国境越えた篤志の人

いま我が家の玄関にこちらを飾りつけている。



クリスマスのリースである。所帯を得て１５度目の冬にして初めてリースを飾ったのには理由があり、こちらの品は長女めぐみが養護学校の先生の補助を得て自作したものであり僕らにとっては貴重な逸品である。めぐみがこれを学校から持ち帰りすぐにつけたのを家内が見たところ、僕が市販品を買ってきたのかと思ったらしくめぐちゃんなかなかの力作である。おかげでことしのクリスマスも楽しくなりそうでありありがたい。

日曜朝刊のＡ日新聞では紙面の求人欄のページに「仕事力」と題して各界で活動している方々の取材を得て４話連続でその人の立志伝を掲載している。前回はジャズピアニストに転身した大江千里さんであり少し日記に書かせてもらったが、先週からはこちらの方である。



出雲充さん。この方をご存じの方は相当な経済通であろう。このお方こそあのミドリムシの培養に世界で初めて成功し更に食品として商品化して販売しているベンチャーヒーローである。１９８０年生まれとあるのでまだ４０歳前であり大したものである。
この方の起業あたりまでの記事を読ませていただき、その無謀とも言える冒険心にいたく感銘した。

出雲社長出身校はなんと東京大学農学部である。学生の時になにか世界に貢献できることはないかと海外ボランティアに行き、そこで発展途上国での栄養不足は炭水化物ではなくビタミンにあるという現実を知り、ビタミン食に困った世界の貧しい人々を救おうと立ち上がったのであった。そしてやがてミドリムシの存在をアドバイスから得、よおしミドリムシの培養を志そうと誓ったのであった。この時より前に実は彼文系学部に在籍していたところ、農学の知識が必要と農学部に転籍したとあり学歴は東大農学部なのであった。

ミドリムシの培養は実は前例のない困難な開発であったが、結果彼は成功していまがあるのであるが、その話は来週以降の記事に掲載されるものと思う。
二週目の昨日までの記事によれば、大学卒業後に大手都銀に入行したもののミドリムシの研究意欲にあらがえずに僅か一年で退社、そうしてミドリムシの生産開発のベンチャーを立ち上げたとあり、周囲からは大丈夫か気はたしかかとなかばバカにされたらしい。それくらい五里霧中の先の見通しがたたないたいへん厳しい未来であったようだ。
そこからどのように研鑽努力して培養を成功させ開発して完成させて商品化して発展途上国に供給したかがたいへん興味深い。来週の記事がいまから楽しみである。

さて発展途上国ではなぜにビタミン不足になるかというと理由は単純であった。生鮮食料品の流通や冷蔵庫冷凍庫といった貯蔵設備のインフラが国単位各家庭単位でまったく普及整備されていないため、新鮮な野菜果物といった生鮮品が現地の貧しい人々の口に入りようがないからとあった。それを知ってこの出雲社長はがく然としつつもどうにかしてあげたいどうしようかと悩んで知恵を絞ったうえのミドリムシということである。

偉いよね。まさに産業報国の精神。しかもその国が母国ではなく自身とは縁もゆかりもない発展途上国であるというからしてこれほどの篤志というのがあろうかとバカで無力な僕は感激してしまう。世の中我が身の金儲けを含めた保身に走る奴ばかりなので、出雲さんのような方をみるとまさに篤志の人であるなとただただ頭が下がるばかりだ。

出雲さんもうあと２０年も経過して途上国民の栄養状態が劇的に改善された成果が目の当たりにできるようになればこれはもうノーベル賞を獲得できるのではなかろうか。
そうなればこれは医学生理学賞であろうか化学賞であろうかそれとも経済学賞であろうか。いやこれは平和賞だろうね。彼がノーベル賞を受賞するまで僕も長生きしないといけません。

なので昨日からまた小さな良いことをしようと小さな僕は小さな志をもち、今朝ひとつだけ実践した。今日はペットボトルのゴミの日なので集積場に出しに行くと路上に飲みかけのお茶のボトルが放置されていたので中身を捨ててキャップとフィルムをはずして我が家のゴミと一緒にして廃棄した。まあただそれだけであるが、そうすれば清掃のおばさんたちの負担がその手間だけ省けるということだ。小さなことからこつこつと。

今朝は出雲社長に一曲捧げたいとおもいます。あ、言い忘れた。このミドリムシの会社名をまだ紹介していなかった。皆さんご存じかもしれません。あの「ユーグレナ」です。



今日であるが我が家の食料調達源の相鉄ロー○ンが平日の月曜日でありながらなぜかポイント５倍のセールスデーとなっており特価商品目白押しの広告が出ていた。いつもは水曜日か毎月一日であるのでなぜに月曜日か不可解である。月末対応であろうか。もちろん買い物に行き、買い物しつつそのあたりの探りを入れるとしよう。まさかＣＩＡの陰謀でもあるまいて。いや案外モサドが匂うぞ。アホか俺は(-_-)。