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2019年07月28日02:19

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【全バレ】「天気の子」みてきた。ただただ悲しかった。

もはや先週の話になるけど、「天気の子」観てきた。今週もう1回みたので2度観たな。そのうえで感想。

背景描写では定評のある新海作品。すさまじい没入感でした。
それ故に「ただただ悲しかった」

陽菜(「はるな」で変換すると出るけど、ひなと読む)のアパートがある田端駅に近い崖って、実家にほど近いんですよね。途中で山手線と京北線が交錯するシーンがあるけど「あれ、駅の反対側なのにな」って、反対側に育ったわたしがツッコんでみる。家をでるまで、育った風景。

年をとって母親が透析に行くようになると、代々木の駅前にある透析所まで週3回の透析通い、のうち1〜2回はクルマで送り迎えするようになります。あの廃ビル(ちょっとディテールを改変してあるけど)も週1〜2回観る風景。母親を乗せた後は、いつも引っかかる小田急の大踏切を渡って帰ります。

透析所でなにかトラブルがあると、透析所にはクリニックの機能しかありませんので、ほかの病院で診察→入院となります。あの高い病院の病室から俯瞰した景色も、わたしには見慣れたものでした。

帆高が携帯で「山吹町」への行き方を検索したときは心臓とまるかと思いました。いまは新宿山吹高校の敷地になっている、つぶれた学校がわたしの母校だから。新宿駅西口→練馬車庫行きのバスが懐かしすぎる。
わたしは駒込→江戸川橋まで電車ルートだったから乗ってはいなかったけど、むしろ須賀さんの事務所は私が歩いてた通学路のほうなのかも。



ただただ悲しかった。

物語は、世界に見捨てられた女の子を世界を生け贄にして救う話。この物語のテーマは「拒絶」です。誰からも守られず、見向きもされず、「拒絶」されつづける主人公とヒロイン。ただ「好きな時間に天気を晴れにしてくれる」という機能だけが、便利に使われてしまう。

そして唯一頼みにしていた須賀さんの拒絶。ついに主人公は、世界のすべてから拒絶されてしまうのです。え、夏美さんが助けてくれる?彼女は就活で祈られまくってる「拒絶されてる側」の人ですて(笑)。
「死んだ奥さんのトメから『拒絶』されて、娘に会わせてもらえない」須賀さん含めての、拒絶された側の疑似家族。だから最後の、そんな須賀さんからの拒絶は、かなり効くのですよ。



「天気なんて狂ったままでいい」どうせこの世は狂っていて、俺たちを受け入れない。ただ惚れた女が側に入ればいいんだ。世界を「拒絶」した主人公は絶叫します。そして主人公に「拒絶」された世界は、壊れてしまう。
セカイ系の最終解と呼ばれるゆえんですね。世界は滅んで、シュウジとちせは二人で幸せに暮らせばいいのです。めでたしめでたし。

ところが
昭和臭ぷんぷんするーと言われても、ゼロ世代のエ□ゲと言われても、どっこい人間けっこう生きてる。山手線なくても社畜どもは船で通勤してるwあたり、さすがは令和の「最終兵器彼女」、ひと味違った(爆)。
職場が過去履歴含めて全部水没してたのはせつなかったけど、インフラ軽視というか「本来『ひとを守るべきモノ』をすべて壊す」って意味で、こちらが「生け贄」になったのかな、と(´・ω・`)



ただただ悲しかったのは
「わたしはきっと、帆高と陽菜を『拒絶』する側の、モブだったんだろうな」って強く感じさせられてしまったからです。わたし個人の、遠い過去と近い過去に、あまりに近すぎる舞台設定。そして新海誠の背景描画。その中であえぐ、主人公とヒロイン。

わたしはきっとあの背景のなかにいる、景色の一部なのでしょう。歌舞伎町の白い犬と同じです。よくみたら見つかるかも(笑)。
そして主人公に壊される、世界とわたし。「まぁ、そうなるよねぇ」と思ってたけど、悲しかった。ただただ悲しかった。職場も水没したので、無職ですね┐(´ー`)┌



気になったのは、須賀さんの娘のこと。
イケメン先輩の写メでは元気そうにしていましたが、喘息持ちの患者とか、透析患者とか、慢性疾患の罹患者は、本来インフラや薬のサプライチューンが切れると最初に死ぬ種族なのですよ。
だからインフラ屋は、薬屋は、医者は、どんなクズでも助けなくちゃいけないサポートしなくちゃいけない。新海誠が否定した「主人公を助けない世界」を守らなくちゃいけない。

主人公が壊した世界に依存してたひとたちが、水害で何人も死んだように、須賀さんの娘も生きてはいけない世界になってしまったはずなのです。どこかで誰かが「人柱」になったのでしょうかね?(微毒)
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