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2019年04月28日14:13

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ネコ撮影でやっていいこと、悪いこと GWの厳選スポットとカメラマンの心得

1 鞆の浦〜尾道(広島県)

【人と猫が共存する古い街】

 港から続く古くて狭い石畳の道を奥へ歩き、急な階段を上ると、一眼レフを持った若いカップルがそれぞれひざに猫をのせてくつろいでいた。あまりに猫がなれているので地元の人かと声をかけると旅行者だという。

 場所は広島県福山市の鞆の浦。JR福山駅からバスで約30分。万葉集にもうたわれたほど古い歴史的観光地なうえに、猫が絵になる「高低差」「港」「古社古刹」「狭い路地」が勢ぞろいした稀有な街なのである。瀬戸内海というと猫島が有名だが、猫が人と共存する古い街もよいものである。

 猫を観光の目玉にしている尾道もこの四つを備えた街。急斜面の路地を散歩すると高い頻度で猫と出会うし、山上にある千光寺へ向かう急坂沿いでは人なつこい猫と観光客が戯れている。

 尾道市と福山市は隣接しており、山陽本線で1本だが、鞆の浦は駅から離れているので、船で移動するのがよさげだ。土日祝日に限り、鞆港と尾道駅前を1日2往復の船が出ている。

2 長崎

【尾曲がり猫に出会える坂の街】

「高低差」「港」「古社古刹」「狭い路地」の四つがそろって、猫に会える街といえば、長崎も忘れてはならない。

 出島や大浦天主堂、グラバー園と観光名所に事欠かないが、風光明媚なうえに猫が多いのである。しかもその多くが、しっぽがかぎ状に曲がった「尾曲がり猫」。遺伝子を調べたところ、そのルーツは東南アジアにあるらしいのだ。

 長崎といえば、江戸時代、日本唯一のオランダとの交易窓口だった出島。そのオランダ東インド会社の拠点があったのはインドネシア。ネズミ対策として船に乗せた猫が長崎で繁殖したと考えられている。長崎の歴史を猫が受け継いでいると思うと感慨深い。

 猫と出会うならより古い街へ向かうのが基本。江戸時代から続く寺町と並行する中通り商店街を歩いていると、尾曲がり猫とよく出会う。

 もうひとつは坂の上。長崎は坂の街であり、訪れたならその地形を味わわないともったいない。路面電車網が充実しているので疲れたら電停まで下りればなんとかなろう。

3 城ケ島(神奈川県)

【三浦半島の突端で猫撮影】

 猫撮影旅行に行くのは難しい、という首都圏の人に向けて、日帰り猫撮影スポットをひとつ紹介しがてら訪れてみることにした。

 街なかの猫は諸事情で紹介できないこともあり(コラム参照)、せっかくのGWだからちょいと郊外へ出てみようということで、たとえば城ケ島(神奈川県)である。三浦半島の先にある島で、今は橋でつながっている。京急三崎口駅からバス、あるいはレンタサイクルで訪れることが可能だ。

 城ケ島は東西に長く、東側は城ケ島公園、西側は漁港や街となっている。猫はいろんなところにいたりいなかったり、出てきたり出てこなかったりするので、まんべんなく散策するのが吉。

 数年ぶりの訪問なのでやや不安ではあったが、公園でいきなり数匹と出会い、ほっとする。

 人なつこい猫ばかりではないので猫を見つけてもいきなり近づくのは禁物。

 猫をおどかさないようゆっくりと近づき、まずしゃがんで小さくなるのが基本。小さくなってしばらく観察しているとその猫との距離感がみえてくる。猫撮影の基本は「猫ファースト」であることだ。

 猫がこちらを敵ではないと認識してくれないとリラックスした猫は撮れないのだ。こちらが小さくなったほうが猫は安心する。まあ人間は猫よりずっと大きいわけで、大きな動物がのしのしと近づいてきたらまず警戒するのは当たり前なのだ。

 警戒心が強い猫は遠くからそっとこちらの気配を消して撮りたい。猫が逃げたら追わない。これは鉄則。できるだけ動かないで待つ。動くときはゆっくりと、である。

 中にはこちらが小さくなると安心して近寄ってくる猫もいる。

【コラム1】猫カフェで撮影を楽しむ

 写真は「オープン型保護猫シェルター」をお借りして、「純公写」主催の猫撮影講座を行ったときのもの。猫カフェはテーブルと椅子があり、血統書のついた、人になれた猫たちと戯れる営利目的のカフェだが、保護猫カフェや保護猫シェルターは、飼い主がいなくて保護された猫の譲渡先が決まるまでのシェルターを一般に開放している場所だ。猫を飼いたいと思った人がいろんな猫と出会い、条件があえば引き取るのが第一義の場所だが、気軽に猫に触れたい、猫を撮りたい人にも好まれている。いろんな猫が自由に遊び回っているので猫保育園で猫を撮影して楽しむ、と思えば最適な場所だ。保護猫活動が進むにつれ、こういったオープンな施設も増えているので近所で探してみるとよい。

【コラム2】猫写真を公開するときの注意点

 地域猫が多くいることで有名だった江の島を訪れると、こんな掲示が目につく。2012年の「パソコン遠隔操作事件」で大きく報道されたのがきっかけだろう。とうとう「地名の記載や位置情報など場所がわかる形での公開はご遠慮下さい」と掲示せざるを得なくなったのだ。江の島に限った話ではない。ここ10年くらい、都内で猫を撮影していると、猫を世話しているボランティアの方から撮影場所がわかるような写真は公開しないでほしいといわれることが増えた。そこへ猫を捨てにきたり、逆に猫を誘拐、虐待したりするケースがあるからだという。インスタグラムには「#猫のいる場所教えにゃい」というハッシュタグもあるくらい。特に都市部の猫写真を公開するときは注意したい。

文と写真・荻窪 圭

※アサヒカメラ2019年4月号より抜粋。本誌では各地の猫を撮影した21枚の写真を掲載している。



江ノ島でも行って来るか・とも思ったが・・
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