mixiユーザー(id:946351)

2019年05月03日19:54

979 view

宝泉薫氏からの献本『平成の死』

今日、宝泉薫さんから『平成の死』という本の献本が届きました。
毎年、年賀状を送っても返事が来ない人なんですが、献本に関しては、過去に何冊もあるので、ボクのことをそれなりに気に留めているみたいです。

約330ページにわたって、平成に亡くなった人(100人くらい?)のことが書かれています。
美空ひばり(元年52歳)、手塚治虫(元年60歳)で始まって、最後が西部邁(30年78歳)で終わります。芸能界・政界の有名人の他にも、横井庄一、坂本弁護士一家など、ニュースで注目された人の死も取り上げられています。神戸校門圧死事件(2年)なんていう、事件史に残るような死亡事故もあります。

第3章では、自殺者がまとめられていますが、こうしてみると自殺した有名人の多さに改めて驚きます。伊丹十三、上原美優、甲斐智枝美、清水由貴子、川田亜子、可愛かずみ、古尾谷雅人、沖田浩之……。宝泉氏は自殺を「他の動物はしないという意味で、最も人間らしい死」と捉えていて、その観点から、一人一人の死者の生と死を語っています。

沖田浩之の項では、祖父・父・兄も自殺してる(!)ことを紹介し、自殺遺伝子という概念も提示しています。この本には出てきませんが、哲学者のウィトゲンシュタインの家族も自殺者が多かったので、遺伝かどうかは別にして、強い影響関係があるのは確かなんでしょう。

第4章の突然死では、飯島愛、坂井泉水、マイケル、フレディーらと並んで、高橋良明(元年16歳)も取り上げられていましたが、人の一生というのは、一瞬の夢みたいなもんなんだなと思います。

――これを書きながら尾崎豊のところを見てみたら、ボクの名前が出てきました。(笑)

 たとえば尾崎の場合、最初に彼を有名にしたのはライブでの高所からの飛び降りだ
 った。これにより、足を骨折したりしたものの、ひきかえにロック的な好印象を獲
 得する。このことはかつて、委員長タイプの優等生だった彼が不良化していくなか
 で行なった根性焼きなどと同様「無茶をすることで承認を得る」(川口瑞夫)とい
 う成功体験の強化につながっただろう。

かつてボクが別冊宝島に書いた原稿を参照してくれたのだと思いますが、名前だけ出されても読者には意味不明だろうし……、宝泉さんも律儀な人だなと思いつつ、なんとも不思議な気分です。(^^;;

------------------------------------------------------------

【追記】
本のリンクを入れるのを忘れてしまったので、追記しておきます。
https://www.amazon.co.jp/%E5%B9%B3%E6%88%90%E3%81%AE%E6%AD%BB-%E5%AE%9D%E6%B3%89-%E8%96%AB/dp/4584139156

安藤百福の項に引用されていた、一休宗純の狂歌が感慨深かったので、ついでに追記しておきます。

正月は 冥土の旅への 一里塚 めでたくもあり めでたくもなし

――まあ、そういうことなんですよね。

2 10

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する