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2019年06月02日19:58

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うちには、天使がいます。 14.メイさんの誕生日

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先日5月29日「がんゲノム医療が保険適用に」というニュースを見ました。
すぐに劇的な変化があるわけではないのかもしれませんが、
ひとりでも多くの人が救われるようになるといいな、と思います。。


<前回までのお話>
2018年(執筆している時点で去年)4月初め、
やまねこのパートナー・ゆかさんは卵巣がんの疑いありと診断されました。
4月24日火曜日、自宅で急に動けなくなり、救急車でZ医大病院に搬送され、
翌25日には脳梗塞が見つかり、そのまま腫瘍の手術まで入院することになりました。
そのあと3日間、抗凝固剤の点滴を受けながら病状は安定していたのですが、
29日、2度めの脳梗塞を起こしてしまいます。
ゆかさんは個室に移動し、その夜からやまねこも泊まりこむことになり、
腫瘍の手術予定は大幅に早まって、5月2日に決まりました。
(なお、病院関係者のかたがたほかの名前は、すべて仮名です)



5月になって最初の朝、
きのうと同じように、看護師さんたちが来て体温を測ったり採血したり、
そんなざわついた空気で目を覚ましました。

ゆかさんもきのうと同じように、
天使のようなおだやかな微笑みをたたえていました。
「おはようゆかさん」
「おはようねこさん」

やまねこにも、看護師さんたちにも、
やがて回診に来た神経内科の平良先生と橋口先生にも、
ゆかさんはおだやかに微笑んで接しました。
でも、やっぱりじぶんの名前がうまく言えません。
つっかえずによどみなくしゃべっていることもあるのに。
すんなり出る言葉と、なかなか出てこない言葉、どこが違うんだろう。
しゃべりかた自体も、全く変わってしまった。
濁点が少なくなっているし、ちいさな「つ」も抜けてるかんじで、
どこか、外国の人の片言の日本語みたいでもあります。


朝のばたばたが一段落したあと、やまねこは今日もうちへ、
メイさん(ねこ)にごはんをあげに帰ります。
しかも今日は特別な日です。メイさんの誕生日。
「たくさんお祝いしてあげてね。ゆくりしてきていいよ」
と、ゆかさんに見送られて帰り道につきました。

うちの「もうひとりの天使」メイさんは、
2001年の5月1日にやまねこと出会って、
そこから「メイ」という名前になりました
そしてもうひとつ、「メイ」には「命」という意味があります。
生まれたてで目もまだ開かず、もぞもぞ這いまわるだけだけだったメイさんは、
「命」そのもののように見えたのです。
(「命」という歌もそこからできました)

ねこ好きではありましたが、ねこを飼った経験のなかったやまねこは、
連れて帰るべきか、連れて帰っても無事に育てられるものかどうか、
躊躇しましたが、なぜか
「ここでこの子を見捨ててしまったら、今後一生野良猫をなでたりできなくなる」
と思ったのです。
勇気をだして拾い上げて、メイさんはやまねこの娘になり、
その日が誕生日と定められました。

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11めには目も開き(かなりな寄り目であることが判明)
臆病でへんくつな性格ではありましたが、すくすく育ってくれました。
当時仕事も人間関係も、たくさんの問題を抱えていたやまねこも、
メイさんの存在に支えらて、少しずつ立ち直っていきました。

それから17年。
メイさんは「旅猫」として過ごしてきました。
一人暮らしで、楽しみといえば休日に車で旅行することだったやまねこは、
北海道から九州までメイさんを車で連れていき、
メイさんもいやがらずにそれに応えてくれたのでした。

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やまねこの不手際で、旅先で行方不明になること2回。
伊豆でも知床でも、今でも信じられなかったりするのですが、
しっかり帰ってきてくれました。


2年前、ゆかさんといっしょに暮らすようになり、
ゆかさんがとくべつ旅行好きではないこともあって、
やまねこが留守の間、面倒を見てくれることになりました。

いまいちゆかさんに懐いてくれなくて(というか、やまねこ以外の誰に対しても)
なでようとしたりすると「しゃー!」と威嚇するのが残念ではありましたが、
年齢も考えて晴れて旅猫を引退。
でもやまねこにとっては、いつになってもただのねこではありません。特別な存在なのです。
ゆかさんは今、非常事態といってもいいけれど、
どんな状況だろうと、メイさんをないがしろにすることはできないし、
ゆかさんだってそれは望まないのです。


うちへ戻る車の中で考えました。
しっかり祝いしてあげないと。
今まで毎年メイさんの誕生日にはごちそうを考えてあげたんだった。
と言っても、キャットフードの盛りつけでケーキみたいにしたり
(テリーヌタイプの缶詰めを形のまま抜いて、歳の数だけ煮干しを立てたもの)
お寿司みたいにしたり
(またまたテリーヌタイプを円筒形に型抜きして、まん中にストローで穴をあけて、
ねこ用ジャーキーをつめておかかで巻いたもの)
はたまたカレーライスみたいにしてみたり
(かりかりとスープタイプの缶詰めの盛り合わせ)
ごちそうって言っても、そんなごちそうだったのだけど、
今年はなんにも考えてません。
どうしよう。

今までお誕生日の「ごちそう」をメイさんが喜んでくれてたかどうかは別にして、
何もしないのはいやなのです。
うちにあるものでなんか作るしかないな。


うちに帰ると、メイさんはいつもと同じように迎えてくれます。
玄関へのお出迎え、奥の部屋へ先導してキャットタワーに登り、
「なでて」と顔を寄せてきます。
(これがメイさんの親近感の表現で、
よくある、足元に絡みつくように歩いたり、ひざの上に乗ってきたり、
おなかを見せて横になったりとかは、ほとんどしません)

どうしようか、とりあえずいちばんお気に入りのパウチを開けてあげよう。
そして、
その上に、お気に入りのかりかりを並べて「メイ17」と書いてみました。
かりかりは、以前ゆかさんがプレゼントしてくれたものです。

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…同系色なので、いまいち目立ちません(^^;
よ〜く目をこらさないと、ふつうのねこごはんにしか見えません。
まいっか。今年はこれで許して。

(実はここらへんの話は、中断前のblog.最後の更新でいちど書いたのですが、
その時は、前後のいきさつを―ゆかさんの病気のこと、入院のことなど―
まだ書く気持ちになれなかったので、どこか消化不良の文章になってしまいました。
なのでもいちど書かせてくださいね)


とにかくメイさんは大喜びで、お誕生日のごちそうを食べてくれました。
それはそうだよね。とりあえずいちばんお気に入りのパウチとかりかりだもの☆

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「おめでとうメイさん。ゆかさんからもよろしくって。
それからごめんね。もう病院もどらなきゃ。
夕方もいっぺん来るね」

気もちを切り替えて。
午後には主治医の葛西先生から説明を受けることになっています。
もう、ゆかさんの手術はあしたに迫っています。

(続きます)





<今後のLIVE予定>

  6/16(Sun.)駒沢大学ファンラン
  Open11:00/Start14:00(予定)/Charge お食事代のみ

  6/29(Sat.)四谷天窓.comfort → http://otonami.com/com_top
  Open12:30/Start13:00/Charge \2,000+1D

よかったら気軽に遊びにきてくださいね。
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