【独り言：高輪ゲートウェイ】

最近のニュースで「高輪ゲートウェイ」に関しては久しぶりに笑わせてもらった。公募までして、その上位を採用することなくむしろ下位に位置しているネーミングを選択するセンスと言い、それ以前に、公募なんて形式的なもので最初から出来レースだったのではないかと勘ぐる人もいて、遠くの地にいて何の利害もない私からすると笑わずにはいられません。
　
「ゲートウェイ」という言葉は、コンピューターの世界に長くいる私としては割と一般的なネットワーク用語で、「異なるプロトコル（規格）を受け止める」という意味で使われていますが、元々の意味としては「入り口」や「玄関口」ということになり、今回の「高輪ゲートウェイ」はこの意味なのでしょう。
　
変な利害関係がない前提で考えると、この駅名を決めた人は、「これは格好良い！」と思ったのでしょう。それが格好良いというセンスもどうかと思いますが、屋号の名付けを仕事で行なっている私としては、絶対に選択しません。
　
ネーミングに関しては、常々「格好良い」という判断基準では考えないようにするのが常道で、例えば、明治時代に流行った「ひらがな」で名付けをされた、「うめ」さん「ふね」さんや、私たちの世代で流行った「○○子」さんなどは、現在に至っては、使われることは少なくなり、むしろ現在の基準からすると「ダサいな」と思われている人も少なからず存在しています。
　
特に地名や駅名は、死んだらその名前は消滅する人間とは異なり、長く継続して残っていく性質のものです。それが現在の基準で「格好良いだろう」という安易な気持ちで付けられると、すぐに「ダサい」となるのは目に見えています。「突出した格好良さ」は、私からすると「突出したダサさ」と裏表なのです。
　
高輪は、他の府県に住んでいる人からすると、あまりピンとこないかもしれませんが、品川とか白金近辺を指します。東京でも地価も高く高級住宅もある土地ですが、定期券を購入した際に「高輪ゲ」のように略して記載されると複雑だろうなと、不謹慎ながら笑ってしまいます。



山手線の新駅名「高輪ゲートウェイ」撤回を求める反対署名、1万人を超える　「とにかく高輪ゲートウェイだけはない」
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