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2019年09月10日10:22

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真珠養殖のアコヤガイ稚貝「未曽有の大量死」原因不明

真珠養殖のアコヤガイ稚貝「未曽有の大量死」原因不明
2019年9月4日 15時02分
NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190904/k10012063071000.html
全国一の真珠の産地 愛媛県の宇和海沿岸で、真珠の養殖に使うアコヤガイの稚貝が大量に死んでいることがわかり、県などが被害の実態を調べるとともに、原因の究明を進めています。

愛媛県によりますと、ことし7月下旬、県内の漁業関係者から「アコヤガイの稚貝が今までにないほど多く死んでいる」という連絡が県にありました。

県が調べたところ、宇和島市から愛南町にかけての養殖場で、アコヤガイの稚貝が大量に死んでいるのが確認されたということです。

アコヤガイは真珠の養殖に使われる貝で、2年ほどかけて稚貝を母貝まで育てたあと真珠の芯になる核を入れ、半年から1年半ほどかけて真珠に仕上げて出荷します。

宇和海沿岸のアコヤガイは、過去には貝が赤く変色する「赤変病」で大量死したことがありますが、今回は「赤変病」ではなく原因はわかっていないということで、県や国は被害の実態を詳しく調べるとともに、海水の環境変化や感染症の発生がなかったかなど原因の究明を進めています。

愛媛県はおととしの時点で、真珠の生産量が7664キロと全国一のほか、母貝の生産量も1242トンと全国の9割近くを占め、一部は三重県などほかの真珠の産地にも出荷されています。

今回の稚貝の大量死は再来年以降の全国の真珠の生産に影響が出るおそれもあるとして、県などは、新たな稚貝の確保など生産者の支援も進める方針です。

養殖業者「出荷ほとんどできない 早く原因調べて」

宇和海沿岸の養殖業者の中には、育てていた稚貝の大半が死に、大きな被害が出ているところもあります。

愛媛県愛南町家串で40年近くアコヤガイの養殖を手がけている、桑山建義さん(69)の作業場では4日、養殖していた稚貝をいったん、海から引き上げ、生きている貝と死んでいる貝を選別する作業が行われていました。

桑山さんによりますと、先月上旬に稚貝の様子を確認したところ、直径2センチ前後の稚貝の多くが殻が開いた状態で死んでいたということです。

桑山さんによりますと、これまでに確認したもののうち全体のおよそ8割が死んでいたということで、桑山さんは「来年の出荷はほとんどできない状態だ。早く原因を調べてもらいたい」と話していました。

稚貝 出荷時までは順調に生育

愛媛県内では、真珠の養殖に使われるアコヤガイの稚貝は宇和島市と愛南町にある施設などが人工交配で生産しています。

愛南町では地元の漁協と町が連携して稚貝を生産していて、毎年3月から4月にかけてふ化させた稚貝を40日ほどかけて直径2ミリほどにまで成長させ、養殖業者に提供しています。

今回、大量死したアコヤガイの稚貝はことしの春に出荷したもので、業者に出荷するまでは順調に生育していたということです。

愛南漁協内海支所の浜田茂樹技術専門員は「原因はわからないが、稚貝の大量死は真珠の生産にも関わるので影響は大きいと思う。今後、生き残った貝をもとに交配を進め、来年出荷できる稚貝の量を増やしたい」と話していました。

真珠販売店 今後の影響を懸念

真珠製品を扱う県内の店では今後の販売への影響を懸念する声が聞かれました。

宇和島市にある道の駅「みなとオアシス うわじまきさいや広場」では、主に観光客向けに地元 宇和海産の真珠を使ったアクセサリーなどを販売しています。

今回、アコヤガイの稚貝が大量に死んでいたことについて松廣大士支配人は「真珠は宇和島を代表する産業で、観光客にも人気があるのでこれから先、品薄にならないか心配しています。原因が早く分かってほしいです」と話していました。

真珠養殖発祥の地でも

三重県志摩市の英虞湾でも養殖に使うアコヤガイが大量に死んでいることが分かり、県が原因を調査しています。

三重県の伊勢志摩地域は真珠養殖発祥の地で、全国有数の産地としても知られています。

三重県水産研究所によりますと、ことし7月、志摩市の英虞湾で養殖のアコヤガイが、「がいとう膜」と呼ばれるいわゆる貝ひもの部分が縮んだ状態で死んでいるのが見つかり、その後、隣の南伊勢町でも同様の被害が確認されたということです。

研究所が英虞湾で養殖を行うおよそ300の業者に調査したところ、回答があった業者のうち8割以上からアコヤガイが死んだという回答があったということです。

アコヤガイが死んだ原因は今のところ分かっておらず、研究所は現在、国などに調査を依頼して原因の特定を急いでいます。

愛媛県ではアコヤガイの稚貝が被害に遭っているのに対し、三重県の場合は、稚貝に加えて真珠の芯になる核を入れて真珠に仕立てるための母貝も被害に遭っているということで、三重県真珠養殖連絡協議会によりますと、県内の真珠の出荷量は、ことし以降減少すると見られるということです。

三重県水産研究所の栗山功さんは「これまでにないことで原因究明に時間がかかりそうだが、業者に調査しながら対策を探っていきたい」と話しています。

三重県の真珠養殖 母貝の多くは愛媛県から

三重県では明治26年、世界で初めて真珠養殖に成功し、その後、真珠養殖発祥の地として多くの業者が真珠養殖に取り組んでいます。

おととしの国の統計によりますと、三重県は真珠の生産量が全国3位となっているほか、生産者の数は全国1位となっています。

アコヤガイが体内で真珠を育てるのに適した海は、水温が13度以上でプランクトンが豊富であることや、潮の流れがよく波が穏やかであることなどが条件で、英虞湾は昔から生産に適した海だったということです。

県内の多くの業者は真珠養殖に使うアコヤガイの母貝を愛媛県から購入しているということです。

英虞湾望む展望台を訪れた人は

三重県志摩市の英虞湾を望む展望台を訪れていた四日市市の19歳の女性は「アコヤガイが大量に死んでいることは知らなかったです。なくなるとアクセサリーとか困ります」と話していました。

鳥羽市の67歳の女性は「真珠が大好きで、いま買ってきました。真珠業者の方も大変だと思いますが、いいものが取れてほしいです」と話していました。

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