今日は雨がシトシト。
風が吹いて体温が奪われ、半袖だと肌寒いくらい!
晴れていればJRでと思いましたが、仕方なく車で仲多度郡多度津町まで走らせ、港まで向かいます。
そう!
目指すは瀬戸芸秋から開催される西讃の島の一つである高見島です。
フェリー代の往復料金は前開催から10円アップの950円税込。
30分前に並びます。
出港するのは係留している新なぎさ号ではない模様。
もう一つの方ですが、三開催連続で新なぎさ号で11時出航です。
https://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=10363401&id=1956253335
約25分で着岸。旗を振ってのお出迎えが嬉しい!
※はサイト作品説明。
すぐ見えるのが純白の高見島作品ナンバー1鎌田祥平・並木文音作「積みかさなる白と空白」2019年。
キャッチフレーズ「島の人と訪れる人をつなぐ場」。
※あらゆる物質は時の流れとともに、その時々で存在理由や用途、目的を変化させていく。例えば自然の岩。道標や待ち合わせ場所になるときもあれば、オブジェやあるいは神聖な場へ変化する。そして存在意義を変えながら、その都度その土地の象徴となる。2人は島でもっとも人の往来のある港の前に、自然の岩のようなオブジェを設置し、島の人々と訪れる人々をつなぐ新たなスポットをつくる。※
内部には生活臭のある純白に溶け込んだオブジェがいっぱい!
島に着いてから雨はやんでいるものの風が強く、どんよりしたお天気。
まずは港から南の方向の作品ナンバー2と3を目指します。
高見島作品ナンバー2中島伽耶子作「時のふる家」2016年。
キャッチフレーズ「壁に貫通したアクリル板が照らす光」。
※カットしたアクリル板を通して光が古家の内部に鋭く入り、室内を照らす。刻々と変化する光は家を暴力的に貫通することで、時代の流れに翻弄される島の姿を浮かび上がらせる。※
前回同様、レーザービームのような光が印象的な良作。
道中、「喫茶・軽食あい」や元気に挨拶してくれるおじさんがやっているうどん屋など食べ物屋さんがチラホラ見られます!
こじんまりした神社もいいなぁ・・・。
見えてきました!高見島作品ナンバー3PARANOID ANDERSONS作「Long time no see」2019年。
キャッチフレーズ「再会の場を創造」。
※高見島の1軒の空き家を解体し、そこにあるすべてのものを素材に作品制作を行う。この家の解体を島の家の歴史、文化を学ぶ一助にする。瓦や柱、家財道具などは役割を変え、瀬戸内海を望む海辺に彫刻として再構築される。※
家の歴史や生活様式を立方体から展開図にしたような魅力にあふれてますね!
前回も紹介した瀬戸内の島特有の「両墓制」の墓地。
さあ、港まで戻ってさらに島を北に移動します。
島の簡易郵便局(ATMなし)を抜けた先にある・・・
前開催まであった海鮮食堂はすでになく・・・
その傍にある旧・高見島小中学校へ続く登り口から作品ナンバー4から12を目指します。
登り口手前にあったキリンがアヤシイ(笑)
旧・高見島小中学校はトイレ休憩場所になってます。
さらに上へ・・・
お地蔵さんや中塚邸石垣などの島の名所が現れます。
そんな中塚邸はお遍路ばりの接待所となっています。土日には茶粥のお接待もあるそう!
お茶と折り鶴に入った飴を頂いて、アヤシイキリンと絶景を眺めて休憩。
この場所の他にも所々に坂出商店街で見た記憶のあるキリンやブタのオブジェがあって楽しいです。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1965653687&owner_id=10363401
さて、高見島作品ナンバー4大石いずみ作「keep a record」2019年。
キャッチフレーズ「外と屋内の視覚的ギャップが時間経過を表す」。
※穏やかな時間の流れる高見島にとり残された家屋。かつての暮らしの痕跡があり、いまだに家人の帰りを待ち続けているかのよう。その空き家内に壁面・天井・床面を新しくつくったホワイトキューブを設置。島内の廃屋を撮影した写真や、廃屋に置き去りにされた古写真たちをモチーフに、過去を想起させるようなペインティングを制作。静かに停滞した家の時間と我々の生きる流動的な時間とのパラドックスを提起する。※
輪郭のぼやけた過去に遡った味わいあるペインティング。土間も使えそうで今にも人が帰ってきそう。
高見島作品ナンバー5村田のぞみ作「まなうらの景色」2019年。
キャッチフレーズ「浮かび上がる生活の記憶」。
※島の空き家は作家にとって、ここで暮らしていた人々の生活や記憶を抱えているように見えた。その時間の積み重なりや記憶を紡ぐように、空き家の中に縒り合わせた白く細いステンレス線を張り巡らせて、空間をつくり上げる。スポットライトを数点用い、暗闇にステンレス線が浮かび上がるような空間は、テキスタイルを学んだ作家ならではの繊細な表現。※
暗闇に浮かぶ空間はクモの巣のようでした。
ここは島の分岐場。
道中の家は作品でも語られているようにほとんどが空家です
高見島作品ナンバー6山田愛作「内在するモノたちへ、」2019年。
キャッチフレーズ「目に見える自然と見えない内なるモノを体感」。
※作家は島を訪れた際に、地面の奥深くに眠る、目に見えない“内在するモノ”を感じた。島で体感したことを手掛かりに、島そのものに“内在するモノ”を、絵画と石によるインスタレーションで表現。庭から瀬戸内海が望める古民家の中には、外とはまるで異なる神秘的な空間が広がる。鑑賞者は、島の外側から島の内部へ、さらに自分自身の内部へと入るかのような体験をする。※
この作品が一番インパクトありました。島で拾ってきた石でコツコツ作ったそうで賽の河原にも似た情念を感じます。
さあどんどん登って行きます。
前回通り、大聖寺の上側まで上がり・・・
高見島作品ナンバー10内田晴之作「除虫菊の家/静かに過ぎてゆく 除虫菊の家/はなのこえ・こころのいろ」2019年。
キャッチフレーズ「燃焼する除虫菊のドラマチックな変化」。
※高見島はかつて蚊取り線香の原料、除虫菊の栽培で栄えた。その歴史を踏まえ、これまでの芸術祭では島の人々と除虫菊を栽培し、民家で作品を展開。今回内田は過去に栽培した除虫菊を用いた燃焼と煙のインスタレーションを行う。小枝は高見島で見られる花たちとの出合いのなかで生み出される写真、障壁画、陶製オブジェにより、“見ることの喜び”と“心地よい身体性”を伴った空間を生み出す。※
蚊取り線香の地形が特にいい!!
前開催でも除虫菊という同じテーマでされてましたが、作品が一新されてました。
ここから雨が土砂降りになって一旦軒下で雨宿りとします。
高見島作品ナンバー9ロサナ・リオス作「家の"メメント・モリ"」2019年。
キャッチフレーズ「日常生活の記憶を強調し、人の痕跡を見せる」。
※「メメント・モリ」を表現。かつて生活が営まれてきた空き家は、人間が存在した記憶を持ち、その記憶は消えつつあってもいまだ存在している。2階建家屋の1階と2階で対照的な手法を用い、その痕跡と存在を強調する。※
自分の身体を魚拓ならぬ人拓されているそうです。
さあまっすぐ降りて行って・・・
高見島作品ナンバー8中島伽耶子作「うつりかわりの家」2013年。
キャッチフレーズ「島の静かな時間を感じさせる小さな光」。
※古家の屋根や壁に直径1cmほどの小さな穴を膨大に開けたインスタレーション。等間隔に規則正しく開けた穴から、時間や天気、季節によって変化する自然の光が入り、室内を優しく照らし出す。※
前開催の晴天時より光度が低くて目が慣れるまで暗闇でしたが、また違った世界が見られた気がします。
さらに下って・・・
高見島作品ナンバー7藤野裕美子作「過日の同居」2019年。
キャッチフレーズ「自然がもたらす空き家の変容を絵画化」。
※作家が数年ぶりに再訪した島では、廃屋が倒壊し、空き家の風化がさらに進んでいた。しかし家屋に足を踏み入れると生々しいほどに「人」がいたという存在感に包まれる。高見島に残る空き家や空き地を取材し、かつての営みと、人の手を離れた後に起こった変容を作品化する。岩絵具で麻紙に描いた作品を縁側などに設置、時間や天候による自然光の変化により、色の印象や図像の現れ方が異なり、様々な表情を見せる。※
除虫菊なども見られて、島の営みが光のかなたから蘇ったみたい!
海のテラスに併設された高見島作品ナンバー12梶井照陰作「KIRI」2019年。
キャッチフレーズ「瀬戸内海特有の濃霧を撮る」。
※瀬戸内海は3月から6月にかけて「移流霧」と呼ばれる濃霧が発生する。暖かく湿った空気が冷たい海水に冷やされることにより発生する霧だ。一方、夏が近づくと、私が暮らす佐渡島では山の斜面を気流が上昇し「滑昇霧」が発生する。かつて交易のため、瀬戸内から多くの塩飽船が佐渡島を訪れたという。2つの地域の霧をテーマにした映像作品。
霞がかった映像に約17分間魅了されます。
高見島作品ナンバー11野村正人作「海のテラス」2019年。
キャッチフレーズ「海を一望できるテラスでイタリア料理を」。
※高見島の東斜面の高台に位置し、瀬戸内海を一望できるテラスで振る舞われるイタリア料理。浦地区独特の石垣の通りの一角にテラスをつくり、明るく開放的なスペースを用意。海外からの来島者と地元の人々の交流を図り、皆で食卓を囲む。※
2013年の時から海のテラスはありましたが、地元食材にこだわったりとリニューアルしているようです。
「ボロネーゼスパゲティ・パン付き(1300円税込)」と「バタフライピーティー(300円税込)」を注文してペイペイで支払い後、テラスの方は雨で濡れているため民家風の建物で景色を見ながら待ちます。
まずはパンとバタフライピーティーが来ました。
鮮やかな青ですね〜。レモンを絞って入れると色が変わるそう!
紫に変わりましたね!ちなみにバタフライピーとはタイで親しまれているハーブの一種で熱帯アジアが原産のマメ科のツル性植物の花びらを乾燥させたものです。アントシアニンが豊富で何とブルーベリーの約4倍。
そんなことから眼精疲労(目の疲れ)、抗酸化作用(アンチエイジング)、頭皮の血行促進(育毛)、メラニンの沈着抑制(美白)などの効能があるようです。
味はせず、レモンを入れた水感覚で飲みました。
ボロネーゼはパンが付いているとは言え、ちょっと少なかったかな?味はばっちりでした。
これにて高見島作品コンプリート
作品をまわってみた印象はほとんどが新作であり、意欲作が多かったように思います。
さらに女性作家が多いのも今回の高見島作品の特徴でしたね!
おっ!珍しいのでサワガニと大きなザクロの木もパシャリ!!
港に戻って、帰りの船の時間を再確認すると約一時間まち。
昼食的にやや足りなかったので、港近くまで戻って冒頭に前を通った「喫茶・軽食あい」に向かいます。
高見島の郷土飯「なめし(500円税込)」を更にいただき、お腹一杯になりました。
約1/3の値段で、しかもこちらはホッとする郷土的な内容の上、定食として充実していて思った以上に良かったです。そして店舗が昭和的民家にて雰囲気も抜群!
早い昼食にはなったと思いますが、最初からこちらで良かったかもしれません!
帰りは臨時便の高速艇で15時20分発。
お見送りが盛大でお迎え同様に嬉しかったです。
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