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2019年05月01日20:56

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小説 サングラス(姉妹)1

小説 サングラス(姉妹)1
 ある田舎町の昼下がり、片側2車線の割と広い交差点の信号が黄色に変わった。高齢者マークを貼った白のパジェロミニは、信号がすぐに赤になることを見越して早めに速度を落としていた。軽く何度かブレーキを踏むことで、後続の車に注意を促し、信号停止の意志を伝えながら静かに停止線へ近づき、信号が赤になると同時にピタリと止まる。
 後続の黒いセダンが素早く右斜線へ入り、信号を無視して駆け抜けた。その後続だったブルーのパジェロが続こうとして、急停止した。さすがに左右の車が信号に従い動き出したのだ。無理に突っ込めば事故になると判断したようだ。
 赤信号を前に、かくして大小2台のパジェロが並ぶことになった。大型のパジェロは若い男がうんてんしており、助手席には彼女らしい女性がいる。
 高齢者マークを貼った白いパジェロミニを運転しているのは、黒いサングラスをかけ、オレンジの野球帽をかぶった男だ。高齢者マークを貼っている割には若く見える。半分ほど開けた運転席側の窓から、ファンキーなジャズがこぼれだしているから若いと判断できるが、若いなら高齢者マークを貼る必要はないし・・
 左右の信号が黄色に変わった。2台のパジェロの進行方向の信号がもうすぐ変わる。青になった。真っ先に飛び出したのは高齢者マークだ。ギアがローに入った状態で一気に加速する。強く踏みこまれたアクセルがエンジンを唸らせ、タイヤが高速回転する。一気に加速されたパジェロミニのスピードについて行けず、後続車や並んでいた若者のパジェロが取り残される。若者のパジェロが慌てたようにスピードを上げ、猛然と追いかける。
 道路はいわゆる産業道路で、まっすぐの直線。歩行者が横断するような場所で無いため信号も少なく、制限速度も50キロとなっている。
 サングラスの高齢者マークがアクセルを思い切り踏んだのは、一気に加速し短時間でエンジンを高速回転させることが目的だったようで、スピードメーターが60キロをオーバーする頃には緩められ、制限速度の50キロへと落とされた。後続の車が追い付いて来、信号で並びながら置いて行かれた若者はスピードを緩めることなく走り抜け、高齢者マークのすぐ後ろについていたソアラは、急にスピードを緩めたパジェロミニにイラついたようにすぐ後ろで煽り運転をする。パジェロミニが動じないのですぐに車線変更して追い越し去った。その後に続く車もつられたように車線変更をし、パジェロミニを追い越して行く。
 高齢者マークは、追い越されることには無頓着なようで、少し左へ寄り、追い越しやすいようにしながら、ドライブと音楽を楽しんでいる。
 道路は工場街を抜け、左手に海が見えた。走行する車は制限速度を忘れ、まるで高速道路を走っているような感覚になっているようだ。対向車は、一段上がった道路を走るようになっているので飛ばしやすい。多くの車が70キロや80キロで走り、仲には100キロを超えるスピードで、右に左に車をかわし華麗に先頭へ出る車もいる。状況から見ると、律儀に守っている制限速度は、逆に遅すぎて邪魔な存在とも言える。
 しかし物語はここから始まる。何げない光景が突然事件に変わることは多々あるのだ。警察のスピード違反取締り。道路の脇に計測器が置いてあって、その先に赤い旗を持った警官が待っている。そんな日常は、なかなか物語にはならないのだが・・(続く)

獅子座クウネルのつぶやき獅子座
 ごごには雨が上がると思っていたのですが、結局夕方でした。急に寒くなって、散歩撮影に出る気が失せ(笑)結局書きかけの小説を・・書き貯めていないので、すぐに挫折かも知れませんが・・今度は短くエロっぽくと思っているのですが、無意識にサブタイトルをつけたことは、また長くなりそう(笑)写真はsがしたら紅い
車を写したのがありました。挿絵がわりです(汗)
 
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