…正午まで、アルバイト。一日、雨であった。
帰宅後、DVDでロバート・ヤング監督のイギリス・ハンガリー合作映画「ヒットラーの審判 アイヒマン、最後の告白」と、ショーン・エリス監督のチェコ・イギリス・フランス合作映画の「ハイドリヒを撃て!/『ナチの野獣』暗殺作戦」を観ました。
☆「ヒットラーの審判 アイヒマン、最後の告白」(2007)監督 ロバート・ヤング 出演 トーマス・クレッチマン、トロイ・ギャリティ、フランカ・ポテンテ、スティーヴン・フライ、デレイン・イェーツ、テレーザ・スルポーヴァ
イスラエル人のレス警部と妻のヴェラは友人の結婚式に出席していた。そこでアルゼンチンに潜伏していた戦犯アドルフ・アイヒマンが逮捕されたニュースを聞く。
その後、アイヒマンの尋問官としてレス警部が選ばれ、世界中からアイヒマンに関する情報を集められる。その情報をレスがまとめて、アイヒマンに自白させることを促すのである。
録音機を尋問室にセットして、いよいよ尋問が始まるが……。
…う〜む、これは、シブイなぁ。
1960年に逮捕されたアドルフ・アイヒマン。…その彼を裁判にかけるためには自白を引き出さなければならず、その尋問に当たったレス警部の懊悩を描いたものです。
アドルフ・アイヒマンという人物とは、…ナチス親衛隊中佐として、数百万にも及ぶユダヤ人をアウシュヴィッツに送る命令を下した男で、終戦時、一度は連合国軍に捕らえられながらも、身分を偽って逃走、アルゼンチンで15年にわたり潜伏したのち、1960年にイスラエルの諜報機関モサドによって逮捕される。裁判にかけられたのち、絞首刑となった、…のだそうです。
全体にセピアがかった映像で、時代色を出しています。
ドラマとしては地味で、少々盛り上がりに欠ける。しかし、生真面目な製作態度、その真摯な映画造りがあってもよい、と思います。
『アイヒマンは有罪に?』
『ああ。』
『7ヶ月におよぷ尋問に裁判。
やる価値はあった?
納税者の負担まで増やして。』
『 …ユダヤ人としての正義を見せた。』
☆「ハイドリヒを撃て!/『ナチの野獣』暗殺作戦」(2016)監督 ショーン・エリス 出演 キリアン・マーフィ、ジェイミー・ドーナン、シャルロット・ル・ボン、アンナ・ガイスレロヴァー、ハリー・ロイド、トビー・ジョーンズ、マルチン・ドロチンスキ、ビル・ミルナー、サム・キーリー、イジー・シメック、ヴァツラフ・ネウジル、ショーン・マーホン
第二次世界大戦下、ナチスの実力者ラインハルト・ハイドリヒは、“ 金髪の野獣 ” とあだ名され恐れられていた。
彼の暗殺を企てたイギリス政府とチェコスロヴァキア亡命政府の指令を受け、ヨゼフやヤンら7人の暗殺部隊がチェコ領内に潜入する。
現地のレジスタンスの協力を得て襲撃計画は実行されるが、ナチスは壮絶な報復に乗り出し……。
第二次大戦中、ユダヤ人大量虐殺の実権を握り、その冷酷さから「金髪の野獣」「プラハの屠殺者」と呼ばれたナチス親衛隊の大物幹部ラインハルト・ハイドリヒを暗殺したエンスラポイド作戦を描いた映画です。
この作品も史実を基に描いた、非常に真摯なドラマであるにも拘わらず、この邦題はないよなぁ。
…しかも、“「ナチの野獣」暗殺作戦 ” なんつうダサい副題まで付けちゃって…… どこのB級戦争映画だよッ!(笑)
ハイドリヒ襲撃場面までは、それほど特別 “ おぉっ!” とも思わなかったけれど、暗殺に失敗してからドラマはうねり始め、面白くなっていきます。
もう、ナチスの報復は熾烈をきわめ、クライマックスの教会の聖堂の銃撃シーンに雪崩れ込むまでの激しさは、まさに “ 地獄絵図 ” という感じです!
…しかしチェコにも、このようなナチス・ドイツによる悲劇があったなんて知りませんでした。
『臆病者は
生前に何度も死ぬが
勇者は一度しか
死を味わわない。』
ウィリアム・シェイクスピア
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