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2018年12月01日23:57

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《ハンバーガーの思い出まとめ》《ちー+! 045》

《ハンバーガーの思い出まとめ》

思い付きで書こうと思い、同時に一日でまとめあげようと思った『ハンバーガーの思い出』なのだが、なんだか一日で書き切れる筈もない膨大な思い出があったもので、我ながら『よくもまァ…』と、呆れたい思いだ。
しかし、実際に存在した過去で、過ごした時間は仕方が無い。
個人的な思い出であり、わざわざ他人様に知らせる内容でもない事は理解しているが、ミクシィの日記システムがそういった仕様なのだから、これは仕方が無い(教えたがり性格)。

という訳で、『ハンバーガーの思い出番外編?』

時代背景と、それまでの俺の視野に存在したハンバーガーチェーン店が隔たっていたもので、どうしてもマクドナルドでの思い出が多くなってしまうが、そこはご愛敬。存在しなかった捏造記憶を書いても仕方がないからね。

1:記憶のマクドナルド
最古の記憶は幼稚園の頃。
まだマクドナルドは現在ほどの展開をしておらず、父が知る店舗も一つで、片道30分ほどの隣駅繁華街のデパート内テナントだった。
よく買いに連れられたのは夜。どうして夜なのかは判らないが、その頃から我が家は時間に対する概念というものを完全に無視する家庭だったので、家族に連れられて夜遅くを出歩くのは別段珍しい事じゃなく、ある言い方をすれば父との味でもある。
まだ『マクドナルド』という言葉も知らないが、『フィッシュバーガー』という言葉は知っていた。
何故なら、ちちと夜にその店舗に行く時は、必ずフィッシュバーガーを食べたからだ。
そう言った理由で、その後『マクドナルド』というチェーン店名を知った後、暫くの間は『ハンバーガー=フィッシュバーガー』という認識の俺は、マクドナルドはフィッシュバーガーを主体に販売・活動する店と思い込んでいた。

2:お誕生日会決行
初学生4年生の頃だっけかな、そんな頃である事は間違いない。
男の子と違い、女の子は自分を含めた仲良しグループの『お誕生日会』を当たり前のように行うもので、同級生友人・幼馴染のほとんどが女の子構成だった俺は、『誕生日』とあらば事あるごとに(強制)出席となっていた。
『○月○日、○○ちゃんの誕生日パーティーだから、来てね』
とか言う誘いではない。
『来れるよね? ○○ちゃんの誕生日』
といった誘われ方だ。とにかく当たり前のように『お誕生日会』は多かった。
…で、ある時、『てぃーのは誕生日会やらないの?』という、素朴な疑問をぶつけられた。
毎日のように遊ぶ幼馴染ではなく、偶然一緒に帰る事になったクラスメイトに。
まあ、はっきり言って盲点だった。俺を含めて誰もがその事に気付かなかったのだ。

という訳で、俺の『お誕生会』を急遽決行となり、まさか汚れまくれの我が家に客人(幼馴染以外の友人の事)を招き入れるわけにもいかず、当時(今も?)やっていたマクドナルドでのお誕生日会というものをやる事に。
あんま気にしていなかったが、当時のマクドナルドには『パーティーブース』が存在し、予定がない時は常時閉鎖の空間となるが、こういったパーティープランの発生時に解放される特殊な場所だ。
どこが特殊かって、そりゃ、第一印象に強いのは『場所』。階段のまん前にデーンとブースが鎮座するため、階段を上り下りする全ての人から丸見えで、思いっ切り恥ずかしい。
あと、司会のお姉さんが(マック店員。恐らくはアルバイト)逐一プログラムを進行してくれるため、ヒマという時間は無いが、好き勝手に雑談する事が出来ない苦痛プログラム。司会というよりは先生のような存在感だった。
子供相手のプログラムのためか、今も『子供に対するマクドナルドの印象』として、メインとなる食事は『ハンバーガー』と『ドリンクS』と『ポテトS』。
どう頑張ってもメニューの変更は無かったようで、選択権利が与えられるのはドリンクの中身のみ。…実は『ハンバーガー』を初めて口にしたのがこの時でもあり、フィッシュバーガーでさえ2個は食べてたのに、それよりも小さく感じるものが一個しかないとは…。
時間は過ぎ、司会のお姉さんの表現する所の『お楽しみ』、ケーキの登場だ。
登場はいいが、俺の甘いモノ嫌いはこの頃も元気に健在で、ショートケーキは特に論外といった頃でもある。
そして来た! 何故か長方形のおばけショートケーキ…!
歓喜するみんな。うなだれる俺…。どうして誕生日のケーキってショートケーキなんだろう? 生クリームが苦手なんだが…。
でも大丈夫。俺には当時、パーティーブース利用の子供にしかさせてもらえない事があった事を知っていて、それを一番の楽しみにしていたのだ。
それは『調理場研修』。つまりはバックルームの作業風景を見学するというもので、どうやってバーガー系を作り上げ、客に提供するまでの流れを直に見学する事が出来るプログラムだった。
学校の勉強は嫌いだったが、こういった一般が知らない事を見る事は大好きな性分だったので、これだけは期待しっぱなしだった。
…が、何故か見学なしでパーティー終了の時間…。
結局何だったの? あのお誕生日会…。いや、祝っては貰ったが…。

3:お釣りを拒むニヒルなバカ
当時、諸費税率3%の頃、マクドナルドがキャンペーンを施し、ハンバーガーが100円で販売される期間が発生(確か当時の通常価格は200円くらい)。
新聞配達の仕事現場で仲良くなった2人に連れられ車でのドライブ中に、仲間内の一人が『腹減ったなぁ…』と。
言い出しっぺのその人がおごってやるというもので、運転もその人だったし、年上だし、まあ、甘えようかと頷くまでは良かったが、その人は給料前の貧乏生活真っ最中のため、一人一個の100円ハンバーガーに強制決定という運びに。
まあ、俺にとってハンバーガーはレアなので、ソレでいいよと。
さて、当時は現品引き渡しの際の会計だったので、商品を受け取って清算を開始。
100円3個の消費税加算で309円なのだが、何を思ったのか、運転をする方が『釣りは要らねえ。…取っときな』と、締まらない顔で捨て台詞を吐いて窓口を離れる。
『あの〜、ちょっとぉ〜!』
と後方で叫ぶ女性クルー。車内で大爆笑の俺たち。
しかし、発進した車の猛進はすぐに止まる。ドライブスルーを使った者に訪れる宿命、幹線道路出現だ。その逃走距離、実に窓口から10メートル弱…。
マクドナルドの従業員出入り口が開く。まさかと思ったが、まさかのさっきのお姉さん登場! 運転席の窓をバンバン! 大人しく窓を開く運転者。
『困ります! 一円でもお釣りはお釣りなんです!』
なんか鬼気迫るお姉さんのセリフに、あっさり呑まれて平謝りに徹する運転者。笑いを堪える俺ともう一人。…が、今度はこちらを向いた、やや睨み表情のお姉さん。わ…悪かった、一円をバカにしたわけじゃないが、あなたにはそう見えたのだろう…。とか思いつつも、何も言えない俺は目線だけを落とした。
『じゃ…じゃあ、募金箱に…』
もう1人の友人が恐る恐る言う。その手があったか!
しかしお姉さんは引き下がらない。
『募金はお客様の善意によって集められるものです! お望みなら、あなたたちが自分たちで寄付して下さい!』
ご…、ごもっとも…。
その後、決して長い時間ではなかったが、なんやかんやと説教を受け、結局はお釣りの1円をレシートと共に受け取った運転手。
『1円をバカにしたな…。そのバチか?』
と、モサモサとハンバーガーを口に運びつつ運転するその人は、なんだか神妙な顔つきなのがまたウケタ。
それにしても、あのお姉さんの言葉は凄かった…。

4:待ちぼうけのモス
中の良かった奴とモスを食べようという話になり、ドライブスルーへ。
難無く注文を終え、会計を済まし、待つ事10分、15分、20分…な、長い…。
でも、モスはピーク時に30分くらい待たされた経験があり、ここから見る事の出来ない店内はワイワイガヤガヤしているんだろう…と、互いに納得して待っているのだが、気になる所は時間が14時を少し回った所で、ピークはきっと終わっているような…。でも待つ。
30分を越え記録更新! この手の世界記録はどんな時間なんだろう…という話に至った頃、後方から後続車が。新たな客のようだ。
途端に窓口が開き、『お客様の会計は…』と、元気な声…。120%忘れられていたらしい。
怒りを通り越すとは言ったもので、まあ、怒っちゃいなかったけど、とりあえず呆れた。

5:ファンが怒ります
現在のスタイルは分からないが、昔のモス、『ホットチキンバーガー』に含まれるトマトは輪切りだった。
輪切りという事は、一つのトマトを利用するため、真ん中の輪切りほど大きく、両端の輪切りほど小さくなるのは必然で理解できると思う。
量というよりは厚みに拘るのがモスなのだろうか、輪切りの大きさに変化が生じても厚みに変更を加えないのが俺の知るモス流。そして大きかろうが小さかろうが、一個体の『トマトの姿』を理解していれば不思議な話ではないので、俺は内心でトマトの大きさを『ホットチキン占い』と思い、大きければ『ラッキー』、小さければ『う〜ん、ザンネン』程度のノリで楽しんでいた。とにかく『一枚もの』という所にあの味があったと思っていた。
ところが、ある日を境にその方針が変更されたらしく、ホットチキンバーガーのトマトはぶつ切り状態に…。
均一化したトマトの量だろうが、それだけで味わいが変化するような錯覚え、結論は『美味しくない』。いや、美味しいのだが、なんか違う感が大きい。
実際、店内で食べる時には頻繁に他の客からも『ホットチキンバーガー』の声は聞こえたものだが、日を増すにつれてその声は耳に届かなくなり、人気も落ちたようだ。
…で、暫くホットチキンバーガーを買う事がなくなってしまったわけだが、それから更に月日が経過した頃、ホットチキンバーガーの中のトマトの姿が以前の姿である輪切り状態に…!
久々に買って食べたソレは、まさにあの頃のホットチキンバーガーだった。
今ではモスにすら行かなくなってしまったが、まだあるのかな?

それよりも、方針を変えた事によって失敗したメニューというものはおおよそ闇に葬られてしまうのがフード業界の常だが、それを以前の状態に戻して再出発を試みたモスの経営サイドは『ホットチキンバーガー』に対してそれ相応の期待感が込められた一品という事が伺えたね。
大袈裟かもしれないけど、チャレンジ精神よりも客の意思を重要視した考えだと思う。

6:悪夢の運転
何と言うか、以前の俺は『ハンバーガー』を食べる時には常に3つ以上食べなくては気が済まず、我ながら意味不明な考えだが最低3つ以上のハンバーガーを文字通り注文していた。
ららぽーとまで足を運んで購入したウェンディーズ帰り、俺は当然のように3つのハンバーガーを買って来たわけで、名前は忘れたが『トリプルなんたら』『シュリンプなんたら』『なんだかかんだか』のセット。ポテトとドリンクのLサイズまで付いちゃっている。
『トリプルなんたら』は大きいサイズの四角のパティが3枚挟まれている、名前通りのハンバーガーで、実はその一つで相当の満腹度だった。…わけだが、どうしても3個食べなくては気が済まないため、続いて2つバーガー、ポテトとやっつける。
…結果、悪夢のような腹痛。眩暈も凄い事に…。
帰路時間は最悪の渋滞の影響もあって、約4時間。
あれは本当にマイッタ。
…でも、やめられなかったなぁ。

7:モス流まかない?
モスで働くクラスメイトに閉店後の店内に招き入れられ、そんな状況下で彼の作業終了を待った事があった。遊ぶ約束をしていたのだが、仕事が長引いてしまい、閉店が先にやってきてしまったからだ。
一連の業務を終了した後には、従業員の楽しみ、まかないの時間の到来。
全てのモスがそうなのかは判らないが、彼の店舗では『一労働一まかない』が存在し、『一つのハンバーガーであれば、中身は自由』という設定。
そのため、食べざかりの彼は『トリプルロースカツバーガー』を自作し、他の女の子はそれぞれに自作のバケモノみたいなハンバーガーを製作…。
飲食店で働く人の特権だな、とか思って見ていると、『食べてみる?』と、奴。なんか、アゴが外れそうな大きさなのだが…。
でも、味わいたい気持ちには勝てず、頑張って一口。
実は未だに『ロースカツバーガー』を実際に買った事は無いのだが、初のロースカツが3段だったため、通常のものを食べればきっとそれには勝てないという気持ちがあって、変な意識での未購入人生。同様のメニューが出現しない限り、多分一生買わないだろう。
そう断言できる美味さだった。
そんな感動のやり取りが楽しそうに見えたのか、奴と同様のアルバイト女子高生の内、2人が自作ハンバーガーを味見してくれと来た。…まあ、誰が口を付けたかなんて気にしないタチなので、向こう側がそれでいいなら遠慮の必要は無く、一口食べ………これ、どうやって食べるの??
確かネーミングは『ぼちゃぼちゃモスバーガー』。
メイン商材のモスバーガーには多量のトマトソースが挟まっているが、まかない製作中に操作を誤りスゲェ量のソースが…。つまりは失敗作。スケールが違う失敗作だ。
バーガーを入れるシートは3重にされ、そのうちソースに直接触れるシートが水気と重みに耐え切れず、既に下方を突き破って次のシートを侵攻中の様子…。こわい。
かぶりつくわけにもいかず困っていると、手にしていたスプーンを出されたのでそれで食べる。…悔しい。見た目はハチャメチャだが、ちゃんとモスしてた。
『スープモス』。うん、売れなさそうだが、一部では人気が出そうだ。パスタの代わりにバンズ使用の液体モスだ。
そんで袋に残ったソースをじゅるじゅるしたいが、『それが楽しみ』と先手を打たれた彼女に言う訳もいかず、そこは男気満開の笑顔付き我慢。…きつかった。じゅるじゅるしたかった。
そんで2人目の女の子の自作バーガーは、モスのイメージに恥じる事のない、清楚なハンバーガー(?)。大袈裟なくらいのレタス超多め。今で言う『フレッシュバーガー』の先駆けだと思う。
一口頂き、味わ…!?
か、辛い! なんだコレ!?
笑う女子高生。彼女、メチャメチャ辛党という事で、当時は知らなかったハラペーニョ満載の自作ハンバーガーだった。ソースが控えめというのもポイントで、辛さだけが引き立ち、バンズやレタスの味ではほとんど辛さが和らがない。この女、…狂ってやがる…!
すごく焦ったが、このハメラレ感がたまらず、後の俺のイタズラに発展する事は言うまでもない。『俺、ピーマン嫌いなんだ…』という、アレだ。
ちなみに、そんな彼女はハラペーニョだらけのハンバーガーを平然と食べ切っていた。
自作バーガーのネーミングは聞きそびれた。違った意味のインパクトが凄過ぎて。

ああ、ダメだ…。また収まらない…。


《ちー+! 045》

第一章 仲間たちとの行進曲 3-7

【魔法都市ペナ・リノ [南部]】
『ペナ・リノ 南部第三公園』

「それにしても、よくわかりましたね」
 改めてトマトスープを2人に差し出したナルミは、簡単な自己紹介を施した後に感心の声を上げた。その理由は自ら名乗る前に正体を見破った事にあるが、アッベシやスケクからすれば、それ以外の答えがある方が驚きだ。
「美味しいわね、このスープ…。旅館のウリかしら?」
 口に運ぶスープを褒めるスケク。おだてる意味ではなく、実際に上品な味わいがあると感じるものだが、初対面との会話の繋ぎはこうした第三の話題を混ぜる事で、潤滑な会話を実現させる事が非常に多いのだ。
 味に関してはアッベシも同感で、さすがは歴史ある老舗といったところか、寄宿舎に身を寄せる城の関係者が何度も食事を依頼するだけの事はあると思った。だが、それにしてもさすがは出来たてか、自分に猫舌の覚えはないが、それでも熱い。これが自分に降り掛かっていた事を考えると穏やかではいられなかった事だろう。自分の選択に間違いがなかった事を心底安心していた。
「ところで、ナルミ様は…、どうして外に? 中にチータス殿が居た筈ですが…」
 ひとしきりスープを味わったスケクは本題に乗り出す。ペナ・リノの人口を知らなかったとはいえ、初めての土地、低い可能性と知りながらナルミを探す決意を示していたチータスであって、幾つかの偶然が重なってその再会が果たされた。
 それにしては感動の再会時間があまりにも短く感じ、実際にナルミがこうして単身で出てきてしまう事が一言に疑問である。何故2人揃ってではないのか?
「ちぃには会いましたよ。少し話もしました。『どうやって旅館を探したの?』って聞いたら、『城の兵士に探してもらった』って言ってまして、『仲良くなれれば馬車に乗せてもらえるかもしれない』って。…それで…」
「ああ、…そういった事でしたか」
 アッベシは頷いた。ナルミの内心を理解する事が出来た。…いや、実際、理解に苦しむ部分の方が遥かに大きいが、それでも現状は理解した。
 つまりはこうだ。ナルミ・クレーデルは大の馬好きなのだろう。若しくは馬車での移動が好きというか…。
 限られた時間内、せっかくの再会でチータス本人よりも馬車を選択するナルミという少女の考えは理解出来ないが、そうした極度の馬車好きを見抜いた上で『馬車に乗せてもらえるかも』と言い出すチータスという勇者志願の考えも理解出来ない。…いや、そういった考え方が、現代の若者の当たり前なのか?
 いずれにしても、そういった発想には付いて行けそうもないが、まあ、それはそれで理解するしかない話なのだろう。実際の問題がこうして目の前に実在するのだから…。
「ナルミ様の気持ちは叶えられますよ。チータス殿がそうする事を希望し、時間が許す限りは」
 スケクはそう言って残りのスープを飲み干すと、続いて本音を交えた会話をナルミに向ける。
「それにしても、せっかくの再会なのですから、もっとお2人の時間を大きく持った方が宜しいのでは? チータス殿は明日にペナ・リノを出発してしまいますので、その後にあれこれしておけば良かった…、なんて事になると、悔いになってしまいますよ? ご馳走様でした」
 空になった容器を差し出し、ナルミの反応を伺うスケク。そんなナルミは容器をトレーに乗せ、一瞬考えたような顔つきを見せるが、返された答えは内容の割に、案外の力強さのような意思が備えられていた。
「ちぃは大丈夫なんです。これから1年間は会えなくなるかもですけど、その後はいつだって再会できますから。…でも、馬車は…お馬さんは…、しかもお城の兵隊さんが騎手の馬車はなかなか乗れないものなんです!」
 どこか基準はおかしいが、それでもナルミの言う事は間違ってはいない。馬や馬車が好きという部分はともかく、城兵操縦と条件が付けば、一般人がなかなか搭乗できる話ではない事は…、言われてみれば…という話ではあるが、なかなかに無いものかも知れない。ナルミの先の行動を見透かした上でのチータスの言動は、彼女のサービス精神なのだろうか? だとすれば、チータス同行の方が話はもっとスムーズに運ぶと思われるが…。
「ところで、チータス殿は旅館の中で何をされているのでしょうか? ご存知ですか?」
 やや混乱を覚える話の流れに、アッベシは話題を切り替える事にした。すると、ナルミは悪気もなく素直に答える。
「ちぃは今、私の母となんだか話しているみたいです。2人きりで話がしたいから、お馬さんをダシに追い出されちゃいましたよ。『兵隊の足止めしといて』って…」
「!?」
「足止め!?」
 考えもしなかった言葉に2人が顔を見合わせる。その一方で、内心『ここでそう来たか!』とも思った。
 見晴らしの良い郊外ならともかく、こんな人だらけの都市内部で逃走された日には探す事もままならない。そう感じた2人は掛け合う言葉も無く勢い良く立ち上がると、その勢いのまま旅館の入口に向けて全力疾走を開始していた。
「ヤラレタ! ナルミ様の行動のトロさは演技だったのね!」
「再会を理由に逃走とは、人の心理を突いていますね。チータス殿もなかなか人が悪い…」
 走りながらそんな事を言い合う2人の後ろ側では…。
「待って下さいぃ〜! わたし、嫌われちゃったんですかぁ〜!? 馬車ぁ〜!!」
 …と、叫びにも程遠い間延びした言葉と共に、のたくたとこちらを追い駆けているようにも…見ようによっては見える、そんなナルミの姿。
「トロさは演技じゃないみたいね…」
「『馬車』も気にしているみたいですね。嘘ではなさそうですが…」
「でも『足止め』って?」
「自分が知る訳ないでしょう!」
 チータスとナルミ両者のやり取りは、ベレーレルでも勘違い問題を少なくない頻度で巻き起こしていた事を部外者は知らない。

「お馬さぁ〜ん!」
 ナルミの悲痛な声は、虚しく公園を響かせて、そして間もなく消えた。


《あとがき》

ハンバーガーの思い出…恐るべし…。
他の思い出はまた今度?


11月以降は色々と忙しくなる期間だが、今年は人材不足による忙しさが目立つ。

早出と残業が一気に増えたせいで自分の時間は無いが、こんな時に限って掻きたい内容が増えるいじわる性格な俺の『のーみそ』。

ソレはそうと、一気に寒くなった。
いや、時期を考えれば異常な程に暖かいものだが、寒暖差が正常なら異常気象だろうとなんだろうと、前日より気温が一気に落ちれば寒く感じるのが当たり前。
周囲に体調不良を訴える人が変に多くなったものだが、まあ、俺も俺でそうならないようにせいぜい気をつけよう。とか思う。

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