「爆竹の破壊力」という洗礼を受けた男の子は
皆、狂喜乱舞してその破壊力に酔いしれる…
ありとあらゆるものを破壊し尽くした後は
その対象を生き物へと移す事もしばしばだ…
子供、とりわけ男の子は冷酷で残忍だ
一つ年上の、近所の森君が蛙のケツに爆竹を突っ込んで爆破させているのを見て衝撃を受けたのは
恐らく一年生か二年生の時だ
数日後、ワシが家の前の田んぼで蛙を探してたらおふくろが横切った
「何、探してんの」
「蛙 あのなお母さん、蛙に爆竹さして破裂させたらおもろいねで」
「やめなさい」
「え?」
「そんなかわいそうな事はやめなさい」
「森君もやっててんもん」
「森君は森君や ほっときなさい
そんな事晋也がされてみ?
どれだけ痛くてつらいと思うねん?」
「………」
で、結局
悪魔の側からこっちに戻って来れました…
あれから五十年近く経つけど
あの時、止めてくれたおふくろを
今は心の底から感謝しています(笑)
終わり
(ま、今も蚊を叩くから矛盾してると言えばしてるけど(笑))
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