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2019年03月02日00:15

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「天真療法」案内7

今回も「天真療法」の「序」を見ていきます。
前回「天真療法」は、あまりにも「平凡」すぎるため誰も見向きもしないとの言葉を見ていきましたが、今回はその具体的な方法の部分から入ります。それは、この「序」の中で、特に太文字で書かれています。
腰腹正中心の鍛錬、玄米若(もし)くは麦飯及び野菜の節食、生水を飲む、さうして日光に親しむ。(天真療法 P.5)
ここで聞きなれない「腰腹正中心の鍛錬」という言葉が出てきましたが、これは春充が最重要視した「身体の操作法」です。これが一体どのようなものかは、出版予定『聖中心伝―肥田春充の生涯と強健術―』(青年編)第3章で徹底的に追及しています。これは現代では何故かほとんど忘れさられてしまい、少なくとも戦前までは日本人の多くの人が普通に行っていた「身体操作法」の応用に過ぎません。ですから、基本的に誰にでもわかりやすく、上手、下手はあっても誰にでも出来る「身体操作法」であり、身体の健康、頭脳の明晰、精神の安定などこれ一つで様々な問題を解決できる大変便利なものです。詳しくは、是非『聖中心伝―肥田春充の生涯と強健術―』をご覧ください。(と、宣伝しておきます 笑)
次に「玄米もしくは麦飯の節食、生水を飲む」とあります。玄米や麦飯は、現在ダイエットやアンチエイジングなどでも注目されている食材ですが、この言葉の原点には石塚左玄(1851〜1909)の『食物養生法』があります。春充は、この石塚左玄の食養の系譜に二木謙三(1873〜1966)を通じて連なり、同じ石塚左玄に連なるマクロビオテックで有名な桜沢如一(1983〜1966)に先んじています。ここで、言われている言葉は石塚左玄の理論の深い理解の上に成り立ち、また自身の体験も併せて語られていて、単純な玄米菜食とは一線を画してします。
最後に「日光に親しむ」とありますが、これはそのまま字義通りに「日光浴」をすると捉えてもいいのですが、もっと広い意味で「日光にあたりながら労働、運動、生活活動をする」ぐらいの意味に捉えた方がいいようです。このあたりや、食養の考え方についても『聖中心伝―肥田春充の生涯と強健術―』で詳細に取り上げています。
さて、「天真療法」の具体的方法は本当に拍子抜けするほど「平凡」です。このことにつき春充は次のように語っています。
心身ともに健全に活きるの道は―タッタ其れだけの事なのだ。其れだけで良いのだ。何と簡単極まることではないか。コンナ事で丈夫で居られるのだと云う真理が、ハッキリと解った時、私の全身の熱血は、嬉しさに沸き上がった。有りがたいなア、そんなことで?…コンナことで?、?。おおそうだ!。タッタ其れ丈けのことで人はみんな丈夫でピンピンと、元気よく愉快に、楽しく活きて行くことが出来るのだ。
イヤ、其れ以上のこと其れ以外のこと、を遣るからこそ人は皆、病気などになるのだ。金をかけ、時を費やし、体に余計な仕事を負わせながら、人は病気の素をセッセと努力しつつ注ぎ込んで居るのだ。解った者から見ると、気の毒な浅ましい限りだ。(天心療法 P.5)
この言葉の次に、また古典からの引用がありますが、それは次回に見たいと思います。
(写真は、春充が「天真療法」のもとになった「自己療養」の発想を得た、故郷山梨の倉見山)

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