真理の玉手箱、「モルモン書」
マタイによる福音書 14（新約聖書）2019.03.09.&11.05.
《英文欽定訳(KJV)対照預言者ジョセフ・スミス霊感訳(JST)＋α》
第十四章
1(J-1). その頃、＊領主ヘロデはイエスのうわさを耳にして、
2=. 自分の部下たちに言った。「あれはバプテスマのヨハネだ。ヨハネが死人の中から生き返ったのだ。だから、奴の中にあんな力があるのだ。」
3(J-2). それは、このヘロデが、自分の兄弟ピリポの妻ヘロデヤのことで、ヨハネを捕らえて縛り、牢に入れたからであった。
4(J-3). ヨハネは彼に、「あなたが【兄弟の妻を】自分の妻にするのは不法です。」と言っていたからで、
5(J-4). そのため、ヘロデはヨハネを殺したかったが、群衆を恐れていた。群衆はヨハネを預言者と認めていたからである。
6(J-5). 然し、たまたまヘロデの誕生祝があって、その席でヘロデヤの娘が皆の前で踊りを披露し、ヘロデを喜ばせた。
7(J-6). その時に、ヘロデはその娘に、願うものは何でもやると誓って約束をしたのだった。
8(J-7). ところがである、娘は母親にそそのかされて、「今、ここにバプテスマのヨハネの首を大皿に載せて私に下さい。」と言った。
9(J-8). それで王は心を痛めたが、自分が誓ったことでもあり、また列席者たちの手前もあって、娘に与えるよう命じ、
10(J-9). 人を遣わして、牢の中でヨハネの首をはねさせた。
11(J-10). そして、ヨハネの首が大皿に載せられて持って来られ、＊娘に与えられたので、彼女はそれを自分の母親の所へ持って行った。《＊damsel》
12(J-11). それから、ヨハネの弟子たちがやって来て、その死体を引き取って葬り、そのことをイエスの所に行って報告した。
13(J-12). ヨハネが斬首されたことを聞かれたイエスは、船でそこを去り、御自分だけで寂しい所へ行かれた。すると、それを聞いた人々が、町々から歩いてイエスの後を追って来た。
14(J-13). そこで、イエスが船から上がられると、おびただしい人々の群れをご覧になって、彼らに深い憐れみを抱かれ、彼らの病気を癒された。
15(J-14). 夕方になったので、弟子たちがイエスの所に来て言った。「ここは寂しい所ですし、時ももう回っています。群衆を解散させ、村々に行って、銘々で食料を買わせましょう。」
16(J-15). 然し、イエスは弟子たちに言われた。「彼らが出かけて行くには及びません。あなた方の手で彼らに食べ物を上げなさい。」
17(J-16).そこで、 弟子たちはイエスに言った。「ここにはパンが五つと、魚が二匹しかありません。」
18=. すると、イエスは彼らに、「それをここに持って来なさい。」と言われた。
19(J-17). そしてイエスは、群衆を草の上に座らせると、五つのパンと二匹の魚を取り、天を見上げてそれらを祝福し、パンを割いて弟子たちに与えられたので、弟子たちはそれを群衆に配った。
20(J-18). 彼らは皆食べて満腹した。そして、余ったパンくずを集めると十二のかごがいっぱいになった。
21=. 食べた者は、女と子供達を別にして男五千人ほどであった。
22(J-19). それから直ぐに、イエスは弟子たちを御自分よりも先に向こう岸へ渡らせようと、強いて船に乗りこませ、その間に群衆を帰してしまわれた。
23=. こうして、イエスは群衆を去らせると、祈るために一人で山に上られた。
=(J-20). 夕方になっても、イエスはまだ一人でそこに居られた。
24=. ところが、船は丁度湖の真ん中で逆風の為に波に揉まれていた。《異本原訳：陸から多くのスタディオン離れて＝１スタディオンは１８５ｍ》
25(J-21). すると、夜中の三時頃イエスは湖の上を歩いて弟子たちの所へ行かれた。《KJV: the fourth watch=Gr.直訳は「第四の夜回り」、即ち午前３〜６時》
26(J-22). 弟子たちは、イエスが湖の上を歩いておられるのを見て取り乱し、「幽霊だ！」と言って恐れ、叫び声をあげた。
27(J-23). 然し、イエスは直ぐに彼らに話しかけて、「安心しなさい。私だ。恐れることはない。」と言われた。
28(J-24). すると、ペテロが答えて言った。「主よ。もしあなたでしたら私に、水の上を歩いて＊ここ迄来いと命じて下さい。」《＊直訳は、あなたの所まで》
29=. そこでイエスが、「来なさい。」と言われた。
=(J-25). そこで、ペテロは船から降りて水の上を歩いてイエスの方へ行った。
30=. ところが、ペテロは荒れ狂う風を見て怖くなり、沈みかけたのて叫んで言った。「主よ、助けて下さい。」
31(J-26). それで、イエスは直ぐに手を差し伸べてペテロをつかまえ、言われた。「ああ、まだ信仰が弱い。何故疑うのですか？」
32(J-27). そして、二人が船に戻ると、風はやんだ。
33(J-28). そこで、船の中にいる者達はイエスを拝して、「確かに、あなた様は神の子です。」と言った。
34(J-29). そして、一行は【湖を】渡ってゲネサレの地に着いた。
35(J-30). すると、その土地の人々は、イエス【が来られた】と知って、その付近の地域一帯に人を遣わしてくまなく知らせ、イエスの元にあらゆる病人を連れて来させた。
36=. そして彼らは、せめてイエスの着物の縁にでも触らせて欲しいと願って、触った者は皆癒された。
訳註 ///《＊1 古代ローマの四分統治者、属領主》
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