んじゃー、うちの勤め先の話でもすっか。(某寿司屋のお話、店名は明かせないが)
数年前から始めた恵方巻、当初は余所もそんなに力をいれておらずとにかく売れた。
普通の巻物の注文でも通常は提供時に切断するのだが、この日は「切らずに出して下さい。」というオーダーも頻繁に入るようになった。
そして同系列チェーン店内で、売り上げを競うようになっていったのだ。優秀な成績を収めた支店は「特別ボーナス」まで出すという。その時から何かが狂っていった。「売上至上主義」が思わぬ方向に向かっていったのだ。
たったその日の売り上げの為に試行錯誤が続いた。通常営業もあるのに余計な手間も加わる。店内にテイクアウト用の巻物がずらりと陳列して「寿司専門店の出す巻物」という謳い文句を掲げて…
しかし、ある年から売り上げが減少…大量の廃棄を出す羽目になった。勿体無いと言いながら数十本単位で棄てられる。ある留学生のバイトの子が「本当に勿体無いよ、日本はおかしいよ」と呟くのを耳にした。その子が「もって帰れないの?」と聞くと…「売り物だから、お金出して…」との返答…
廃棄を出さずに売り上げを出す、もう「自爆営業」しかなかったのだ。
従業員の私も、買わされるという目にあった。
「買ってくれよ、お願いだから…買ってくれ、買ってくれないと1位になれねぇんだ」と言われ渋々購入してしまう。まぁ、美味しいのを選んで買ったんだが…
原因は一つ…
全国に広がる中で…あちらこちらから恵方巻の販売を行う業種が増えてきた。
スーパーの惣菜部、そしてコンビニチェーン、売るために「有名料亭監修」などのコラボなどを謳い文句にして、それこそ色んな変わり種の具を使ったり…あげくの果てにはロールケーキまで出る始末…(海苔問屋の思惑すら外れる…)
明らかな供給過多になっていった、たった1日しかない節分なのに…(最近じゃ夏の節分まで手を出す業種もあるくらいだが…)お客は分散していくだけだ。
それから、うちの店では供給過多になる事は無くなった。それでも店内用の巻物が余ったりするが大量に余らせる事は勿論しない。今年なんて「余り物持って帰れー!もちろんロハで!」という奮発ぶりだ。全ての巻物を捌ききる事が出来て素直に嬉しい。
保存の利く余った食材は別の寿司で出したりする。廃棄はなるべく出さないで済んだのは良いことである。
諦めるというか、きちんと需要を読みきればロスは減らせる。それこそ各種企業の努力が肝心なのではないだろうか。
あ、現場からは以上でーす。(カズレーザー風に)
■マツコ、恵方巻問題に苦言 「食品ロスを出した企業にはそれなりの負担を」「売れなかったら諦めることも必要よね」
(キャリコネ - 02月05日 16:30)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=210&from=diary&id=5485910
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