以前 毎日来てた兄ちゃん
歳は ２０代後半か
目がつり上がり 口がとがり 鳥系の顔をしている
色が黒く 「カラス」と命名
この男も ひとりでしゃべる
声が小さく 何を言っているのか分からない
また よく大笑いをする
大笑いだが 声は出さない
身体を揺すって 無音で大笑いする
一度 見たときは
５人がけの丸いテーブルにひとりで座り
なにやら いろいろ身振りをしている
よく見ていると どうやら麻雀をしているよう
たまに パイを並べる動きとかする
バイトの女の子が ふとしたことに気が付いた
「あの人 いつも 右の椅子に話しかけてます」
ふむふむ・・ そういえば しゃべるときに
右に身体が傾く
ある日・・その日は空いていて
数人いるお客さんも ひとりで来ている人ばかりで
「カラス」のしゃべっている内容が 聞こえてきた
また ５人がけの丸いテーブルにひとりで座っていたカラス
例のように 身体が右に傾き
「お前 俺の家 知ってるか？」
（彼には 何か見えているのだろうか？）
「知らんのんか 来いや」
すると すぐに立ち上がり
「すいません おあいそ！」と
レジにやってきた
思わず
「お連れさんの分も いっしょにいただいてよろしいですか？」と
言いたくなった
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