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2019年01月28日22:19

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最近のバレンタインは友情だって? 〜童話

おれ、ひとし。小学校5年生。
6年生のみわちゃんとちっちゃな頃からずっと仲良くしてる。
毎年2月のバレンタイン、何かくれてるんだけど、今年は、どうなるのかなぁ。。。

そろそろお互い告白も考えないとなんだけどなぁ。。。

キーンコーン
今日は2月14日。
「みわちゃん、一緒に帰ろうー。」
「あ、ひとしくん。今日はうえちゃんの家に行くねん。またねー。」
みわちゃんはそう言って友達のうえちゃんといそいそと帰ってしまった。
え、今日バレンタインなのに?
おれはショックのあまりみわちゃんをつけてしまった。

みわちゃんの友達のうえちゃんはお菓子作りの好きな女子力の高い女の子。
2人の後をつけると、スーパーに着いた。
2人は何やら色々買い込み、キャッキャ言いながらうえちゃんの家へ。
玄関から聞き耳をたてていると、みわちゃんの声が聞こえた。
「やっぱバレンタインは友達やな!うえちゃんの作るお菓子は美味しいわ!」
そういえば、最近は男子にあげるチョコレートより、女子同士で友達チョコ、というものの方が流行っているって聞いた。
みわちゃん。。。
いいよ、うえちゃんのお菓子でもっと太ったらいいねん!ふん!

おれは生まれて初めて、バレンタインに自分にチョコレートを買って帰った。
チョコビのおっきなやつ。
お母さんに「それ、みわちゃんから?」って聞かれて、余計イライラしてしまって、おれはチョコビをむさぼるように食べた。
すると。。。

ピンポーン

「こんにちは、ひとしくん。」
みわちゃんがやってきた。
「みわちゃん!うえちゃんとバレンタイン楽しんでたんじゃなかったん?」
「ああ、うえちゃんにお菓子の作り方教わってたんやけど、食べてばっかりでなかなか上達せんかったんよ。ごめんな、だからこれ。」

みわちゃんは大きなチョコパンケーキを取り出した。

「うえちゃん家の炊飯器で簡単にできるやつやねん。大きいのいいかなと思って。」

それはそれは大きなチョコパンケーキ。子どもの頭くらいの。

「あ、ありがとう。。。今年は何もないかと思ってた。」
「これからも毎年ひとしくんにあげるよ、何かね。」
「ずっと?」
「ずっと。」
「彼氏ができても?」
「彼氏、できることあるかなぁ。。。」
「なんで?」
「なんでやろう。。。」

おれたちは口ごもってしまった。

今が告白のチャンス!と思ったら!

「あら、みわちゃん、今年は大きなん持ってきたな。デザートに家族みんなで食べるな。」
お母さんが邪魔をしてしまった。

そしておれはチョコビと晩御飯のカレーと(お母さん曰く色がチョコっぽいから)みわちゃんのお手製のチョコパンケーキを食べた。

家族でホワイトデー計画を練りながら。
ホワイトデーは美和ちゃんを連れて家族で水族館!
告白するぞ!





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