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2019年02月19日08:19

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立川談笑「落語外伝」第7回「品川心中」

 立川談笑「落語外伝」第7回「品川心中」。

 定番落語ネタを演じた後、その外伝(前日譚や後日談、スピンオフなど)の新作を語る、という趣向の会。チケットを頂いたので観に行きました。中段、真正面の特等席でした。チケットどうもありがとうございます。



・ 「品川心中(上下)」

 前座無しに始まった。

 マクラ。アイドルはリスクと背中合わせという話、さらに子どもの頃、昔でいう洲崎に住んでいたという話から、遊郭、品川、と話が発展し、ネタに入った。

 ネタ。上下やると1時間10分もかかる大ネタを、軽やかに演じてはった。特に、金蔵が軽い。と言っても軽薄でなく、愛情深い。もう一人の主人公・お染も、悪女に演じる演者が多い中、談笑師版では良い女に描かれていた。可愛らしい。なので、下のラスト近く、お染が可哀想に感じる。ちょっと後味悪いかなー、と思っていたら...


 仲入り。


・「品川心中〜それまで・そのあと・スピンオフ〜」

 <ネタバレ少し有り>

 マクラ無しにいきなりネタに入った。2ヵ月後、お染が悲劇の主人公になっており評判になっている。それを知り怒る親分だけど金蔵は怒らない。そんな中、お染が入水自殺したという報せが入り...

 文七元結みたいな人情話になっていた。談笑師は、人情話の人だよねぇ。女郎屋の主が元・居残りで、品川ゲートウェイの前日譚にもなっている。本編終盤の後味の悪さが、逆に良い伏線になっている。金蔵とお染のキャラは、この後日談のための演出だったのね。



・「アフタートーク」談笑師×広瀬和生

 主催者の広瀬さんと演者の談笑師のトーク。以下、メモ。

 落語ネタにテーマを追い求める家元も、「この噺(品川心中)にテーマはない」と言っていたらしい。演じる人は多いけど、このネタを好きな落語家は少ないんだとか。

 普通は、女(お染)を悪女に描く。昔の男客の胸をスッとさせる噺だから。ところが談笑版は(今日に限らず)女性を可愛らしく描く。女性も聞きやすい噺にしたいから。なるほど、そりゃ、普通じゃ後味悪くなるから演りたがらないわこのネタ。で、今回この後日談を付けて、すっきりさせた、と。ちなみに談笑師の落ちは「海女になる」で談志・志ん生系。円生系は「ビクになる」だそうな。

 昔の品川は庶民の街なので、「品川心中」は今で言うと「北千住心中」みたいなニュアンスらしい。

 「持参金」は家元が上方から持ってきて東京で流行らせたが、後に家元は嫌いになったネタ。不細工な女性をオチョクルネタだから。

 談笑師、円朝作品はあまりやらないそうな。二つ蝶々を改作にしてどうか、など。談志が演じたことのあるネタに影響されている?

 談志の評価は、死後の方が上がった。生前はアンチが多かった。死んだタイミングも、他のニュースが無い時期だったので、良かった。各種特集が組まれた。今では良い人だと誤解されている(笑)。
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