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2019年06月18日08:19

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「天真療法」案内116

前回より、「自己療養」に大きな影響を与えたと思われるチャーレス・シー・ハスケル著『ハスケル氏 断食諸病新療法』(大学館 明治36年発行)を見ています。著者ハスケルが見出したDr. デュウイーは、真の食欲が出るまで断食をさせることにより病気を治す医師でした。彼は自身の治療法を「天然療法」とも呼んでいることも、前回の文を見ますとわかりますが、そのネーミングは人為的に断食させるというよりも、「真の食欲」=「天然」と見ているようです。そのことは次の文からも明らかです。
吾々(われわれ)は悪い習慣のためにこの大切な食欲の法則を誤って天然自然の食欲は全然忘却して了(しま)って常に病的食欲に支配されている(中略)十歳くらいまでの食欲はいわゆる自然の食欲で有るが、その後の食欲は多くは悪習慣のために人為的すなわち病的食欲発達したものであるゆえに健全なるを得んとする第一着はこの病的食欲を破壊して自然食欲の回復が最大なる要素である。(ハスケル氏 断食諸病新療法 P.40〜41)
この文章では、「真の食欲」を「天然の食欲」と言っています。また、次のようにも発言しています。
人間はこの天然の食欲すなわち飢えを催す時だけに食うという法則さへ守ったならば決して病を起こす様なことは無い。(ハスケル氏 断食諸病新療法 P.43)
この理由をハスケルは、「人間の体力の回復は睡眠によるもの」(ハスケル氏 断食諸病新療法 P.45)とし、睡眠によって身体各部の筋肉を休めることが重要だとしています。そして、人間の身体で「最も過度の労働をなすのは胃の筋肉と食うた物を消化するために胃液を分泌するところの胃壁腺の上に出るものは他に無い」(同上)として、胃が最も休まった時に「天然自然の食欲」が出てくるのだと解説します。
つまり、人体で最も酷使される胃を休養させれば、睡眠が深くなり体力が回復する。胃が十分に休息した合図は、「天然自然の食欲」である。ということです。ハスケル自身は、はっきりと意識はしていないようですが、健康を回復する直接の働きは「睡眠」にありそれを補助する最も重要な要素が「胃の休養=天然自然の食欲」という構図になるかと思います。
この他、肉食を出来るだけ避け菜食を勧める。良く噛んで食べる。食事の時は、飲料をとらない。冷水浴と深呼吸を勧める。心を陽気に保つ。などの注意事項がありますが、これらも春充の「自己療能」と多く重なる部分があります。
以上概観してきましたように、『ハスケル氏 断食諸病新療法』は、初期の頃の「自己療能」の発想に大きな影響を与えた原点の一つということが出来ます。
(写真は、春充の生家近くの通りと富士山)
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