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2019年02月10日23:56

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《雪景色》《ちー+! 093》

《雪景色》

すっかり冷え切った朝。まあ、雪景色が綺麗な事。
それでも気温は穏やかな日となり、たちまち消えさる白の景色。
ここいらの風物詩ですな。

日曜日という事もあり、やる事のない一日。
最近読めて来た気がするが、アンケートの類は休日となると数が減るらしい。
まあ、考えてみりゃアンケートを募集する側もそれぞれの企業。形式から見れば事務職の仕事となるわけで、そりゃお休みと考えた方が自然だろうな。

やる事が無いので間隔を開けた二度寝に入るが、昼となれば子供が起こしに来る。
今や中学2年生の子供を自分に照らし合わせると、当時の俺の立場といえば、両親が家に戻らなくなって数カ月の頃だから、この違いは大きいな…なんて、ぼんやりと思う。

例えば俺の両親が当時、家庭円満な状態だったら、俺も自分の子供がするように『昼は?』なんて言って起こしていたのかな?

自分の事であってもこの辺は無かった過去。分かる筈も無いな。


無い金叩いて昼飯探しの冒険へ。本日は車もはらぺこ状態なので近場をぐるりと回るのが精いっぱい。

やっぱりどこに行っていいのかが分からず、結局近場のスーパーへ。
本日は珍しくピザ離脱で寿司のチョイス。
寿司って不思議なもので、いつも以上に食べれちゃうから困ったもんだが、不足分に関しては特売のベビースターでごまかしてみたり。

雪は昼には大半が溶けてしまい、風こそは冷たいものの、車内では暑さを思うほどだった。

昼を終えれば子供は俺になんか用は無い。
俺は俺でパソコンとにらめっこ。辛うじて届いたアンケートは1件のみ。

なのでちー+!の先を進めるが、なんとも思うようにはかどらない。

夜、灯油切れで風呂が…。
この際だから子供を道連れに灯油の買い方、補給の仕方を覚えてもらう。

考えてみれば日本の生活のほとんどは自動化が進んだもので、指先一つで処理を終えてしまう事が一般的になってしまった。
ところがこういった日常も些細な原因でローカル性の必要さが求められるもので、肉体的な動きを必要とする場面においての無力化がひたすらに進んでしまっている。
こりゃいかんですな。

なんて事は微塵も感じてないが、まあ、今後の役に立たない事も無いだろうと教えてみた。

暗がりの中で重たい灯油缶を軽々しく持ち上げ補給をして自慢する安っぽい父親の俺。

そんな自慢も補給完了後には驚愕へ。
蓋が完全に閉まっておらず、ジャボジャボと灯油が服に…。
燃料系のニオイは別に嫌いじゃないが、なんかしつこくて参るんだよね。

子供が生まれた朝は少しばかり雪が降って、空が祝福してくれた気分に浸った事を思い出す。
温暖化の影響か地球規模の時間経過の中の当たり前なのかは判らないが、雪が降る頻度はだいぶ少なくなった。
子供が生まれた年も雪が降ったのは年内最後と記憶していて、なかなかに感慨深い。

今日の出来事や思い出の浸りが雪のせいと言えば、全くそんな事は無いが、それでも雪にまつわる俺の思い出はあまりに多い。

とか感じた…たった今。

ああ、余談だが猫が元気過ぎて困る…。


《ちー+! 093》

第一章 仲間たちとの行進曲 3-55

【拠点ネメス・ネメス城下町北区域】
『ギルド ネメスのあくび』

「ふ〜ん…、どれもこれも…、文字ばっかで深刻度合いがイマイチ分からないよねぇ。…なになに?『ジャイアント・アントが近くに住み着いて食べられそうで怖いです。不安なので倒して下さい。死体の処分もお願いします。…キコリート』? …死体の処分ってどうすりゃいいの?」
 ボーセスの勧めでクエスト依頼となる壁の紙を眺め、その中の1枚を読み上げる。
 内容はキコリートという人物の声という事は分かるが、その割に情報不足が否めず、緊急性の度合いも検討不能である。
「いい所に気がつくのね。初心者はみんな報酬の額から気にするのに」
 隣でチータスの挙動を伺っていたアキは言い、同じ紙の下の方を指差した。
『報酬 銀貨3枚』
 アキの指の先にはそう記載されている事がすぐに理解出来たが、報酬の部分だけ妙に汚れている事も同時に見て取れた。
「なんでここだけ汚れてるの?」
 目にした事実を元に、純粋に感じた言葉を口にする。
「実はね、この依頼は去年の初めの頃から貼ってあるものなの」
「え? 長くない? 依頼主はまだ生きてるの?」
「さあ…。でも、少なくとも最近までは生きているみたいだね。『銀貨3枚』って記入の前は『銀貨1枚』だったから」
「え? どーゆうコト?」
「なるべく安い報酬で事を済ませたいのはどんな依頼者でも考える事なんです!」
 タバチも話に加わる。
 依頼の解消で生活を送る冒険者がなるべく高くて楽な報酬を探す反面、依頼者側は出来るだけ少ない出費で事を済まそうとするその考えは理解に難しい話ではない。
 そのため、依頼者側のほとんどは初めに考える持ち前の最大報酬額を少なく設定する事で、冒険者の反応を見る事から始めるのが一般的である。少ない報酬で冒険者が食らい付き、問題が無事終了するならば、それ以上の楽は無いという話だ。
 しかし、冒険者も慈善事業ではないため、内容に見合わない報酬には目もくれない。
 そこで依頼者側と冒険者側の物言わぬ根気比べのような流れが展開するが、これははっきり言って依頼者側の独り相撲と言っていいだろう。
 無視をされ続ける問題事が依頼者にとって重要であれば、本人がギルドに赴いて報酬を吊り上げる事で冒険者の目を引く。という流れである。
 吊り上がった報酬に気付いた冒険者が納得すれば、その人物が行動に移る。単にそれだけの話だ。
「でもさ、銀貨3枚って実際どうなの? 銅貨30枚でしょ? 報酬に見合わないの?」
「ちぃは『ジャイアント・アント』ってどんなモンスターか知ってる?」
「ぜんぜん。…わかんない」
「だろうね」
『ジャイアント・アント』とは動物や獣に属さない大型昆虫のモンスターであり、普段は大人しいが空腹時の気性は荒い事で有名な存在である。
 普段は単独で行動する事が多いが、敵として対峙した場合に周囲に仲間が居る時は群れを成すので注意が必要とも言われる。
 サイズは人間の大人を一回り大きくした存在が平均的で、緩慢な動きに見合わない攻撃威力には注意が必要。
ただし、その反面に装甲は柔らかく、あらゆる攻撃方法が有効という事もあり、危険度としては最下級ランクに位置している。
 アキやタバチが言うには、この依頼は裏があり、それ以前に面倒な内容が含まれているので誰も手を出さないのだろう、というのが自前の回答のようだった。
 報酬の銀貨3枚という内容は決して高い金額ではないが、何か他の依頼の『ついで』に行う意味では打って付けの額となる。冒険者自身が作り出す追加報酬といった具合だ。
 ただ、この依頼内容には『倒して』とあるが、その先に『死体』という表現が記載されている。早い話が『殺してくれ』と言っている訳だが、この先が厄介な問題だ。
『死体の処分もお願いします』
処分まで任されるとなると、その巨体をどうにかして依頼主の目に付く範囲から持ち運ばなければいけなくなるわけで、そうなると1人2人の人手では途方もない時間を消費する事になり、この時点で銀貨3枚の報酬は見合わず、簡単に足が出る事だろう。
更にジャイアント・アントは仲間の危機に応援の姿勢を示すモンスターのため、死体となった仲間を目撃すれば『仇打ち』という感情の有無は分からずとも戦闘になる可能性もある。危険性は当然増し、負ければクエスト失敗、勝てば勝ったで処理の追加…。と、悪循環のリスクがかなり大きい。
「せめて銀貨なら最低50枚かな。それで仲間を作って均等に山分け会議。その後は一気に叩いて、みんなで急いで処理。うん、やっぱりこれがベストだな。…って、これが私の考えなんだ」
「殺してしまうのではなくて、痛い思いをさせて追っ払ったりするのであれば、銀貨3枚でも充分なんですけどね!」
 冒険者の楽しい話題とはこういった内容を指すのか、アキとタバチの会話は弾んでいるように見え、ある意味で物騒な内容にチータスは付いて行けそうもない。
 ただ、賞金稼ぎの冒険者といえども、少なくともこの2人は殺生を好んでいる訳ではない事は理解でき、そこに関しては安心を覚える。
「ナル、あんたさっきから食らいついて見てるみたいだけど、何か探してるの?」
 そう言えば会話にさっぱり混ざる気配を見せないナルミに気付き、チータスが声を掛ける。
「魔道を極める道具の報酬が無いの…」
「そんなに都合のいい報酬があるわけないでしょ。大体アンタ、戦わないんでしょ?」
 ナルミの声はとても残念そうだが、仮に目的の報酬があったとしても、そのクエスト依頼を誰が実行するのかがチータスの疑問だった。
「歩くだけの依頼って無いのかしら?『一緒にお散歩してくれる人』とか…」
「あるわきゃねぇよ、ンなモン」

 がちゃぁっ! …ガラン!
チー「のわ!?」
ナル「…え?」
アキ「ん…?」
タバ「…はい?」
 様々なクエスト依頼の紙面を眺めて話す4人の背後で唐突に出入り口が開かれる。…と、それに遅れて扉から外れてしまった小さなベルが床に落ち、悲鳴にも似た音を鳴らす。
4人がそれぞれの反応を示して出入り口に現れた人物を見やると、年の頃はアキを思わせる女性が苛立った表情で立っていた。


《あとがき》

仕事が行けなくなるくらいの大雪…。降らないかな?

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