■保護者からの暴言「土下座しろ」「今から殴りに行く」現場で苦しむ教員の声
(弁護士ドットコム - 11月24日 10:32)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=149&from=diary&id=5389694
今日も教育のことをテーマにします。いじめ問題なんて思い出したくないし、嫌なことだけどこのニュースのようによく問題になってますから。
これは、１９８０年代に僕の中学校のクラスでいじめがあった時の話。僕が中学1年の時にシャレにならないほどにひどいいじめがクラスで行われていたので、学年担任の先生全員に叱られて、校長先生もクラスを見に来たことがあったのだった。
僕がいた中学１年生のクラスで、Kさんという女子がひどく虐められていることが先生たちの間で問題視された。担任の中年女性のA先生（美術の先生）は、この虐めの件で頭を痛めてノイローゼ状態になって学校に来なくなった。
すると、ある日、授業後のホームルームの時にA先生ではなくて、学年の担任先生全員がクラスにおっかない顔をしてやって来て学年主任のY先生が教壇に立って、
「Kさんはこのクラスでひどく虐められているので学校に来ていない。お前らの中にいじめをしている生徒がいるのはわかっている。いじめている生徒が名乗り出るまで今日はみんな帰れないぞ」
と言った。前後の入口に先生たちが仁王立ちしていた。
すると、学年の中で一番怖い数学のH先生（４０才くらいの男性教師）が遅れて入ってきて、
「おい、B（不良ぽい男子）、ちょっと前に出てこい！」
と怒鳴った。Bが前に出ていくと先生はいきなり彼をバチーン！と平手で殴った。Bはビックリして頬を抑えて、
「何をするんですか！？」
「お前がやったんだろう？！」
「違いますよ、俺じゃないっすよ！」
「ウソを言え！お前のこの赤いセーターはなんだ！？こんな校則に違反してるもんを着てる奴の言うことなんか信用できん！」
それで、また、平手でバチーン！
「俺はKさんはいじめてないです！」
「黙れ！」
また、平手でバチーン！
「だったら、誰がいじめているんだ！？正直に言え！」
「知らないです」
胸ぐらをつかんで引きずり回して、また、平手でバチーン！
「嘘を言え！本当は知っているんだろ！？」
このメチャクチャなシーンを見て教室中の生徒全員に戦慄が走ったようだけど、僕は戦争映画が大好きでナチス・ドイツ、日本軍の憲兵隊の拷問シーンなどをよく見ていたので、
「H先生のこのやり方は教育指導ではなくて、見せしめの拷問だ。日本陸軍で行われていた憲兵の拷問と全く同じだ」
と思って、H先生のやり方にものすごく腹が立った。
その後、Y先生を始めとする学年担任の先生はクラスの生徒全員を睨みつけながら数分間説教をして、最後にY先生は
「担任のA先生はしばらく学校には来ないので、代わりに音楽のS先生（中年の怖い先生）がこのクラスの担任をしてホームルームまで指導する」
と言った。
先生たちが帰った後にほとんどの生徒、特に女子生徒は涙ぐんで
「怖かった〜、B君みたいに殴られるかと思った」
とか言っていた。でも、僕はH先生の「見せしめの拷問」というやり方に腹が立ったので、
「H先生はキ○ガイだ！あんなことを学校の先生がしていいのか？！先生があんな暴力を振るうから生徒もイジメをするんだ。いきなりB君をみせしめで殴ったのは、軍国主義時代に日本軍人がやっていた拷問だ。民主主義時代の教育でこんなことをやっていいはずがない！俺の親父が中学の先生はバカばかりと言っているけど、全くそのとおりだ」
と僕が大声で言うと、他の生徒たちも
「そうだ、G（僕のこと）の言うとおりだ！あの方法は軍隊のやり方だ！民主主義の学校で許されるはずがない！」
と叫んで同意した。
僕は小学校から中学校に上がる時に西宮市から中学校のある仙台市へと引っ越してきたので、なぜKさんをそんなに虐めるのかよくわからなかった。中学校ではどちらかと言うと大人しくて友達が少ない優等生タイプだったけど、この事件の後では不良グループにもあまりいじめられなくなった。その後もこの事件の話になると、
「あの不条理な体罰に関しては全くGの言うとおりだよ」
と友達に言われた。そして、生徒たちの間ではH先生による不条理な体罰は笑い話となった。
その後、クラスの３分の１くらいの生徒とその親が呼び出しを受けて先生たちと面接をすることになったが、僕と親は呼ばれなかった。臨時の担任になった音楽のS先生に
「僕と僕の親は面接をしなくていいのですか？」
と質問したら、
「Kさんがお前については何も言ってないからしなくていい」
とS先生は言った。
まあ、昭和時代の中学校なんてこんな感じだった。いきなり先生が不条理に体罰を振るっても生徒は誰も文句は言えなかった。Kさんへのいじめはその後は少しは改善されてKさんも学校に来るようになった。でも、この先生たちの対処法は間違っていたと思う。この事件があった1980年代はまだ体罰、「お前なんか、学校に来なくていい！今すぐに窓から飛び降りて死んでしまえ！」などという暴言も当たり前の時代だったから、こういう指導法もよくあった。でも、今の時代にこんな乱暴な指導をしたら、すぐに全国ニュースになるだろう。
それで、中学校を卒業するまでにいじめをしていた連中はKさんに謝ったのかというと、他の学校と同じように謝っていない。それどころか、Kが私立女子高に進学してその後に大学受験のために予備校で浪人していた時も、
「中学校の時にいじめられていたKが俺と同じ予備校にいるけど、俺のような中学時代の同級生とは話そうとしない」
と僕と同じ高校に進んだ友達が言っていた。
その後、1990年代半ばにものすごくひどいいじめ事件とかあって、「いじめ許さん」、「いじめは最低だ」というキャンペーンを政府が主体となって数人の芸能人を起用して行っていた。その頃に僕の中学と高校の友達のCと会って話したことがあった。
僕「今、いじめ撲滅キャンペーンを政府が主体となってやってるけど、俺たちのようにK、N（Kさんと同じように学年ですごく虐められていた女子）がいじめられていても見て見ぬぬりをしていた人たちが、『いじめ許さん』などと言うのはおかしいよな？まず、KとNに謝らないといけないよな？でも、まず、許してもらえないと思うけど」
C「Nは知らないけど、Kは東北大学文学部大学院まで卒業して、今は大学院で研究活動をして安定した生活をしてるよ」
「そうか、それは良かった。彼女はけっこう頭が良くて頑張ったんだな。でも俺たちのような中学の同級生とは会いたくないだろうし、今更、『俺たちはいじめに参加してないけど、中学の時にいじめを見て見ぬふりをしてごめんね』などと言っても、絶対に許してもらえないだろな」
「まあね、それはそうだろね。Kには本当にすまないことをしたと俺も思っているよ」
こんな風にかつてのいじめ事件とかについて話すこともあるが、数年ぶりに中学時代の同級生にあってもだいたい楽しい話題ばかりを話して、中学校でいじめがあったことについて話すことは滅多にない。それで今から30年ほど前のいじめ世代が親になるから、今、ニュースで話題になっているように「モンスターペアレンツ」（通称モンペ）になって、自分の子育ての失敗の責任を全部学校の指導力不足になすり付けている。こういう悪循環の繰り返しで、なかなかいじめの根本的な解決策は見つからない。東大などの有名大学を出た文部科学省の役人と大学教授と教育評論家でも解決法が見つからないのだから、やはり本当に難しい問題だ。
この記事の中で中学校のいじめだけに言及したけど、小学校では組織的ないじめは見たことがなかった。僕は小学校は東京、広島、西宮で通ったが、仙台の中学時代にKさんに対して行われていたようなひどいいじめは、小学校では見たことがなかった。だから、仙台に引っ越してきてから10年以上の間、仙台人に対する僕のイメージはとても悪かった。お喋りな人が多かった西日本育ちの僕にとっては、大人しくてあまり話をしない仙台人の気質に慣れるまではかなり時間がかかった。今でも「仙台人」で検索すると、第2キーワードには「意地悪」「嫌い」「陰湿」などのネガティブな言葉が出てくる。
高校時代にいじめがなかったのは僕はかつて自己紹介でも書いたように、仙台一高という自分がいた学区内で最も優秀な進学校に進んだので、毎年、東大と東北大などの有名大学に合格者を出しているような進学校ではいじめはなかった。やはり、どこの進学校も「有名大学に現役合格したい」、「みんなで一緒に志望大学に合格しよう」という勉強熱と仲間意識が強いので、いじめというくだらないことはしないのだろう。
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