あけましておめでとうございます。
年末はテキトーに実家に戻り、テキトーに蕎麦と雑煮を食べてたものの、
実家にいてもやることがないので、一日夜にはさっさと家に帰ってきました。
自宅にテレビを置いてないので、1年でテレビを見るのは大晦日くらいのもので、
大抵、「笑ってはいけない〜」「芸能人格付チェック」「SASUKE」などを見るのですが、
今年はちょっと…一瞬だけ紅白歌合戦が見たかった。
それはハチ（米津玄師）が出ると聞いたからです。
これが結構感動したんですよ。
テレビを全く見ない自分の耳に、飛び抜けたヒット曲として入ってきたのが、
この米津玄師の「Lemon」でした。
間違いなく2018年最大のヒット曲。動画再生2億5千万回以上。
「PPAP」「USA」が1億4千万回程度なので、その2倍近い人気です
この「Lemon」、客観的に聞いてとってもいい曲だと思いますが、
個人的にはめちゃくちゃ好きというほどでもなく、
別に他の米津玄師の曲全般がすごく好き！…というわけでもありません。
それでもなぜ感動したのかと言いますと、
それはボカロ界（初音ミクなどを使用した同人・ネット系音楽の界隈）が、
ようやくJ-POPのトップに辿り着いたことを実感したからです。
一般の人、はたまた今の米津玄師のファンのメイン層でも
もしかしたら知らない人もいるのかもしれませんが、
米津玄師は「ハチ」というボカロP（投稿者）として、
ボカロ界で歴代で一番の人気を誇っている人なんです。
▲2010年、ボカロ界のレジェンド的楽曲「マトリョシカ」。当時ハチ、19歳
今は下火になっていますが、2010年前後のボカロ界は凄まじい競争で、
当時既にAKBとジャニーズしか上位にいなかったJ-POPランキングとは違い、
事務所やAKB商法もない、みんなが選んだ間違いない名曲だらけでした。
恐らく当時、世界で一番いい曲が集まりやすい場所だったのでは、とさえ思ってます。
そんな数々のアマチュア作曲家がいろんな名曲を生み出すボカロ界で、
ハチ（米津玄師）は総合的に見てトップと言える作曲家でした。
その人がついにJ-POP界でもトップに立ったんです。
僕が米津玄師とボカロ界の関係を他人に説明する時によく使う例えなんですが、
『米津玄師はボカロ界のイチローのような存在である』と伝えています。
ボカロ界の首位打者が満を持してメジャーへ渡ったら、メジャーでも首位打者だった。
日本球界のレベルの高さを世界に示したイチローのように、ハチ（米津玄師）も
初音ミクが流行って11年、ついにボカロ界のレベルの高さを一般層に示してくれました。
要するに、
初音ミクの曲はネット民や若年層だけでなく、
多くの世代の人が楽しめるポテンシャルがある、ということを示したんです。
ボカロ界の曲レベルの高さを説き続けてきた自分としては、
ハチが米津玄師として、2018年最大のヒット曲として、紅白という舞台で歌ったことで、
自分のこの主張は間違っていなかった、と裏付けられたような気がして…
結構感動しました。
▲個人的にハチで一番好きな曲。米津玄師としてセルフカバーもしています
米津玄師がボカロ界のレジェンド、ハチであることがあまり報じられていないのは
「音楽の広がり」的な意味でリスナー側の損失である気がするので、
米津玄師が好きな人は是非、ボカロ界の名曲を漁ってみてください。
↓ぼからんまとめ歴代投稿者ランキング。ぜひ。
https://vocaran.jpn.org/userranking
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＜補足＞
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ボカロ界で一番の人が、ちゃんと一番になったことも大きいです。
ボカロ界の基準と、J-POPの基準に大きな差はないことも同時に示してくれたからです。
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「Lemon」という曲の売れ方、米津玄師という人の売れ方もよかったです。
EXILEの弟分とか、オーディションで勝ち抜いた大型新人としてプロモーション、
…というわけではなく、あくまで音楽の良さでジワ売れしてここまで人気が出た。
そんな人、J-POP全体でも随分久しぶりな気がします。
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紅白のしゃべりや本人のTwitterなんかを見る限り、
ハチ（米津玄師）という人が、本当にネット上で静かに音楽を作っていた人、
という感じがしたのもよかったです。この人は、ボカロP代表なんです。
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こうしてなんか、「自称：流行音楽好き」として『よっしゃ！』と思えたのは、
槇原敬之の「世界に一つだけの花」が、SMAPで大ヒットした時以来な気がします。
僕は（個人的趣向として）マッキーがJ-POP最強だと思っているんですが、
世間的には「ホモでヤク中」と言われている人の曲が、
現在でも日本で最後の国民的楽曲になっていることにほくそ笑みが絶えません。
今も同じような気分です。
おまえらが散々オタクのキモイ音楽として否定してきた人たちの曲が、
2018年、日本で一番ヒットしているんだぜ、と。
心の中で、勝手に1人で笑いながら、感動しています。
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