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2019年03月20日23:08

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《時間…》《ちー+! 112》

《時間…》

まあ、社内がまためまぐるしく…。
人が減る減る。変なのばっか残る…。

…あれ?
…俺…、
変なヤツ???


《ちー+! 112》

第一章 仲間たちとの行進曲 3-74

【拠点ネメス・ネメス城下町北区域】
『ネメスのあくび』

「ふう…、まったく…」
 ナルミの反応を見て『予想外』というよりは、どちらかと言うと度を超えた『思った通りの反応』だったわけだが、そんなナルミの反応を目にしたボーセスは少しばかり頭をひねる事にした。
『冒険者』と表現するには疑問符付きのナルミという事は初めて見た時から読めてはいたが、まさかここまでの拒絶反応を見せられると先が思いやられることは間違いない。
 とはいえ、巷で噂となる『勇者志願』をみすみす手放す気にもなれず、偶然とはいえネメスのあくびに足を運んだくれた以上、どうにか向こう1年間の付き合の保障めいた繋がりを保ちたいというのがボーセスの本音である。
 これはネメスのあくびの将来的な安泰や知名度の上昇といった、商人さながらの考えに基づくものではなく、ボーセスの配慮と親心、それと趣味を兼ねた思いがあった。
駆け出し時には誰もがひ弱な冒険者…。そんな冒険者が日々成長する事を楽しみにする趣味のような思いが先走るものだが、当然ながらその考えはボーセスにとっておまけ程度の要素である。
こう言ってはなんだが、多くの冒険者の生活は日々シビアなものであり、当然ながら高額にして簡単な依頼を欲しがるものだ。
ところが都合の良い依頼はそうそうに舞い込むものでもなく、舞い込んだ所で低い難度の高収入はスピード勝負の一言。見付けられた時点で即実行となるケース非常に多く、複数の冒険者の目に入る事は稀である。ギルドで寝泊まりする冒険者の目的は『宿がわり』といった理由も当然あるが、いつ舞い込むかも判らない依頼にいち早く目を通す意味も含まれる。
こうなるとギルドで寝泊まりするわけでもないチータスたちには不利になる事は必然であり、だからと言ってギルドマスターとなるボーセス自身がズルをする訳にも行かない。
依頼に対する反応の条件は全ての冒険者に対してフェアでなくてはいけないという考えがボーセスの中の鉄則であり、個々の冒険者の中にもお気に入りとそうでない人物に別れるが、そう言った考えがあっても問題が無い限りはその気持ちを表に出す事も出来ない。
なかなかに難しい立場にあると自分でも思うが、こればかりは運の要素が結果を左右する出来事のため、仕方が無いという一言に尽きる話だろう。
しかし、ボーセスがチータスたちに肩入れする理由があるにはある。
どの冒険者相手にも簡単に口にする事は出来ないが、ギルドマスターという位置に身を置く人物なら誰もが知るひとつの行為がそれに当たる。
馴染みの無い冒険者や、ギルドにとって悪影響を促す冒険者に対し、その冒険者の能力以上の依頼を斡旋する行為、もしくは実際に厄介な依頼の報酬を意図的に吊り上げてもらう行為だ。
斡旋行為はどのギルドでも行われるが、そういった声が掛かるには相当の信頼関係やこれまでの成績が必要になるが、稀に高い名声や噂が斡旋に繋がる事もある。
ギルドマスター悪い内容ではあるが報酬の低い物件を消化するために、付き合いを切りたい冒険者に高難度の依頼を紹介し、わざと失敗させるのだ。あわよくば失敗ついでに死んでもらうのが好ましい。
死者が発生した依頼物件は冒険者の間で有名になり、同じ報酬では手を出す輩が居なくなる。
そうなると一番困る人物は依頼者となるわけだが、だからと言って放置も出来ない。
結果、必然的に報酬額が吊り上がり、それに気付いた腕に自信のある冒険者の誰かが名乗りを上げる…。そういった流れだ。
そうする事によってギルドマスターはギルド内部の厄介払いをし、見る人物からすれば高条件の依頼を作り上げ、それを消化してもらう事で失敗依頼の印象を払拭し、更には依頼達成の冒険者との信頼を築き、おまけに依頼を達成した冒険者の名声を上げる行為にも繋がる。
 もちろん、途中経過となる薄汚い経過など誰にも言えるものではないが。
犠牲となる冒険者は、実は誰でもいい。もちろん、悪質なギルドマスターから見れば『勇者志願』という立場のチータスなんか、歩く追加報酬額そのものであり、『勇者志願の敗北』、なんてレッテルが貼られた依頼は報酬の高騰が確約されたようなものだ。
 勇者でなくても勇者志願ともなれば、相当の腕の持ち主という認識が一般的だからである。チータスの態度には表向きの問題は少ないが、ナルミの態度や反応については『そういった素材』としてはうってつけだろう。依頼の成功はギルドの売り上げにも直結するため、こういった冒険者としては不適切な知識や意識を有するナルミが勇者志願と理解されれば、普通なら利用しない手はないと感じる筈である。
 冒険者の生命を保証する事はギルドマスターの責務ではない。全ては依頼を請け負う冒険者自らの判断に委ねられるからだ。
 そんな冒険者の判断に対し、ギルドマスターは機械的に承諾し、必要あらば有料で情報を明け渡すのであり、そこに相手に対した印象を元に、偽りを混ぜるかどうかにある。
 ボーセスはそんな一般的なギルドマスターの『常識』を受け入れる事が出来ず、ついつい未熟な冒険者に対して忠告を挟む行為が他のギルドマスターからの『良心的なお節介野郎』と表現されている事は理解しているが、それでも性格柄、知り合った来客をみすみす死なせる方向に導いてまで売り上げを重視する考えは持てないでいたのだった。
 こうなると自らの正攻法でチータスとナルミといった、未熟な勇者志願を手放すわけにもいかず、どうにかネメスのあくびに留まるうちに、その『未熟さ』をせめて『初心者』程度には成長させたいというのが本音であるが、……そのためにはどうしたものか。
(まだ何も始まっちゃいないってのに…、世話が焼けるな)
 ボーセスは内心でぼやき、今持っている依頼書と先程チータスが持って来た依頼書を手にすると、何を言うかと迷いながらもチータスたちが着くテーブルへと進み始めた。
 そんな自らの行動に気付いてか、向こうのテーブルで小さくなるナルミの肩がびくついたのが判る。
(ちゃんと話、聞いてくれるといいんだがな…)
 隠す様子も無く『やれやれ…』という表情を出すボーセスは、今の意志が揺るがない内にとテーブルへの歩調を早めた。


《あとがき》

色々書きたいが色々書けない。
そーいやここ最近パチ屋も…。
タバコが…。残りが…。

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