水曜クビクビ日記551：ザ・プレイス

交差点の角にあるカフェ〈ザ・プレイス〉…奥の席を一日じゅう占拠している初老の男の前に、何人もの男女が相談に訪れていた。初老の男は、相談者の悩みを聴き、その望みを叶えてやっているようだ。ただし叶えるにあたり、相談者にある〈任務〉を課している。

「子供が癌で死にかけている。助けて欲しい」と訴えてくる中年男性には「では、他人の子供を殺しなさい」と。
「信心に迷いがある」というシスターには「では、妊娠しなさい」と。
「認知症の夫を元に戻して欲しい」という老婆には「では、爆弾を作って店を爆破しなさい」と。
「目が見えるようになりたい」と訴える盲人には「では、女をレイプしなさい」と。

実現困難な望みを口にする相談者たちは、おぞましい任務の達成状況を逐一報告するため、次々と〈ザ・プレイス〉を訪れては帰っていく…


「ザ・プレイス」。観てきました。


以下、ネタバレの交差点。





カタルシスのない群像劇。というか、群像しない群像劇（笑）。カフェの座席だけで展開するワンシチュエーションものだから、キャラのセリフだけで相談者たちの状況を掴むんです。これが何とも苦痛。カチッとピースがハマる快感もなく、各エピソードも尻切れなところや余白があり、好き嫌いが分かれるところですな。主人公の男を「神様」のメタファーと捉えると、宗教映画的側面もあるのかも。俺は嫌いじゃないが、万人にオススメする映画じゃなかったなぁ。