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2019年06月13日08:40

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『主戦場』

 話題のドキュメンタリー映画『主戦場』。鬱に悪そうな映画だけど、大丈夫かなぁ?

 あらすじ。

 慰安婦問題の各論点について、歴史修正主義者側とその批判者側との意見を対比させ、真実は何か?を探っていく。監督は次々と左右の論客が出てくる。テキサス親父、杉田水脈、藤岡信勝、櫻井よしこ、ケントギルバート、中山成彬、吉見義明、朴ユハ、小林節、加瀬英明、植村記者、等々。主要論客のうち、登場していないのは秦さんくらい。オールスターキャスト。

 最後に登場した、この映画では日本会議の親玉とされる(本当か?)加瀬英明氏が凄いキャラで、自称歴史学者なのに他人の本は読まない(左派の吉見の本はもちろん、どちらかと言うと右派の秦氏の本ですら!)し、先の大戦で日本は米国に勝った、とする。日本にも「勝ち組」がいた。。。


 感想。

 中立を装って始まるけれど、決して中立的な視点の監督ではない。右派のことを「歴史修正主義者」と呼ぶし、映画の構成も「歴史修正主義者」の主張を映した後、左派の反論を置く、という構成になっているし。

 ただ、その右派批判はほぼまっとう。問題は左派批判が欠落している、という点。それになんで、「日本会議史観」と「左派(ほぼ挺対協)史観」の二者択一になってしまっているの?そこもヘン。

 そういう構成で、右派批判ばかりやっているため、結果的に論証抜きに左派が正しい、と言う印象を与えている。でも、よくよく見ると、そんな論証は存在しない。監督も一部は(例えば慰安婦20万人説については)論証が無いことは認めているけど。そこに強い違和感を覚える映画。まぁ単純化しないと映画にならないのかなぁ?でも、ちょっと卑怯に感じた。

 しかも、畳み掛けるようなテンポで各論客の発言を切り張りしているので、彼らの主張がチャンと正しく引用されているのか?も分からない部分があるように思う。あの切り張りには感心しない。それに、統計的に分析しないと分からない事柄を、ごく一部の取材だけで肯定したり否定したりもしているし。これも映画的なトリックか。

 基本、中道的な主張(朴ユハ教授とか)は軽視される。挺対協の人は「吐き気がして読めなかった」と言うけれど、どこに間違いがあるのか?キチンと論証はされていないし。アジア女性基金なども一瞬サラっと触れられただけで終わっていたし。

 というワケで。右派が間違っていることは分かるけど、左派への批判が無い点は弱点な映画でした。おざなりに「誇張は逆効果でイケナイ」と8歳・10歳の慰安婦がいた説に疑問を呈しているくらい。真実は、中間にあると思うのに(朴ユハ教授なんか、けっこう良い線行っていると思う。私は、彼女の意見より少しだけ日本の責任が重いと思うけど)。

 キネ旬的評価では、私は星3つ評価です。
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