不法就労、技能実習生として来日していた外国人を不法にサオリーナの工事現場で就労させたとして、男性が出入国管理及び難民認定法違反の疑いで逮捕、罰金刑に処された。さらにこの男性が山口組弘道会系の暴力団組長と約10年に渡る交際があり、男性が経営に関与する警備会社2社がサオリーナの工事現場で交通誘導を行っていたことから、この2社は三重県および三重県警から排除措置を受けたことが後に判明している。
資料◇暴力団と不適切関係 サオリーナ工事警備２社 （中日新聞 三重 2017年3月10日）
津市に建設中の屋内総合スポーツ施設「サオリーナ」の工事現場で交通誘導などを請け負っていた市内の警備会社二社が、暴力団と関係しているとして、県や県警から公共事業に関わらないよう排除措置を受けていたことが関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、二社の経営に関わる男性は昨年九月、サオリーナの工事現場などで、技能実習生として来日した外国人を不法に働かせたとして、入管難民法違反（不法就労助長）の疑いで逮捕され、罰金三十万円の略式命令を受けた。
男性は、指定暴力団山口組弘道会系組長と約十年にわたり、飲食やマージャンを繰り返していたとみられ、津署は昨年十一月、暴力団排除協定に基づき、津市に「暴力団と不適切な関係がある」と通報。同様に、県警も県に連絡した。
市によると、二社は昨年末までの約二年間、旅客ターミナル「津なぎさまち」や道路工事の警備など十数件の市発注事業に携わったが、昨年末までにいずれの事業からも外れたという。
サオリーナを巡っては、市は一月、事業推進を担当していた男性参事が公用車の給油伝票を使い不正に給油していた問題を公表。男性参事は、業務上横領などの疑いで書類送検され、二月に懲戒免職となった。
＜サオリーナ＞ 津市出身で女子レスリングの吉田沙保里選手（３４）にちなんで名付けられ、市が１０月の開館を目指して建設を進めている。３度の入札不調があり、開館予定が当初より１年半遅れている。２０１８年の全国高校総合体育大会、２１年の国民体育大会「三重とこわか国体」の会場となる予定。総事業費は１５５億円。
資料◇使い捨て後絶たず増える外国実習生 サオリーナ不法就労 （中日新聞 2016 年 09 月 28 日）
「五輪ヒーローの名に傷はつかないか」−。津市内の警備会社（廃業）の元役員四人が二十七日に入管難民法違反容疑で逮捕された事件は、市内に建設中の屋内総合スポーツ施設「サオリーナ」が舞台となった。レスリング女子の吉田沙保里選手（３３）の名にちなんだ施設は、東京五輪の事前キャンプ地に名乗りを上げる注目施設だけに、市やスポーツ関係者に戸惑いが広がった。
外国人技能実習制度を巡っては、受け入れ数は増える一方で、実習先での賃金未払いなどのトラブルが問題となっている。今回の事件で不法就労したとして摘発されたベトナム人の男性（２６）も待遇面への不満から実習先を逃げ出していた。制度を悪用し、外国人を安い労働力として“使い捨て”にする業者は後を絶たない。
外国人労働者が国内で就職するには、永住者や定住者といった在留資格を得る必要があるが、技能実習生は研修を受けるなど一定の要件を満たせば三年間働くことができる。
制度を導入した一九九三年以降、就労要件の緩い技能実習生の受け入れは進み、名古屋入国管理局によると、製造業がさかんな東海地方では特にその傾向が顕著だという。
県内の実習生は二〇一二年の約五千二百人だったが、昨年十月末現在では約五千九百二十人に増えている。うち七割超が製造業で働いており、最低賃金の時給七百七十一円以下で労働を強いられていることが多いという。
三重労働局によると、一四年に実習生を受け入れていた県内事業所十二社を調べたところ、全社で賃金未払いや超過勤務などの法令違反が見つかった。期間満了前に受け入れ先を逃げ出した実習生は「労働環境が嫌だった」「他に条件の良い勤め先を見つけた」などの理由を挙げたという。
同労働局職業対策課の南秀志係長は「専門的な技術を身に付けさせるための制度だが、安い労働力として受け入れようとする現状がある。今後は受け入れ先を監視する第三者機関の設置も必要になってくる」と指摘した。
◆五輪の名誉が…「残念」
サオリーナ近くに住む女性（７７）は事件があったことを知ると「来年の開業を楽しみにしていただけに残念です」と語り、「沙保里さんの名誉を傷つけることにならないかしら」と気をもんだ。
吉田選手の兄で、市内のレスリング教室監督の吉田栄利さん（３６）は「市から事業は順調に進んでいると聞いている。コメントする立場にはないが、できる限りの改善を図って夢のアリーナを建設してほしい」と話した。
捜査関係者によると、外国人技能実習生を不法に働かせたとされる警備会社は下請け業者として建設工事に加わっていた。市によると、同社は工事現場の警備を担当しており、直接の建設作業に関わっておらず、工期に影響はないという。
一方で、事件の発覚を受け、市は原因究明のため、元請け会社への聞き取り調査をすることを決めた。
サオリーナの建設は市の目玉事業だけに、事件を知った市職員たちは「注目の施設で、こんなことがあるなんて残念」と口々に漏らしていた。
市の松本尚士総務部長は「発注先に事実関係の確認を求めたところであり、事実関係を踏まえ適切に対処してまいります」との談話を発表した。
◆「外国人雇ってない」逮捕前に容疑の元会長
入管難民法違反（不法就労助長）の疑いで逮捕された警備会社「ウィード」（既に廃業）元会長の世古英雄容疑者（５９）は逮捕前に本紙の取材に「外国人を雇った事実はない」と繰り返し否定していた。一問一答は以下の通り。
−サオリーナの工事現場で、かつて会長を務めていた会社が警備にあたっていた。外国人を不法に働かせていたことはないか。
働かせていない。そもそも外国人は１人も雇っていない。
−サオリーナ建設は津市の目玉事業と思うが、どうか。
世界で活躍する選手の名前を取っていて、日本というより世界のサオリーナだと思う。
−サオリーナ以外の現場では、外国人を働かせていたのか。
働かせたことはない。
−過去にも外国人を雇ったことはないのか。
経営は元専務が仕切っていた。仮に雇っていたことがあったとしても、元専務がやったことで詳しく知らない。
（鈴鹿雄大、大島宏一郎、松崎晃子）
資料◇不法就労助長疑いで逮捕 津の警備会社元役員４人 （中日新聞 三重 2016年9月27日）
津市に建設中の屋内総合スポーツ施設「サオリーナ」の工事現場で、技能実習生として来日した外国人を不法に働かせていたとして、三重県警は２７日、入管難民法違反（不法就労助長）の疑いで、津市の警備会社「ウィード」（既に廃業）元会長の世古英雄容疑者（５９）＝同市＝ら元役員の男女４人を逮捕した。
サオリーナは、津市出身で女子レスリングの吉田沙保里選手（３３）にちなんで名付けられ、津市が来年１０月の開業を目指して建設している。２０１８年の全国高校総合体育大会、２１年の国民体育大会「三重とこわか国体」の会場となる予定。
逮捕容疑では、４人は昨年１１月〜今年３月ごろ、外国人技能実習生として来日したベトナム国籍の男性１人を、実習先以外では働く資格がないのを知りながら、サオリーナの工事現場で警備員として不法に働かせたとされる。
ベトナム人は来日後、県外の実習先で働いていたが、待遇面への不満から逃げ出していた。県警は、同社が他にも数人のベトナム人技能実習生を働かせていたとみて調べている。
ことし１月ごろ、県警に「サオリーナでベトナム人が不法就労している」と匿名の通報があり、発覚。県警と名古屋入国管理局は３月、工事現場で働いていた数人のベトナム人を同法違反（不法就労と不法残留）の疑いで摘発していた。
実習先から逃げ出したベトナム人技能実習生を工事現場で働かせた三重県津市の警備会社会長ら４人
外国人技能実習生として来日して、実習先から逃走したベトナム人６人を三重県津市に建設中の屋内総合スポーツ施設「サオリーナ」の工事現場で働かせた警備会社「ウィード」会長と役員の男女４人。
三重県津市の屋内総合スポーツ施設「サオリーナ」は、来年の２０１７年１０月の開業を目指して建設。
２０１８年の全国高校総合体育大会、２０２１年の国民体育大会「三重とこわか国体」の会場となる予定。
他にも数人のベトナム人技能実習生を働かせていたとみて調べている。
昨年の２０１５年１１月〜今年の２０１６年３月、実習先以外では働く資格がないのを知りながら、外国人技能実習生として来日したベトナム国籍の男（２６）を工事現場で警備員として交通誘導をさせるなど不法に働かせた三重県津市の警備会社「ウィード」会長と役員の男女４人。
今年の２０１６年１月、三重県警に「サオリーナでベトナム人が不法就労している」と匿名の通報があり、発覚。
２０１６年３月、三重県警と古屋入国管理局が、工事現場で働いていたベトナム人６人を入管難民法違反（不法就労と不法残留）で逮捕。
ベトナム人は来日後、三重県外の実習先で働いていたが、待遇面への不満から逃げ出していた。
警備会社「ウィード」が他にも数人のベトナム人技能実習生を働かせていたとみて調べている。
逮捕されたのは三重県津市の警備会社「ウィード」（既に廃業）会長、三重県津市藤方、世古英雄容疑者（５９）。
元役員の男女４人。
警備会社「ウィード」会長の世古英雄容疑者（５９）ら４人は「資格がないとは知らなかった」と容疑を否認。
工事現場で交通誘導してるけど、運転免許は持っていたのか。
怪しい警備会社は結構ある。
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