九之進

高校の入学祝って、今だったら何なんだろう。
その3年前の中学の入学祝は、万年筆だったような気がする。

今から40年以上前の話。
入学祝は何がいいと両親から聞かれたとき、とっさに答えたのが九官鳥だった。

たぶん、相当驚いたろうけど、すぐに川口の駅近くにあるペットショップに行った。
その店に入ると、見てたんだよな、俺が店に入ってくるのを。
必然的に決まった。

春休みだから、だらだらと過ごし、4時からやってた「水戸黄門」の再放送を見てて、母親に名前どうするって聞かれ、テロップに格さんの本名？が、なんとか格之進だったから、九之進と名付けた。

これが、バカでさ。
学校から帰ったら、こっちがただいまって言ったら、普通は「お帰り」なのに、ただいまって言うし、肝心な言葉をあんまり覚えなくて、一人ぼっちでいるときに聞いてた新聞配達の自転車のブレーキの音とかうまくなったり、庭に遊びに来るムクドリに言葉を教えたり、それでもすごくかわいかった。

そんなに長生きしないって、それを知ったのはすぐ後だったけど、それから10年後、こいつを置いて鈴鹿に行った。
その1年後、体調が悪くなって、って言われたからそれだけのために帰ったよ。病院を兼ねてる買ったペットショップに行ったら、「とっくに寿命を過ぎててこれ以上は・・・最後はご家族と一緒に」って言われた。

そして、臆病だから、夜は黒いカバーをかけてあげるんだけど、その日の朝、カバーを開けてあげたら、それを待ってたように、つかまってた木から落ちた。

最後の挨拶がしたかったんだよな。

永遠の友達、そして弟。
生き物を飼うっていうのは、そういった気持ちがなくちゃ。


■里親から「ハムスターを返したい」と突然の連絡が　ありえない理由に言葉を失う
(しらべぇ - 12月03日 05:31)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=202&from=diary&id=5401711