診断メーカー、禁じられた恋、ウイルス、実験より小説

私はエリ。絵里奈って名前だけど、皆はエリって呼ぶから。
27歳独身。彼氏は。。。

ケンちゃん。

でも、ケンちゃんは、正確には私の彼氏じゃない。
私の、友達の、ルミの彼氏。
ルミは、私の高校時代からの親友。
そう、私は、禁じられた恋をしている。。。

最初は、ルミと私の二人でルミの25歳の誕生日会をしていたときに、会わせたい人がいるとか言われて、ルミがケンちゃんを呼んで、3人で居酒屋で出会った。
ルミは、実は25まで彼氏が出来たことがなくて、ずっと恋話とか聞いたことなかったからビックリしたけど、twitterでルミがSEKAINOOWARIが好きってずっとつぶやいてるのを見て、ケンちゃんが僕深瀬くんに似てますよってコメントして、そっからフォロワーになってLINEとか交換しあったりして仲良くなったらしい。
でもケンちゃんはどっちかというとゲス乙女の川谷くんぽいw
まぁそんなこんなでルミが酔ってしまい、二人で一人暮らしの私の家へルミを運んで、二人で色々話してるうちに、手クセの悪い？ケンちゃんにHの一歩手前まで持ってかれるという事態になって。いや、だって、ケンちゃんが話も上手くて遊んでる風で、全然ルミに本気じゃないような態度だったのもあって。。。まさかだけど、落ちちゃった。。。

ケンちゃんはLINEやらはマメに返事してくれる。
ルミといるときだって。
私とは週一程度で、私の家に夜泊まりに来て、鍋食べてお酒飲んでHしてみたいな手軽な関係に。ケンちゃんは私にもルミにもいい加減な態度だったけど。
ルミは初彼だし、お弁当作ったりマフラー編んだり、いかにも女の子な方法でケンちゃんと付き合ってたけど、私は馴れ合った長年連れ添った夫婦のような、何も求めないようなそれでいて側にいるような関係でいた。
私とも、ルミとも、付き合って2年。

27歳のクリスマスが近づいた12月、ルミと二人でカラオケに行ったら、酔ったルミが。
「私、なんと、ケンちゃんから、結婚しようってプロポーズされましたー！」
とのこと。
頭の中はハテナマークと怒りと悲しみと色々でいっぱいだったけど、おめでとう、と一緒にドラゲナイを熱唱した。
「ドラゲナイ♩今宵♩僕たちは友達のように歌うだろう♩」
本当、陰でルミを裏切りながら友達のように接して。。。
私はその夜、お腹痛で寝れなかった。

それは、突然の腹痛。
私の働いてる介護施設で流行ってる、ノロウィルスだった。
ストレスでお腹痛いんだ、と考えて一晩過ごしたけど、下痢がひどいのでまさかと病院に行けばビンゴ！ノロウィルスだった。
誰にもうつしてはいけないので、家に引きこもる生活を送った。
すると。。。飼ってる愛猫のたまが下痢になった。
おそらく私のノロウィルスが感染したのだろう。。。
私は、お腹が痛くて死にそうな日々の中で、復讐を考えた。
このノロウィルスを、あいつに、うつしてやろう。。。
そう思って、私は、あいつにLINEした。
「夜勤が続くから、たまを預かってほしい。ごめんね！」
あいつからはすぐに返事が来た。OK。
そして、私は、動物からもノロウィルスはうつるのか、実験をしたというわけだ。。。

あいつ？

もちろん。。。

ケンちゃん！

ルミは何も知らないからね。散々私を遊んで、ルミとしれっと結婚するなんて許せない。
そして、ケンちゃんは、ルミと婚約してすぐにルミに会えなくなって、一週間。。。

実験は成功ってわけ。
ノロでお腹痛で苦しんだケンちゃんは、私とはまだ付き合っていくつもりでいたみたいで。
ノロが治ってすぐ、ケンちゃんは我が家へいつも通りご飯とHを楽しみに来た。

私がケンちゃんがノロウィルスにやられてる間に、何もしなかったと思う？

私は、ルミのお兄ちゃん、竜兄ちゃんといい感じになって、ケンちゃんのことを洗いざらいぶちまけて竜兄ちゃんを家に呼んだのだ。

竜兄ちゃんも、ルミと同じで彼女いない歴イコール人生な人だから、すっごい怒って簡単に私に惚れてくれて大学時代ボクシング部で鍛えた強さをふんだんに使ってケンちゃんをやっつけてくれた。

私はケンちゃんとルミの結婚式は堂々と安室奈美恵のCAN YOU CELEBRATE？を歌ってルミに感謝されながら過ごした。
竜兄ちゃんと私に怯えているケンちゃんを見ながら、竜兄ちゃんとも付き合う気がないまま、それでも刺激的で楽しい独身生活だな、と考えていた。

永遠ていう 言葉なんて 知らなかったよね

私は、エリは、28になっても、まだ永遠は知らなさそうだw