被災地を詠む投稿短歌・・

　新聞に週に一度、選ばれて載る投稿の短歌や俳句が 身近に思えて、
毎週楽しみにしています。今週は 福島の被災地を詠んだ歌など多かったので
書き出して見ました。辺野古の歌もあります。

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　あの日から八年を経て なほ帰還困難区域に わが家 朽ちゆく
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （国立市）　半杭　蛍子
　放射能 染みつく墓石を寄せ囲い 故郷を去る戸主 春冷えの彼岸
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　（福島市）　 澤　 正宏
　海に向かい 黄衣の僧ら 読経する いわきの早春（はる）の波まだ高く　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （三島市）　 浅野　和子　　　　　
　福島の「夜（よ）の森」の桜 悲しけれ 廃炉 見つづけ 咲くほかはなし
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（下野市） 　若島　安子
　フクシマの常磐線の廃駅は 取り壊されて 更地となりぬ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （福島市）　櫻井　隆繁
　犠牲者は 歳をとらない 慰霊碑に刻まれた名が 海を見ている
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （伊丹市）　宮川　一樹
　いく度も「拉致」引き合いに選挙すれど 成果なきまま総理も老いぬ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （埼玉県）　島村　久夫
　出る杭は打たれると言ふ さはあれど 用なき杭の海に打たるる
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （長野県）　千葉　俊彦

　廃炉も桜も廃屋も廃駅も墓石も辺野古の杭も、一言も抗議せず、黙って
この世を見ています。彼らの そして住民の悲嘆を、為政者は見て見ぬ振りして、
原発の再稼働を進めています。大地震が起きればどうなるか百も承知で・・。

　後は野となれ山となれ、でしょうか。正義感の塊みたいなことを言いながら、
納税者の国民を無視している。理由はどうあれ、そうとしか思えません。

　で、どの歌の言葉も知ってる物ばかりなのに、こんな風には纏めては詠めない。
気に入った作品を読むたび感嘆し、日本語の良さにも感動します。いいなあ・・