■平成最後の桜の季節…「花見の予定」はありますか？
(TOKYO FM + - 03月29日 17:40)
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花見の季節は、鑑賞態度でその人の人品骨柄が推し量れるいい機会です。
� ＿峺�の名所に行きたがるか
�◆［鼠�や酒を持って行きたがるか
�� 桜を鑑賞するより、大勢で騒ぎたがるか
上の三点を志向する人は、まず１００％「野暮な人」でしょうね。
花見を「会社の親睦会」などと考えないでいただきたい。
もう十数年前のことですが、
勤務先からJR桜宮駅まで自転車で帰っていました。
折から大川沿いは桜は満開で、
この際、有名な「桜の通り抜け」を見ようと思い立ちました。
足を踏み入れた途端、後悔しました。
目の届く限りの乱痴気騒ぎ。
至る所にブルーシートを広げ、酒に酔って馬鹿笑いする男女の群れ。
それではまだ足りないのか、簡易コンロを持ち込んで焼肉をするグループ、
カラオケを始めるグループ、産卵するビールの空き缶、弁当柄。
これほど、折角の桜に対して、無礼な振る舞いはあるでしょうか。
その光景は「野暮」を通り越して「醜悪」そのもの。
「もう二度と来るものか」と思わせてくれる「ソドムの世界」でした。
そんな醜悪極まる「花見騒ぎ」とは対照的に、
本来の意味で桜を鑑賞するのなら、脚ごしらえを整えて、
弁当をデイパックに入れ、腰に水筒をぶら下げて、手帳を携え、
人里離れた野辺道を、日の暮れかかるのも気にすることなく、
宛てもなく逍遥することをお勧めします。
滅多に人も通わない森の細道を、脚に任せて歩いていると、
空地に置き忘れられたような苔むした墓地が現れ、小鳥がさえずり、
その一角に、誰も観られることもなく咲き誇る桜の老木が枝を広げていて、
大盤振る舞いの花吹雪で迎えてくれることでしょう。
「明日のわが身を度外視した絢爛たる逝く春」に、
天地自然の一部にしか過ぎない自身の、来し方行く末が思われ、
透明な哀しみが湧き上がり、「則天去私」の神髄を味わい、
深く癒されること確実でしょうね。
これこそが古来から日本人が愛で、西行が歌に詠んだ
「逝く春の憾み」「幽玄の美」本来の姿ではないでしょうか。
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