

 パロディ映画は「とりあえずモチーフにした」一見さん向けと「本家を徹底してパロった」ファン向けに分かれるが、本作はおそらく後者。原典に寄せたキャストやストーリー展開は原作を知ってこそのシチュも多かったが、それを抜きにしても随所で溢れるワイスピっぽさは何となく共感。10分おきぐらいで思い出したように流れ出すクラブ風BGMとか。

 一方でギャグは数うちゃ当たる方式で、さすがに全部笑えるわけじゃないが必ず何かしらのツボには当たるマシンガンタイプ。露骨な下ネタ、テロップネタ、海外の芸能ネタ、低予算の自虐ネタ、メタ、安いCG、ギャグ風ゴア描写、ホモ、レズ、筋肉、ハリウッド映画あるあるetc…下手なギャグ映画だと照れがあるのか踏み込みが浅かったり、ギャグとギャグの間が空きがちだが、本作はとにかくテンポ良く、そして天丼を忘れない。

 お気に入りを上げるなら、中盤の襲撃計画で「チームを結成する」といって、新しく引き入れるのが「黒人ラッパー(音楽担当)」「アジア系クール俳優(どのカットもすまし顔で何か食べてる)」「モデル風美女(台詞が少ない、目の保養)」が、スマブラの参戦シリーズよろしくテロップ付きで出てくるところか。出オチ要員もいいとこだがちゃんと最後まで見せ場があるのが誠意あって好きだ。確かなスタッフの熱意を感じる。

 全編AHOの名に恥じないフルスロットルぶりだが、それでもハメを外さず本編のシナリオもきちんと進行させるのを忘れず。クライマックスの家庭がバカバカしいんだけど、ちゃんと各陣営脱落者を出して「トップ同士の一騎打ち」みたいなのをやってたのは感動すら覚えるほど。「身内の裏切り」みたいな波乱のドラマ(笑い)も忘れないぞ!

 ワイスピ未経験者ですら虜にした「ワイルドなスピードAHOミッション」(原題:SUPER FAST!)原典知らないにわかでさえ笑えたギャグ映画だし、シリーズファンならきっともっと幸せになれる1作。あんま言いたくないけど「デッドプール」もこれぐらい軽快に、低俗にやってほしいなと思った夜であった。
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