こう言う「原作の設定を勝手に変更云々」で私が一番トサカに来る最悪の例を挙げましょう
手塚治虫の代表作『鉄腕アトム』の"電光人間の巻"の主役となるロボットの『電光』
ロボットの性能を決めるコンテストで多くのロボットを退けて栄冠を勝ち取った高性能を誇っていたが、唯一社会的な知識を全くプログラミングされていなかった
そして一番の特徴でもある「特殊な光を当てないと人間には姿が見えない」美しいボディを持っているのですが、それを逆手に取られて展示会の会場から同話初登場となった、手塚作品の"スターシステム"の名キャラクターの一人『スカンク草井』に盗み出されて様々な悪事に加担させられます
それをアトムが探しだして諭して連れ帰ろうとするのですが、善悪の判断力に乏しい電光にとっては「自身を解放してくれた草井は善人」と言う基準で動いているのでアトムの説教が理解出来ません
ただ、自分と同じロボットと言う存在(※1)であるアトムに親しみを抱き"ともだち"となる電光とアトム
しかしスカンク草井の呪縛からは離れられず、最後は悪事に利用するだけ利用し存在が邪魔になった草井に"素敵なプレゼント"として時限爆弾を渡されて放免された電光は
アトムの「爆弾を離すんだ!」と言う悲痛な説得に応じず、雪山で爆発して最期を迎えます
そして嘆き哀しむアトムの姿………同作品には多く見られますが、人間の醜さとロボットの存在意義を考えさせられる名エピソードの一つ、だと思ってたんですが、これが平成に入ってからのアニメ番組では驚きの変更が
大まかな流れは同じだったのですが、何とアトムの説得に応じて爆弾放棄で月光は助かるのです
挙げ句の果てに最後にアトムの友人の子供達と輪になって手を繋いで仲良く歌ってハッピーエンドで終わりました(※2)
アニメ制作サイドからすりゃあ
『今の子供向けだし、サブキャラ一丁上がり♪でウハウハだなw』程度の認識で描いたんでしょうがチョットマッテ!←マーク・パンサー風に
様々な事情での設定変更はショーバイ上で仕方ないって時もあるかもしれません
但し其れは手塚作品の根幹に確りと存在する「人間性とは何か?」と言うテーマを弄んで変更すべき事案だったのでしょうか?
更に言うなら手塚治虫全集(文庫化タイプ)を読んだ方には周知でしょうが、必ず作品前の但し書きとして
「差別的に思われる台詞や表現が有りますが、作者の意思を尊重して当時の壗の収録です。御了承下さい」(大意)
こう言うスタンスの手塚作品で、このトンチキな変更は全くのナシじゃないですかね?
百歩譲って作者が生きてて(※3)全面的な同意の元なら、まぁアリかもしれないですが
だから当時は放送してるフジ系列にも、アニメ制作会社にも
そして手塚治虫作品の「権利を守ってる」手塚プロダクションの三社に対して憤りを感じましたし、同アニメ自体
『新しく始まったアトムって、どんな感じだろう?』って感じの初見だったんですが、以降は二度と視ませんでしたよ、えぇ
私的には車田作品はリンかけ世代で『男坂』が一番好きだったので、星矢には欠片の愛情も持ちあわせてませんが、これも酷いですよね
■新作「聖闘士星矢」アンドロメダ瞬の女性化はなぜ炎上しているのか
(HARBOR BUSINESS Online - 12月12日 18:21)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=219&from=diary&id=5415976
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