一般的に「花時計」と聞くと花で飾られた大きな時計を想起するだろうが、それは「花壇時計」であって「花時計」ではありません。
本来の「花時計」は機械時計ではなく、植えられている花の開花や閉花の様子で時刻を知るものです。
もっとも有名な花時計としては、スウェーデンの植物学者カール・リンネが1750年に開花や閉花の時刻が明確な草花を円状に植栽してつくりました。
植物には成長に適した環境があるので、地域や季節が変われば植栽する配置や植物が変化しますが、植物学者であるカール・リンネは植物でも時刻を知ることができることを立証するために花時計を作ったのです。
気候や季節によって花時計に用いる草花は異なりますが、カール・リンネが選んだのは以下のような草花で、実際の時刻との差は半時間程度だったそうです。
07時に開花 センジュギク
08時に開花 ヤナギタンポポ
09時に開花 ノゲシ
10時に閉花 ヤブラビラコ
11時に開花 アマゾンユリ
12時に開花 トケイソウ
13時に閉花 チャイルディングピング
14時に閉花 ルリハコベ
15時に閉花 ホークピット
16時に閉花 セイヨウヒルガオ
17時に閉花 シロスイセン
18時に開花 オオマツヨイグサ
カール・リンネの花時計に触発されて日本の風土に合った花時計を考えたのは、日本標準時の子午線が通る明石市の生物学者の十亀(そがめ)好雄です。
十亀好雄は時間と関係の深い草花を30年間に渡って研究し27科37種の草花を候補に選びました。
花の開花や閉花の時刻は草花の体内時計によるもので、草花を選ぶことで驚くことに誤差は30分程度に納まるようです。
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