2月27日(水) #1790 マリオはなぜ「ひげおやじ」なのか？

おはようございます。木下藤吉郎です。


今から70年前の1949年(昭和24年)の今日、松山城が原因不明の不審火(一説には近くでやっていた焚き火の引火が原因とされ、放火説もある)により火災に見舞われました。天守閣は無事でしたが、筒井門などが焼失し、前月に火災が発生した法隆寺に続いて歴史的建造物の火災が立て続けに発生した形になりました。

■きょうの蔵出しNHK | NHKアーカイブス
https://cgi2.nhk.or.jp/archives/sp/today/?0227


また、今から50年前の1969年(昭和44年)の今日は、女優の富田靖子(とみた やすこ)さんの生まれた日です。

■富田 靖子 - アミューズ オフィシャル ウェブサイト
http://artist.amuse.co.jp/artist/tomita_yasuko/



























2月27日 水曜日

大人になると主に男性の顔に現れてくる「ひげ(髭)」は、その手入れ次第ではおしゃれにもなりますが、たいていは不細工・不摂生の象徴なる扱いがされ、求職・就職活動の面接の際には殆どの企業が「ヒゲ禁止」となっています。理髪店に行けば、格安の店舗を除けばたいてい剃髪を頼むとヒゲ剃りやもみあげ、眉毛の手入れもセットでして下さいます。

そんな疎まれがちなヒゲですが、ヒゲについてうるさく取り扱うのは日本くらいで、海外ではヒゲを生やした人が目立っているように思います。

ゲームのキャラクターとは言え、1980年代に突如現れたヒゲと帽子とオーバーオールがトレードマークの「マリオ」は、1985年のスーパーマリオブラザーズ発売以後、爆発的な人気を呼び、30年以上たった今なおその輝きは衰えることがありません。2016年のリオオリンピック閉会式では、次の開催国が日本であり、そのアピールとして安倍首相がマリオに扮して登場した事は、良くも悪くも語り草となっている事でしょう。

しかしながら、なぜマリオは「ひげおやじ」になる必要があったのでしょうか？ 皆さんはこの事に疑問を持たれた事はありますでしょうか？

いちゲームソフト・ハード製作会社のキャラクターゆえ、NHKで放送されている「チコちゃん」に取り上げられる可能性は低いと思われますが、もしかしたらもう知っているかもしれませんよ？ 今のうちに「ドヤ顔知識」に登録しておきましょう(^-^)

パソコンやスマートフォンなどの「液晶ディスプレイ」がある機械は、文字や絵などを非常に細かい「点」の集まりで表現しています。この「点」の事を「ピクセル」または「画素」「ドット」などと呼んでいます。

今や、液晶ディスプレイも進化して、映っている画像が本物と相違ないように見える事も不思議ではなくなりましたが、マリオが開発段階だった1970年代後期はまだまだ技術が未熟で、画素数は現在よりもずっと小さいものでした。マリオのデザインは16×16=256ピクセルで描く必要がありました。

当時のアクションゲームでは、8頭身のキャラクターが普通だったそうですが、画素数が小さいものですから、どのキャラクターも言ってしまえば「のっぺらぼう」や「統一されたっぽい」ものとならざるを得ず、これに対してマリオのデザインを考えていた宮本 茂さんは、2頭身にして顔に個性を持たせようとしました。

ところが画素数の少なさにたちまち考え込んでしまいます。なんせ全身がたった16×16ですから、2頭身でも8×16=128ピクセルしかなく、顔に細工をしようとすると縦8マスはあっという間に使い切ってしまうのです。

そこで思い立ったのが、帽子、丸く大きな出鼻、口髭だったのです。

また、胴体も8×16で表現しようとした時、細かい動きにも対応しようとすれば1ピクセルで「ボタン」が表現できるオーバーオールが最適だったのです。

さらに、宮本さんはアメリカの任天堂支社の倉庫管理をされている方が「ひげおやじ」であり、名前が「マリオ」だった事から、このキャラクターをマリオと名付け、さらに倉庫の近くには雨どいの役割をする土管があちこちにあった事から、配管工、大工さんをマリオの職業として位置づけ、マリオブラザーズ、スーパーマリオブラザーズなどの後発作品の基礎となっていったのです。

マリオがひげおやじである事は、低画素の世界で奮闘したデザイナーの汗(努力)が染み込んでいると言って過言ではないでしょう。

■社長が訊く『New スーパーマリオブラザーズ Wii』
https://www.nintendo.co.jp/wii/interview/smnj/vol1/index2.html