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2019年04月21日20:27

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うちには、天使がいます。 8.ベッドの上で その1

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<前回までのお話>
2018年(執筆している時点で去年)4月初め、やまねこのパートナー・ゆかさんは卵巣がんの疑いありと診断されました。
4月24日火曜日、自宅で急に動けなくなり、救急車でZ医大病院に搬送され、
一時は精神的なものと診断されかけましたが、
ゆかさん本人が「わたしぜったい頭おかしいと思う」と訴えた結果、脳梗塞が見つかり、
翌25日から入院することになりました。
(なお、病院関係者のかたがたほかの名前は、すべて仮名です)



4月26日、ゆかさん入院の翌朝、
やまねこはのろのろと起き出して、
ゆかさんが置いていったものの中から、指定されたものと、
「これもあったほうがいいんじゃないかな?というようなものを、
とりあえずパッキングして9時ころ出発しました。
今日は病院のあと午後から出勤するので、車ではなく電車です。

ほどなく、電車に乗ったあたりで、ゆかさんからメールが届きました。
少しびっくりしました。
「多分だけど、日曜日に薬局で買ったあれやこれや、半分おいてきてしまったかもしれません。
私の部屋の入り口付近に袋にはいったまま残っているかもしれないので、
すみませんが探せたらよろしくお願いします」

メールが来たこと自体びっくりだったのですが、
文章そのものが全く普通だったので、なおびっくりしました。
と同時に、ずいぶんほっとしました。
やっぱりきのうの症状は一過性のものだったんだ。
血液さらさらの点滴が効いたのかな。
部屋の入口の荷物の存在には気づかなかったけれど。
「もう出発してしまったので、お荷物あしたでもいいですか?
急ぎで必要なものあったら売店で買いましょう」と返信します。


病室に着くと、
ゆかさんはベッドの上から、笑って手を振ってくれました。
「ねこさんありがとう!」
おとといきのうとはぜんぜん違います。
むしろ「元気」といってもいいかんじです。ただ、
「ベッドからは降りちゃだめだって。
っていうか、足降ろしてもだめだって。
なんか脳梗塞のほうに良くない影響があるらしくて」
元気そうに見えても、やはり病人なのだ、とあらためて思いました。
現に点滴だってまだつながっているし。
「いつまで?」しばらくの間なのか、手術までずっとなのでしょうか。
「わからないけど、でもベッドの上でなら動き回っても大丈夫だって」

世間話ができるだけでも、すごい進歩と思いました。
今日はもうひとつ、入院手続きという大切な仕事があります。
受付に行って用紙をもらって、
でもやまねこはこういう書類を書くのがなにより苦手なのです。
はっきり言ってしまうと、ほかに誰もいない自分の部屋とかでは、
ずっと「うーん」「う〜〜〜〜ん」と声に出してうなったり、
誤字を書くたびに「う゛あ゛あああああー」とか叫んだりしながらやってるのです。
そういえば、月末で派遣会社も退職して、
やまねこの健康保険の扶養に入る手続きしなくちゃね、って言ってたんだけど、
まだやってなかったな…
どうなるのかな?
もうすぐG.W.になっちゃうし、
退職して、次の保険証来るまで保険なしってことになっちゃうのかな?
入院しててそれはまずいような気がします。
ここはちょっと保留にします。

それに保証人の欄ふたつあるし。
…そうですか、やまねこひとりではだめなのか。
誰かに頼むとすると、母(ゆかさんのおかぁさん)以外に考えられません。
ゆかさんにはおにぃさんもひとりいますが、住んでいる場所が少し離れています。

病棟に戻って、
「ゆかさん、おかぁさんにまだ話してなかったね」
いずれ話さなければいけないことはわかっていましたが、気が重いことではあります。
「でも病室で電話禁止だって」
(あとから、みんな平気で電話かけてることは判明するのですが)
「やまねこがかけるしかないよね」
この「電話で話す」ということこそ、
書類を書くことと並んで、というかそれ以上にやまねこが苦手とすることなのです。
(コールセンターの仕事はひと月でクビになりました(^^ゞ
「押しつけちゃってごめんね。
心配かけたくなかったから、悪性の疑いが大きいってことは言ってないの。
『子宮筋腫の大きいのが見つかって、手術になるかも』って言ってあるの」
「もうほんとのこと言わなきゃね」
「うん」
「夜に電話するよ。それまでにどんな風に話せばいいか、まとめとくね。
帰りにもいちど寄るからね、お買い物とかあったらメールして」


そのままバスに乗って仕事に行きました。
ゆかさんは何度か思いつくものをメールしてくれました。
「歯磨き用のガムがあったら。あと、おむつ」
歯磨きについては、病室に洗面台はあるのですが、
ベッドから降りるのはだめと言われているので、そこまで歩いていくこともできず、
一日二回は看護師さんが介助してくれるのですが、
それ以外にも磨きたくなることがあるので、とのこと。
おむつは、もちろんお手洗いも看護師さんがベッドの上で介助してくれるのだけれど、
コールを押してもすぐに来られないことがあるから念のため、とのことでした。
「本格的に使うんだったらパンツ型だけど、
とりあえずは尿取りパッドでいいのかも。念のためね」
ここらへんの買物は、これから入院されるかたなんかが参考にしてくださるとうれしいです。


仕事が終わって、またバスに乗って、
ドラッグストアのあるあたりで途中下車して買物して、病院に向かいます。

ゆかさんはあいかわらず元気そうに見えて、
やまねこの買物も喜んでくれました。
「ありがとね。何度も寄ってくれて」

ロビーから母に電話しました。
じつは母と電話で話したことはこれまでほとんどありません。
卵巣がんの疑いがあること、そして脳梗塞で入院したことを伝えると、
母はさすがに「そうなの…」とびっくりしていたようでしたが、
あさって(4/28土曜日)に入院手続きのため、病院に来ることに同意してくれました。

「ほかに連絡しなきゃいけないところは?
派遣会社に保険のことと、傷病手当のこととかも相談しなくちゃ」
「あと、師匠(ゆかさんの歌の師匠)に連絡して、
しばらくレッスン休みますって言わないと」
しなければならないことは、まだまだたくさんありました。
でも、忙しくはなったけれど、
いろんなことが軌道に乗った、という安心感はたしかにありました。
季節は初夏に向かっていくころでした。





ワンマンLIVEまで、あと一週間になりました。

「うたうやまねこワンマンLIVE2019〜脈動〜」
4.28(Sun.)at御茶ノ水KAKADO → http://www.kakado.jp/
OPEN12:00/START12:30/CHARGE\2,000+1D
ゆっくり2時間、ふだんと違うやまねこも見て聴いていただけると思いますので、
ぜひ遊びにきてくださいね。

それまでに、あと1回更新できるかどうかかな?
ぜひ、御茶ノ水でお会いできますように。
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