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2019年06月02日19:50

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半年間悩んだ「ジャズっぽさ」の謎

この半年、ずっと気になっていた謎(?)に、結論(仮?)を出しました。

以下の曲を初めて聴いたのは1月頃だと思います。
ベース以外の音階が極限まで削ぎ落とされていて、ほぼベース音と歌メロだけで成立している曲なんですが、それなのに、ジャズ〜フュージョン的な浮遊感に満ちている……それが謎でした。
バックトラックのコード感を排除することによって、メロディだけで浮遊感を作り出す、というのが、この曲の面白さ・新しさなんですが、なぜそう感じるのかが謎でした。

ちなみに、不協和音の定義・感覚が、個人の感性や時代によって変わってくるのと同じで、「ジャズっぽい」というもの、かなり曖昧な感覚です。ここではその問題には立ち入りません。


 NCT Dream 「1,2,3」

ネット上で譜面を探したのですが、見つからなかったため、ずっとモヤモヤした気持ちが続いていたのですが、今日、キーボードで気になるメロディを拾ってみました。音楽の基礎技能がある人なら簡単なことなんだと思いますが、ボクにとっては気が遠くなるような重労働です。(^^;;

その結果、以下のようなことがわかりました。

(1) メロディを、最小の塊に分解すると、それぞれのメロディは、2つないしは3つの音階だけで出来ている。ドレレレレドレ〜、というような感じ。

(2) 2音または3音だけでできているメロディに、それ以外の音が入ると、それだけで、転調したかのような浮遊感が生じる。

(3) 以上の現象が成立するためには、バックに余計な音(和音・伴奏)がないことが重要。

(4) 厳密に言うと、音階の問題だけでなく、譜割り(アクセント配置)も重要だが、それは早い時点で気づいていたことなので省略。
(この曲のキーは、Aメジャー、あるいは、F#マイナー)

たとえば、0:46のところに出てくる「ラ」の音。前後のメロディが「レ・ミ」の2音だけなので、「レ」から4度下の「ラ」が出てくるだけで、転調したかのような意外性が生じます。この曲には、これと同じような仕掛けがたくさん含まれているようです。

ボクの理解では、「ジャズっぽさ」というのは、コードトーンに含まれない音(テンションノートなど)や、調性に含まれない音を使用することで生じる(ことが多い)、と思われるのですが、この曲の場合は調性内の音だけで「ジャズっぽい」感じが生じているようです。(ベース音をちゃんとチェックしていないことに、今気が付きましたが、スルーします)

もっともジャズっぽいと感じるのは、1:03〜07 に登場する無伴奏の部分。
メロディーを拾ってみると、

  レレレレレレレドレミラレドラ

つまり、メロディーの前半は「レ」(と若干のド)だけで、後半に「ミ」と「ラ」が登場します。わずかこれだけのことで、ジャズっぽいと感じることは、通常はあまりありえないと思うのですが、この曲においては、上記の(1)(3)および(4)の要因があるために、ジャズっぽいと感じてしまうようです。この曲の場合、「レ」から「ラ」に飛ぶということが事件になるんです。(^^;; というか、そう解釈する以外に、適切な説明が思いつきません。

2音だけのメロディというのは、アフリカ音楽などに散見される傾向ですが、このグループには、アフリカ色が濃厚な曲が他にもあるので、この曲もその系譜に属する作品なんだと思われます。

なお、この曲は、アイドルポップス的な可愛いテイストに仕上がっていますが、これを、

  アフリカ音楽 → 稚拙で子供っぽい → アイドルポップスと相性がいい

という風に解釈すると、人種問題に発展しそうな問題もはらんでいます。ボクは、面白いと思ってるから、とりあえずOKですが。(^^)v

ちなみに、この曲で、もっとも西洋的でメロディアスなのは、「Baby just don't move」と歌われる部分ですが、音階は「ラ・ソ・ファ・ミ・ミレ」です。5つも音階が出てきて、なだらかに下降するようなメロディは、他には登場しないので、際立って感じられるのだと思います。

それにしても、音階がもっとも派手に動く部分の歌詞が「動かないで」となっているのは、作り手のユーモアなんでしょうか? こればっかりは、当人に聞かないとわかりません。

P.S.
全盛期のSMAPよりも新しい、と思えるような音楽が登場するのに25年もかかった、という感慨があります。それ実現したのは、日本人じゃなくて韓国人だったというのも、なかなか考えさせられます。
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