1/11 「動かない数宇」 日比野克彦(?)岐阜県美術館長
冬至を過ぎると、夏至に向けて日の出の時間は日ごとに早く、日の入りは
遅くなり、日中の時間が長くなっていきます。私は北極圏で極夜(太陽が出ない日)
が約二か月間続いた後の太陽を見たことが有ります。日が出たと思った次の瞬間に
沈んでゆくという、短い短い日中でした。
自転しながら太陽の周りを回る地球の上では、様々な自然現象が起きます。昨年の
夏は異常気象で台風が東から西へ移動し、岐阜市の長良川では、名物の鵜飼いが百五十七日
中四十二日で中止となりました。長良川では私の監修で、毎年冬至に「こよみのよぶね」が行われています。1から12までの大きな数字の形をした行灯を載せた屋形船を川に浮かべ、
明かりを見つめながら、過去に未来に想いを馳せるのですが、昨年は少し違いました。豪雨や台風で土砂が堆積した航路の修復工事のため屋形船が使えず、河原に行灯を置いたからです。河原の数字は動きませんでした。
しかし、3と11と7は動きました。二っつの数字は東日本大震災の復興支援で毎年3月
11日に行っている「とうほくのこよみのよぶね」で使っているフロ−トに設置し、川に浮かべたのです。7は昨年7月に長良川の陸閘が全閉された記憶です。時が動くと言う当り前の大切さを、動かない数字と対比させながら想う夜でした。
静岡県出身の方や関係の深い方が交代でこの夕刊のコラムの原稿を描かれています。
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