『破天荒フェニックス』

『破天荒フェニックス』という小説のようなビジネス書のような本を、
毎晩少しずつ読んで、読み終えた。


倒産寸前だったメガネ販売店『オンデーズ』を安く買収し、
再生させていくという話で、著者は買収した本人で、現社長。
内容は、大方実際にあったことだろう。


旧経営陣の裏切りがあったり、
大切な社員との別れがあったり、
そしてとにかく何度も訪れる資金ショートのリスク。


入ってくる現金から、負債の返済と、仕入先への支払いと、
社員の給料と、その他の経費と・・・
社員の給料は絶対に払いたいから、仕入先や銀行への支払いを延ばしたりと、
この本で大活躍したのは、社長よりも、
買収時から資金の管理をしていた奥野さんという人。


この人は本では『穂積銀行』出身となっているので、
たぶん現みずほ銀行のことだろう。
その後、大手の再生ファンドを経て、投資コンサルティング会社に勤めていたのだが、
社長と一緒にオンデーズの経営に関わり、知識と経験があるので、
銀行とのやり取りなど厳しい状況を、倒産ぎりぎりのところで乗り切っている。


社長は思い付きと勢いで、会社を前進させ、
その陰で奥野さんが、資金を何とかやり繰りして、
倒産寸前だった会社が、今や国内だけではなく、海外に多くの店舗を持つ
優良企業に成長させた。


本に書かれているのは、数年間の出来事なのだが、
上昇しては落ち、上昇しては落ちの連続で、
楽しんで読むことができた。