夏休みだよ！　映画ざんまい！

　僕は仕事です（半ギレ）

●ミュウツーの逆襲　ＥＶＯＬＵＴＩＯＮ

　リメイク。ポケモン直撃世代で当時アニメも観ていた（ゲームヒット後で「なんか今更」感はあった）のに、なぜか映画だけは見に行かなかった記憶。

　リメイクとしては多分、原作をまったくいじってない真摯なタイプの作品…とは思うのだが、いかんせん思い出補正０なので感動よりもツッコミ所が多くてイマイチのめりこめず。もともと「こういう見せ場を作りたくて」ってイベントありきで舞台装置を作っているフシがあって、ミュウツーの苦悩や悲劇も分かる一方で、お前いつのまにそんなカッチョイイ城作ったの？　あと自分がクローンなのイヤなのに自分で作るのはアリなの…？　とも思ったり。

　あとハリウッド式涙蘇生術。あれはちょっと…。


●守護教師

　韓国映画。「新感染」でおなじみマ・ドンソク主演の学園サスペンス。元ボクシングチャンピオンで気はやさしくてケンカが強い、でも世渡りが不器用な中年男性が、赴任先の学園で生徒の失踪騒動に巻き込まれる…という話。腐敗しきった社会がテーマで、学校・警察・政治家全員グルの黒社会で、正義感溢れる強面教師が真相解明に奔走する…という今時珍しい勧善懲悪もの。テーマもわかりやすい分共感ももてて、最後の反撃っぷりにはスカッとコリアな感じ。

　しかし韓国映画を観るに、やっぱり国民の政府への不信感は根強いものがあって「政治とカネ」問題というか、為政者の支配力とその失脚後のしっぺ返しという構図がありありと見えて面白い。政治の話あんまりしたくないけど、やっぱ反日煽動でどうにか自国民の不満を反らすのって常套手段なんだなあって。


●ドラゴンクエスト　ユアストーリ−

　昨今話題の映画ドラクエ。当初見る気はなかったものの批判的なレビューが飛び出しプチ炎上、ついネタバレまで見てしまった時点で「実際見てみたい」となって観に行ってしまったレアケース。純粋に楽しみにしている人には悪いけど、視聴前にちょっと覚悟はしておいた方がいい。以下ネタバレ回避しつつ軽い感想をば。

【ＣＧやビジュアルは満点】
ＣＧドラえもんを思い出すクセの強い顔だが、実際に動くと表情豊かでドラマチック。タレント声優だがキャスト陣の熱演もあって結構引き込まれる。モンスターのサイズ感の分け方やスピード感のある戦闘シーンもＧＯＯＤ。

【４〜６の音楽がごちゃ混ぜ】
シーン毎に曲を使うせいで弾切れを心配してか、５以外の楽曲もバンバン使用。「なぜここで６の塔のＢＧＭが？」「仲間の加入ＢＧＭここで使う？」など知っている曲だけにちょいちょい違和感。あと決めＢＧＭの「序章」使いすぎ問題。

【忙しい人のためのドラクエ５】
凄い勢いでイベント消化するので原作プレイヤー向け。大筋をだいたい辿るのでドラクエ感は一応出ている。尺の都合やラストの展開に向けての布石もあるが、個人的には幼少時のレヌール城をカットしたのは悪手だったんじゃないかと。

【ラストのあれ】
本作最大の問題点にしてささくれ。言いたい事もわかるし展開自体もアリ（なんなら好きな部類のシチュエーション）だが、演出や台詞が安いというか思い付きで入れたような…下手にやるぐらいならまるまるカットしてきちんと最終戦やれば良かったのに。あとフローラ派はキレていい。

【まとめ】
ネタバレ知ってハードル下げて行ったので割と楽しめはしたが、ラストシーンがやっぱり引っかかった一作。とはいえ未視聴で叩くほどの圧倒的な駄作ではないし、ラスト込みで感動した人もいるので、逃げるような言い方だけど「良くも悪くも話題作」。

序盤のワクワク感や道中の没入感はなかなか良く、シリーズでも人気の「５」を最先端の映像技術で見られただけでもグッとくるものはあったので。ビジュアル面はきちんと評価してほしいなと思った次第。天空の剣の抜刀シーンとか超カッコいいんだから。