今日、たまたま観た動画なんですが、えらく感動してしまったので、書いておきます。
ジャパンは、(数少ない)大好きなバンドの一つですが、この曲は、地味で印象に残らない曲でした。ところが今日、この動画を観ていたら、淡々とした演奏・歌唱の裏に強い決意のようなものがあることに気が付きました。
ジャパンは、前期・過渡期・後期で音楽性ががらりと変わりますが、この映像は後期の最初期のもの。それ以前の作品から感じられた、若気のいたり〜焦燥感〜煩悩(?)みたいなものが、ばっさりと削ぎ落とされて、デヴィッド・シルヴィアンという人物の素の部分がストレートに表現されているように感じます。
この人も、性格的に、いろいろと問題を抱えていたようなので、こんな風に素の部分をストレートに出すというのは、彼にとっては重大な決断だったのかもしれません。「My New Career」というタイトルからして、人生をやり直す、という強い決意のようなものが感じられます。
そもそも、こんなに地味でヘンテコな曲は、ヒット曲ゼロ(当時)のバンドが、せっかくのテレビ出演でやるような曲じゃないです。どうしても、この曲がやりたかったのでしょう。
素の自分を出した結果、99人に理解されなくても構わない……というような強い決意がなければ、こういう音楽はできないと思います。同年に、坂本龍一と共演・共作したことが自信につながったのかもしれません。この2〜3年後のインタビューで、彼は「自分を開く」というようなことを言ってましたが、この曲はその第一歩だったのかもしれません。
いずれにしても、淡々とした演奏・歌唱と、その裏にある強い意志みたいなものが、なんとも清々しく思えたので、今年最初の日記に記しておくことにしました。
2019年の冒頭で、この曲の良さに気が付いたということにも、何か意味があるのかもしれないです。ボク自身も、人生をやり直すというほどではないにしても、自分の人生を改めて見つめ直したいという思いはありますから…。
――それにしても、この動画のシルヴィアンを見ていると、発達障害の栗原類を見ているような気分になっちゃいますね。(^^;; 当時は、近寄りがたい変な人という印象でしたが、この歳になると、かわいい若者に見えてくるから不思議です。
【追記】
CDを探したら、すぐに見つかって、訳詞が付いていたので、ちょっとだけ書き出してみます。
ひとりきりになりたいなんて
思ったことはなかったくせに
とにかく 僕はそっと家を抜け出して
ここまで来てしまったんだ
南に住む人々は
些細な人生の浮き沈みを繰り返しながら
まっすぐ前を向いて歩いている
確かな足どりで
コーラス:
彼等が僕たちの唄をうたっている
外の人々には何も聞こえないけど
彼等が僕たちの唄をうたっている
僕の新しい人生の始まりに
やっと気づいたんだ
違う生き方もあるということに
船が港に着くたびに
出発の時はやってくるのだから
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