「若さ」第４８０号
※ 四方山話 ※
◎ 武士道の精神 ◎
平成２９年春（大阪）場所に第７２代横綱となった“稀勢の里”。
“若乃花”（花田兄弟横綱の兄）以来１９年ぶりの日本人横綱の誕生でした。
横綱昇進最初の場所で優勝という、これからが楽しみというスタートでしたが、左肩の負傷で得意のオッツケが出来なくなり連敗・休場が続いて、本年１月１３日開幕の初場所（東京・両国）に再起を掛けて出場しましたが、初日から連敗して１６日引退を表明しました。
僅か２年で期待の日本人横綱が土俵から消えました。
３月１０日、初日を迎えた春場所（大阪）は、“稀勢の里”の後を継ぐ同門の大関・“高安”、“豪栄道”、関脇・“貴景勝”、小結・“御嶽海”など日本人力士を注目しました。
２４日・千秋楽の結果は、横綱“白鵬”の全勝優勝でした。
３４歳で４２回目の優勝は歴史的な大記録です。
ただし、強い横綱と言うより兎に角、勝に拘ったセコイ相撲が多かった。
立ち合いのハリテ、押されて背中を見せながら土俵際で回転しての逆転勝など横綱相撲とは言えません。
特に天皇賜杯を受けて優勝インタビューに際し、場内を仕切って「万歳三唱」とは常軌を逸しています。
体力を基でにしたハングリーが基本の外国人力士の強さと国技とする大相撲の精神の乖離が起っています。
少なくとも日本人力士が、勝ち名乗りを受けて、ガッツポーズや場内を仕切って万歳などしないでしょう。
１０勝５敗で２回目の技能賞を受けた関脇・“貴景勝”（３０年１１月・九州場所で初優勝、１３勝２敗）が、２２歳の若さで大関に昇進しました。
大関・貴景勝は、本名・佐藤貴信、兵庫県芦屋市出身。 兵庫・報徳学園中学で中学横綱、埼玉栄高校在学中に貴乃花部屋に入門。
平成２６年（2014）「佐藤」の四股名で初土俵。 ２８年夏場場所・新十両。
２９年初場所で新入幕。 「貴景勝」に改め、３０年秋に貴乃花部屋（廃業）から千賀ノ浦部屋に移籍。 得意技は「突き」「押し」（離れて速攻、組んでは勝てない）。
身長１７５ｃｍ、体重１６９ｋｇ。幕内で最も身長が低い。
横綱を目指すというが、今の取口だけでは無理という声もある。
「貴景勝」は、往年の大横綱「照国」（相撲人形の様）を想起させる。
「照国」は、秋田県出身、伊勢ケ浜部屋。 昭和１８年１月〜２８年１月まで３８代横綱。
身長１７４ｃｍ、 体重１６２ｋｇの前例もある。
唯一「突き」「押し」に徹しているのも魅力。 最も気に入ったのは３月２７日、大関昇進の伝達式で述べた決意の口上。
「大関の名に恥じぬよう、武士道精神を重んじ、感謝の気持ちと思いやりを忘れず、相撲道に精進してまいります。」 と述べ、「武士道精神」について、「受けた恩は必ず返す。 感謝の気持ち、思いやりの心を持つこと」。
日頃から意識している「勝っておごらず、負けて腐らず」という言葉も、武士道精神の中から学んだという。
本来の「武士道」とは、武士・侍の持つ精神として、義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義といった心得で、一般・平民にまで及ぶ倫理観とまでは言えない言葉でした。
明治の農学者・新渡戸稲造（１８６２〜１９９３、７１歳・没）が、英文で日本人（精神）を紹介した「武士道」が海外で知られました（日本人を過剰評価？）。
新渡戸の論文は、日本の民俗・世情を的確に表す論文ではなかったようですが、土俵にも現れている昨今の過度の個人主義（利得感）の広まりからして「近代の武士道」として有益な教訓ともなる言葉であろうと思います。
☆ 新元号への期待 ☆
４月３０日に平成天皇が退位され、５月１日に新天皇（現・皇太子）が即位されます。
即位される１カ月前となる、４月１日（月）１１：３０に新元号が、菅義偉よしひで官房長官から発表されます。
既に数候補に絞られているようですが、発表までは厳重な秘匿措置・行動が採られているようです。
ただ元号の条件として、二つの漢字であること、Ｍ・ま（明治）、Ｔ・た（大正）、Ｓ・さ（昭和）、Ｈ・は（平成）の行は使われないようです。
久々に視聴率の高い政府の発表になりそうです。
※ 今日は何の日 ※
３０日 慶應３年（1867）アメリカがロシアからアラスカを買い取る条約に調印。日本の４倍以上ある土地を僅か７２０万ドル（１ｈａあたり５セント）。
３０日 平成２６年（2014） 沖ノ鳥島事故。東京から南に約１，７００ｋｍ、日本最南端の無人島を防護して、大型船が就航できる桟橋を建設中に桟橋が転覆して、作業員１６人が投げ出され７人死亡、４人が軽傷を負った。
３１日 昭和１９年（1944） 連合艦隊司令長官 古賀峯一大将殉職。パラオからダバオ（フｲリピン）に向け二式大艇で出発・行方不明。（太平洋戦争16.12.8.~20.8.15.)。
３１日 昭和４５年（1970） 日航機よど号ハイジャック事件。
４月 誕生石：�．瀬ぅ筌皀鵐鼻紛盥篝弌法��▲�ォーツ（水晶）。
誕生花：カスミソウ（花言葉・清心）。
１日 ５月からの「新元号」を政府発表。
１日 昭和２５年（1945） 「宗谷」は海上保安庁の灯台補給船として改造工事完了（昭和２４年１２月から石川島重工で改造、船体は黒から白へ、ＬＬ０１「宗谷」）。
１日 昭和６２年（1987） 国鉄・民営化、ＪＲ７社・旅客の北海道、東日本、
東海、西日本、四国、九州の旅客６社と日本貨物鉄道を設立。青函連絡船は北海道旅客鉄道�蠅貿杪亜�
３日 推古１２年（604） 聖徳太子「憲法１７集」制定。第１条「和ヲ以テ貴シトナス」。「論語」、「礼記」など儒教の経典を基にしている。
３日 平成２４年（2012） 日本海で爆弾低気圧が発生・発達（気圧９５０）、日本縦断、全国で死者４、重軽傷者３５６、佐渡市で４３．５ｍ／秒。
※ 季節の句 ※
夕桜 七十にして 里ごころ 小林篤子
ひく波の 跡美しや 桜貝 松本たかし
たんぽぽや 島を囲んで 濤寄せる 矢沢寿美
以上 第４８０号
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