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2018年12月01日12:16

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献血失敗(-"-)

自分が人さまの役に立つことなんて献血くらいしかないのでたまに行ってるのだが、先日初めて失敗した。
献血のおねいさま方はその道のエキスパートなので血管を外されたことは一度もなかった。
そして今日は「おねいさま」と呼ぶにはちょっと無理がある妙齢の女性。
世間でいうところのベテランの風情。
安心して任せられ・・・・ん?
何か嫌な予感がするぞ。
微妙におどおどしてる。
私は別に強面でもないし、今日はひげも剃ってきた。
恐れられる要素はないはずだ。
しかし妙に言葉が丁寧で、所作の端々には迷いが見られる。
献血台に乗って採血針を刺す時も何か迷ってる。
触っては離し触っては離しの繰り返し。
やがて意を決したのか『ちくりとしますね』の言葉と共に針が入ってきた。
うむ、皮膚を貫通したな。
『しびれとかないですかっ?』
「大丈夫でーす」
彼女がその言葉を確認した後、針をそのまま進めれば血管に到達するだ。
でも彼女はその針をしゃくり上げ始めた。
「あれっ、あれっ?」
そう何度もつぶやきながら皮膚の中で針先があちこちを探してる。
縫い物じゃないんだから勘弁してくれーといい加減思った時。
『いっぱい刺しちゃったので今日はこれでおしまいにしてよいですか?』
あれだけぶすぶすブスブス刺したのに血管を探すことが出来なかったようだ。
そりゃそうだ、すくい縫いしてるような手つきだったからな。
俺の血管はもっと深いところにある。

いつもより大きな2枚重ねの絆創膏を貼られて献血ルームをあとにした。
その夜、紫色の雲が俺の腕に浮き上がってきた。
いわゆる内出血というやつだ。
「これが収まるまでは献血行けないなぁ」
そう呟いたがもうあの献血ルームに行くことはないだろう。
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