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2019年07月14日18:37

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マッドマックス2

マッドマックス2を楽しもう。

 2ですよ! 2!!
モヒカンヒャッハーのバイオレンスの代表作。
「北斗の拳」や「ドラクエ」にも影響を及ぼした名作ですよ。

 前作のマッドマックスは、バイオレンスではあるが、それまでのアクション映画の枠から出る物ではなかったが、この2では世界観を完全に一新。街は一切なし!前作にあれだけ登場していた電信柱も一切なし!
 監督はあくまで近未来で現代とそれほど変わってない、という様な発言をしていますが、観客はそれどころじゃない、画面に出ない街など存在しないも同じ、荒廃した砂漠です。
 水も食料もガソリンもなく、主人公であるマックスはドッグフードの缶詰を食べているしまつ。

 冒頭の30分でこんな世界を見せられたら観客の心は鷲掴みです。
まず荒廃した世界が紹介され、モヒカンのアウトローに襲われ、ガソリンを手でかき集める主人公。
次から次に明らかになる、前作とは違った世界観に、観客はついていくのがやっとで、画面に惹き付けられてしまいます。

 そして一息ついた所で観客は、こんな世界で人間はどうやって生きていくのだろう、ほかの人間はどうしてるのだろう、と疑問と好奇心が映画の次の展開をまだかまだかとこぼれたガソリンを求めるマックスのように渇望してしまう。
 この一連のフェーズが作品の質を高めています。

 作品は1981年、前作から2年後に作成されています。
実のところ、前作のマッドマックスは海外では評価されておらず、日本での成功をきっかけに海外でも最上映されましたが、それでも評価は低かった。
劇場公開した時には1作目の知名度があまりにも低い為に「マッドマックス」の続編だと言う事は伏せられていて「ザ・ロード・ウォーリヤー」と言う題名で、2が付いたのはバレてしょうがくな付けたと言う事らしい。
オーストラリア映画という事で上映は限定的で、当時アメリカで評価されていたダーティーハリーやスターウォーズの影に埋もれていました。
しかしながら、それでも2を作る資金を得たために、監督のジョージ・ミュラーは2を制作する決断をしています。
これは私見ですが、スターウォーズの成功に触発されたのかもしれません。作品中の雰囲気がスターウォーズの惑星タトゥイーンとどこか似た印象を受けたのは私だけではないでしょう。

 作品はフェラル・キッドの語り口で始まります。
フェラル・キッドは作中に登場する、言葉をまだ喋れない野生児の様な子供の事で、ブーメランを自在に操る事ができて、後にこのチームのリーダーと成長していく男の子。
彼が言うには「なんだか分からない理由で」始まった戦争がこの世界を破壊し、人々の寿命が半分にまで低下した世界、となっています。
 この「なんだか分からない理由」という翻訳にちょっとクスリとし、まあ被爆国である日本への配慮があったんだろうな、と勝手に解釈しますが、3ではこの辺りのことは「核」とは言いませんが放射能が溢れた世界である事が描かれていて、そっちの方が直接的な表現となっています。

 2ではさらっと登場して暴走族を退治したインタセプターですが、2の冒頭から登場してアクションシーンを繰り広げてくれます。アクション多めストーリー適量。
そして、今回の世界では前作以上に殺人が当たり前の世界で、泥棒も当たり前、むしろ盗られる方が悪い、そんな世界で元警察官のマックスは自分なりのモラルを持って行動しますが、そのモラルは時代が変わっても人を助ける気持ちは自分をも助ける、と言う事実を教えてくれているようです。
まあ、言い方を悪くすれば、社会において役に立つ人間は生かされる。という事です。

 主人公マックスは前作から引き続きメル・ギブソン。監督はジョージ・ミュラー監督。
あとのキャストは一新されていて、予算が前回の4000万から4億に増額された為に質を上げた為と思われます。
ジャイロ・キャプテン役のブルース・スペンスは次作のサンダードームや、スターウォーズEP3でティオン・メイドンを演じた方で、撮影で犬に襲われるシーンがありましたが、犬と仲がよかったスペンスは、犬がなかなか飛び掛かってくれなくて苦労した事を言っています。

 フェラル・キッド役のエミル・メミンティは映画での起用が決まってから母親と1作目を見にいったら母親に目を隠されて見えなくて、僕一体どんな酷い映画に出る事になってしまったんだ、と困惑した事を語っています。
おそらく1作目で裸で走るカップルと、首で繋がれた裸の女性のシーンを見た母親が子供の教育の為と目隠しをしたのでしょう、なので、エミルのお母さんは完成したマッドマックス2を同じ理由からエミルに見せる事を躊躇したに違いありません。

 ボスのヒューマンガス役のメル・ニルソンは重量挙げの選手でしたがオーストラリア人の奥さんと結婚し俳優を初めてすぐにヒューマンガスに起用されます。

 そしてマッドマックス2と言えば、お尻丸出しのモヒカン男のウェズ役のヴァーノン・ウェルズ、彼はこの作品の後に「ときめきサイエンス」に出演しています。
ヴァーノン・ウェルズは、撮影当時、極寒のあまり寒さでウェズのお尻の色が変わってしまう為に、お尻の色をチェックしながら撮影の続行か中止が決められたそうで、あんなに尻を見られたのは初めてだと語っています。
 だったら衣装を変えればいいのに、と思いそうですが、作品を見ていてウェズの尻は観客である私も本当に魅入ってしまいます。
当然、尻をチェックするスタッフが映像に映っている訳はあませんが、時に作品と言う物は制作側と視聴する側で心が通じ合う物で、見ている観客にもウェズの尻に注目するスタッフの意志が伝わる事があります。
絶対見ます。

 作中では見方側のリーダー、パッパガーロが、ガソリンをヒューマンガスに渡して和平を推進する派と衝突し、それでもパッパガーロはガソリンに固執し運び出す事を強行しますが、この行動がラストでちょっとしたサプライズがあり、そのスパイスが非常に作品に味を与えています。

 バランスが取れていて、世界に多大な影響を与えた作品、今見ても全然楽しめる構成となっています。



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