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2019年05月19日16:52

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大きくはないけれど鳥渡だけノッポな振り子時計

実家の居間には、黒い振り子時計がある。
私が生まれるより前からあるらしい。
 
そう言えば、父方祖父母の家にも、母方祖父母母方父方曾祖父母の家にも、母方母方曾祖父母の家にも、振り子時計がある、若しくはあった。
流行りだったのであろうか。
 
私の実家の振り子時計は、上の装飾が破損して仕舞っている。
私の幼少期、雨のと或る日、居間でサッカーかバレーをしていた際に、ボールをぶつけて仕舞ったのだ。
 
接着剤とテープでの補修を試みたものの、一度破損した部位は、何日かすると、自然とポロリと崩れて仕舞ったものだ。
今では、破損部は失われているが、キチンと時を刻んでくれている。
 
ここ数日、居間で不可思議な連続音が続いていた。
カカカ、クン、カカカ、クン、カカカ、クン、……。
擬音語化すると、この様な感じであろうか。
不図、『大きくはないけれど鳥渡だけノッポな振り子時計』の振り子の揺れが小刻みに成っている事に気が付く。
振り子の部品の噛み合う部分に隙間が出来ていた。
螺子の緩みもある様であった。
 
この振り子時計を分解するのは、実は初めてではない。
何度も中の部品の手入れをしては、楽しい時間を刻んで貰っているのだ。
昔の、幼い頃の記憶が蘇る。
この時計の中にも、沢山の時間が刻まれて来ている。
それを開いて、思い出している。
そんな感覚を覚える。
 
今、振り子時計は治り、再び時間を刻み始めている。
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