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2019年04月26日13:04

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水曜クビクビ日記555:バイス

1963年。ワイオミング州の田舎で育った青年ディックは、聡明な恋人リンの影響を受けて名目イェール大に進んだ。しかし酒と喧嘩に明け暮れ数学期で放校となってしまう。とりあえず電線工事の職についたディックだが、相変わらず呑んだくれる生活のせいでリンが激怒。彼は反省して地元大学に入り直し、政治学を専攻するのだった。そして後年、共和党のインターンとなったディックは、若手議員のラムズフェルドの秘書となり、ワシントンでのサバイバル術を身につけていく。ニクソン政権で政治顧問となった後は、フォード政権で主席補佐官に。さらには自身も下院選挙に出馬し当選を果たすと、1989年のパパ・ブッシュ政権では国防長官を拝命する。ついに大統領の椅子を目前にしたディックだったが、そんな時に娘の同性愛が発覚。選挙戦で娘への中傷が出ることを懸念したディックは、1995年からは政界から距離を置き、石油会社のCEOとして活躍。富も幸せな家庭も手に入れ、悠々自適な老後を平穏に送るのだった……あるバカ息子からの電話がかかってくるまでは!


「バイス」。

以下、一元的ネタバレ論。

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バイス、という単語を耳にすると妙にワクワクしちゃう俺、47歳。 そう、あの傑作ドラマ「マイアミバイス」の影響ですよね。マイアミバイスの〈バイス〉は、おそらく悪徳の意味から変化した警察用語で「風紀課」。日本の警察なら「生活安全課」かな。麻薬・売春・武器犯罪を扱う部署ですね。

って話は関係なくて、本作の〈バイス〉は「副」の意味。副大統領の副でございます。

ディック・チェイニー副大統領。雑に言えば、9.11テロを好機と捉えて、自身の権力とカネをアップグレードするためにイラク戦争を仕組んだ男ということで、ま、悪役ですよ。悪役なんですが、この映画を観るとね、なんともチャーミングで、ずばり好きになっちゃうくらいのキャラなんですよね。チェイニーがホワイトハウスで権力を我が物にしていく過程がエラく賢くて、まず感動。人材登用センスといい、理屈のコネ方といい、見習う点はたくさんあるような気がしちゃいました。出来たカミさんと、バカ息子ブッシュと、恩師ラムズフェルドがいなければ影の大統領チェイニーは生まれなかったんだろうなぁと考えると、ひととの出会いは大切だねーと思ったり。

映画としては、マッケイ監督の語り方にノレれば爆笑必至です。謎のナレーションおじさんの存在やオプション解説をレストランのメニューで見せるセンス、そして途中で出てくるエンドクレジット。声出して笑いました。オマケ映像的シーンで、本作と「ワイスピ」を並べて大衆を揶揄するとこなんか、ほんと楽しいですよ。

キャスト陣では、クリスチャン・ベールの名演技に加えてサム・ロックウェル演じるバカ息子のバカぶりが印象に残ります。かなりオススメ!
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