余命宣告ならぬ
「妊婦宣告半年」を言い渡されたワシは
その後も度重なる発作に悩まされたけど
薬の効果もあってか
最初ほどの激烈な痛みは無いまま
だがしかし、その時々で波のある痛みに襲われ続ける日々が続いた…
会社も休む事が多かった…
そして、あれは「妊娠4ヶ月」頃だろうか?
みっちゃんと映画「漂流教室」を観に行こうって事になり渋谷に出た!
映画が半分済んだ頃に又しても「胎児」が
ワシのお腹を内側から蹴り始めた!
これが入れ替わって本当の胎児なら
「やましん
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今、蹴ったのよ
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私たちの赤ちゃんが確かにお腹を蹴ったの
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」
「本当かい? 本当なのかい? みちこ
どれどれ? あ! 今、蹴ったね!
名前はなんてつけようか?
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」などと
この世の全ての幸がここにあるが如く舞い上がる場面なのに
ワシのは違う!
この世の全ての悲しみ苦しみがここにあったのだ!
もはや漂流教室のストーリーなんて
こっから先も頭に入ってくるわけがない!
「早よ終われ こんなジャンクムービー ファック」などと
何故か洋画テイストでボヤいてみたり…
ようやく映画が終わる頃
少しだけましになり
二人でお好み焼きを食べに行く事になった
関西出身のワシが渋谷でお好み焼きを食べると言うことがどういう事なのか?
それは今さらここで話す事でもないから割愛するけど
食べてる最中に又しても赤ちゃんが
蹴り出した!
今度のは回し蹴りか? 胴回しか?
強烈だ!
「大丈夫?しんちゃん 私、これから友達と会う約束してるから行くね」
「嘘やろ? こんな時ぐらいおってくれよ」
「私が居てもお腹は治らないじゃん!
お医者さんならついててあげるけど…
それに約束は約束だからごめんね
バイバイ(;_;)/~~~!」
く…
赤ちゃんよりも友達を選ぶんやな?(爆)
こいつと付き合ったのは間違いだったか?(笑)
つづく
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